“ＩＳＫＡＮＤＡＬＯＳＡ”
（スキャンダラス）
　
(80)年：アルドム・フィルム・プロダクションズ
監督：オルランド・Ｒ・ナドレス
主演：リオ・ロクシン
　　　 マット・ラニーリオ・３世
　　　 マックス・アルヴァラド
　　　 ルエル・ヴェルナル
　　　 ルビー・アンナ
　　　 アニータ・リンダ
　　　 ルーベン・ルスティア
　　　 ロルリ・ヴィリアヌエヴァ
　　　 ビベット・オルテサ
　リオ・ロクシンがセクシーさを打ちだしていた最盛期の主演作。
　ＯＬのルーデス（リオ）は工員のルディー（マット・ラニーリオ・３世）と恋人同士で、貧しいながらも平凡に生きている。でもダンス・シアターの用心棒であるならずもの（ルエル・ヴェルナル）にジプニー運転手の父のデンショ（ルーベン・ルスティア）がケンカを売られ、抗議に入った母とともに殺されて人生がかわる。父の借金を背負い、幼い二人の妹と一人の弟の生活費がのしかかる。しかもルディーが会社のオーナーであるカネもちのサンドラ（ルビー・アンナ）の誘惑をうけ、ルディーの母のフリア（アニータ・リンダ）がサンドラとルディーの結婚をのぞんでルーデスを嫌う。なんとかルディーはサンドラのヒモ状態を振りきるが、ルーデスはルディーと距離をおく。そして近所に住むダンサーのダイアナ（ビベット・オルテサ）に仕事を頼んで売春を紹介され、いったんは逃げかえるも、横恋慕のブゴ（マックス・アルヴァラド）から強姦のピンチにルディーが助けてくれるながら、意識不明の重傷を負ったルディーの入院費のための出費に迫られる。ダイアナのバック・ダンサーになるや、すぐにソロのトップに踊りでる。父を殺したならずものがルーデスのステージに魅入られて嫉妬でからむライヴァルのダンサーを退け、スケベ心でデートを誘ってきたので、ホテルへ呼びだしてパンツ一丁になったときに刺殺する。警察につかまるも、情状酌量の一時釈放で人気ダンサーにもどる。恥ずかしい職業についた思いでルーデスが無事退院のルディーを避けると、ルーデスのステージをみたルディーがショックをうける。最後はフリアの理解で二人が結ばれる。
　どうってことないストーリーは『ＤＡＲＮＡ』で有名なマルス・ラヴェロにより、脚本家としてのほうが知られるオルランド・ナドレスの自作シナリオと演出になる。従兄弟のジュン（ルーイー・サルミエント）が同居のルディーの家でフリアがミシンを踏んでいる生活環境や、デンショがクリスマスの電飾をつけてルーデスたちが喜ぶ小さな幸せの表現がけっこう評価できる。近所のものがギターで歌っているデンショの葬式風景もフィリピンっぽい。ルーデスの入院費の差し入れにフリアが「足らない」と怒りつつ、ちゃんと礼の言葉をつけたしているあたりの描写も買える。まあ、ルーデスの殺人とルディーの手術をカット・バックといった稚拙なテクニックの範囲内でだが…。
　なんといってもリオ・ロクシンの色気にすべての期待がかかる。雨宿りでルディーとすごすホテルでセックスし、ルディーの腕などでオッパイが隠れるうえ、最初のステージ衣装は銀のビキニと赤いセパレーツがさほどそそらないも、ハミケツに近い普段着の短パンが誘惑光線をはなつ。さらにルディーのながめるステージがホームラン級にエロティックで、黒い光沢のボディーへキュッと貼りついたビキニでお尻をクネクネと動かすのにガーンと悩殺される。ビベット・オルテサはジーンズでスタイルのよさをうかがわせ、やはりハミケツっぽい短パンの普段着やビキニのステージ衣装を披露してくれる。ルビー・アンナはブラのバストを公開までになる。とにかく脇の名女優となったリオのキラキラと輝く宝石のごとき若き日の光沢ビキニをおがめただけで満足、満足。
　なお、ルーデスのダンサー転身をうわさする近所のオカマ連中に現在は大監督になったジョエル・ラマンガンの顔がみえる。ルディーがＴＯＹＯＴＡのＴシャツを着ているのがちょっとおかしい。現存プリントにはラストが少し欠落しているようだ。