ＩＲＡ
　
01年：トーラス・フィルムズ
監督：ジェット・Ｃ・エスピリツ
主演：イロナー・マルケス
　　　 デレク・ディー
　　　 ラフィー・アニド
　　　 ハンナ・ミランダ
　　　 エルウィン・モンテス
　　　 エリック・ロドリゲス
　　　 アリエル・レイエス
　　　 ジュン・アレナス
　ジェット・Ｃ・エスピリツ監督がよくやるヒーロー交代劇で、善人風だったデレク・ディー演じる地主がワルに転じ、脱獄囚として登場したラフィー・アニド演じるデレクの使用人が主人公の味方に変わる。
　イロナー・マルケス演じるダンサーがヒロインで、いきなりステージ・シーンから開始。紐Ｔバックの極小ビキニで踊り、ほんの少しの布で乳首のまわりを覆っただけの、かつてのジェーン・マンスフィールド級のウルトラ乳房が圧倒的な迫力。でも個人的には度を越えた巨乳は好きじゃないし、ヘソの下に刺青は入れているし、容貌的にもイマイチなので、それほど興奮しない。
　デレクに囲われる設定になるのだが、いわゆる大地主で、その農園における耕作、刈りいれ、穀物の天日干し、果樹の消毒などの光景はけっこう興味深い。すでにハンナ・ミランダ演じる愛人がいて、デレクから愛されるイロナーは嫉妬を買い、ハンナから命を狙われる状況を招く。
　イロナーとハンナのヌードが随所に盛りこまれているのは嬉しい点で、まずジョシー・ガルヴェス演じる家政婦にイロナーが石鹸でボディーを洗われるところがそそる。デレクとプールの中でキスするときの赤いビキニもドキドキだが、シャワーを浴びている最中にヘビを投げ入れられるシーンでの全裸が堂々たるもの。ハンナも負けていなくて、悔しさから自分のボディーを鏡に映してみるときのオッパイ丸だしのポーズがみごと。手下として利用しようと、エリック・ロドリゲス演じるデレクの使用人の一人を誘惑する際の黒いパンティー一枚のボディーも視線を奪う。
　でもやっぱり二人ともブスっぽいなあとの思いがもたげて、完全に有頂天にさせてくれないのが惜しい。
　ラフィーがイロナーとできていると疑ったデレクがラフィーを殺そうとする展開になって、何とか助かったラフィーはイロナーを連れて逃げる。そしてセックスするのだが、このとき白い衣装からイロナーの乳首が半分だけ露出しているが妙に色っぽい。
　使用人どもの追っ手がきて乱闘になり、用水路を走るイロナーの服が濡れて貼りつき、Ｔバックのお尻がずっと浮かびあがったままなのは、さすがにビンビンもの。モロみえじゃなく、スケスケというシチュエーションが挑発してくるようだ。
　二人をつかまえて連れ戻すも、デレクはまた新しい女（ペルリタ・ティブルシオ？）を囲って、オッパイを全開にしてのセックスにふけっている。ついにキレたハンナがデレクを撃ち、急所をはずれたデレクがハンナへ撃ち返す。デレクがラフィーにも一発おみまいし、イロナーにも銃口を向けると、ハンナが落とした銃を拾ってラフィーがデレクを撃つ。使用人どもとラフィーの銃撃戦になり、イロナーもデレクが落とした銃を拾って使用人をやっつける。
　というわけで、イロナー以外は全滅という構図。凄惨な終わりかたなものの、これでイマイチ悲劇が盛りあがらないのは演出のいたらなさだろう。ヒーロー交代のドラマも、それほど成功したようには思えない。
　とにかくイロナーの魅力不足はどうしようもなかったようだ。
　ほかにも使用人たちにもてあそばれそうになるバー・ガール役のエレイン・ディゾンや、レイプのうえに殺されたラフィーのガールフレンド役のオデッサ・サンブラノなど、やっぱりブスっぽいのが残念。エレインなどセミ・ヌードにまでなっているのだが。