ＰＲＩＳＯＮ　ＣＡＭＰ　ＧＩＲＬＳ　　ＪＡＩＬＥＤ　ＦＯＲ　ＬＯＶＥ
　
82年：ルクソル・フィルム／ペーター・カーン／パウル・ジーモン
監督：クルト・ラアブ、（セルソ・ＡＤ・カスティーリオ）
主演：ウド・キアー
　　　 バーバラ・ヴァレンティン
　　　 テット・アンティキエラ
　　　 カール・オットー・アルベルティー
　　　 カレン・ロペス
　　　 ハンス・ツァンダー
　本当の原題は『ＤＩＥ　ＩＮＳＥＬ　ＤＥＲ　ＢＬＵＴＩＧＥＮ　ＰＬＡＮＴＡＧＥ』なる西ドイツ映画。日本では吹きかえが明らかな英語版がヴィデオ発売されてこの原題だが、アメリカ合衆国での題名は『ＥＳＣＡＰＥ　ＦＲＯＭ　ＢＬＯＯＤ　ＰＬＡＮＴＡＴＩＯＮ』のようだ。また『ＩＳＬＡＮＤ　ＯＦ　ＢＬＯＯＤＹ　ＰＬＡＮＴＡＴＩＯＮ』との英語題名もある。ＩＭＤｂによれば西ドイツとフィリピンの合作で、監督はクルト・ラアブとペーター・カーンの共同。でも本ヴァージョンのクレジットにはクルト・ラアブしかない。セルソ・ＡＤ・カスティーリオはホームページにクルト・ラアブとペーター・カーンの名前をカッコで書きながら、自らのフィルモグラフイーに加えている。おそらくクルト・ラアブがメインの演出をおこない、ロケ地の関係でフィリピン人が脇のキャストの大半を占めるため、これをセルソ・ＡＤ・カスティーリオが協力の形で監督にあたったのだろう。
　個人的にはフィリピン女優の出演に注目で、テット・アンティキエラ、カレン・ロペス、ローズマリー・サリタの三名の名前が読める。ストーリーの中ではコーラ、リタ、アルマが役名をもつ人物になるも、ＩＭＤｂはテット・アンティキエラをナツィの看守役と記載。セルソ・ＡＤ・カスティーリオのホームページはＩＭＤｂの間違いを直さずにそのまま写し、ちょっとあやしいぞと思わせる。ＡＶ　ＭＡＮＩＡＣＳでピエテル・ボヴェナという人物が訂正を試み、テット・アンティキエラのメガネをかけたポートレイトから顔の形を比べ、テット・アンティキエラがリタでカレン・ロペスがコーラ、ローズマリー・サリタがアルマじゃないかと推測を述べる。ものすごく役に立ったし、フィリピン女優のマニアがいるなあ、と嬉しさがこみあげる。たぶん正解に違いなく、この指摘がなければＩＭＤｂのローズマリー・サリタがリタを信じ、テット・アンティキエラを消去法でアルマと勘違いのところだった。
　ナツィの残党たちが太平洋の南の島でココナッツのプランテーションを営み、現地の女性を奴隷に使う設定。グロバチョニック大佐（カール・オットー・アルベルティー）をはじめ、ブラディーの仇名をもつオルガ（バーバラ・ヴァレンティン）や隊員たちなどが軍服を着て、腕章はナツィのマークと異なるながら、ちょっと笑わせる。そんなのは『愛の嵐』じゃないが、ナツィの過去を隠し、軍服を封印が実態だろう。なんてのは軍服をサディスティックな行為の象徴のごとくあつかうのでいいも、残党たちの召使いが小人なうえ、発狂する隊員のペヴニー（クルト・ラアブ）が現地の下働きの若者たちとホモがフィリピンっぽい。
　隊員の中で唯一、まともなハートマン（ウド・キアー）が奴隷のコーラと恋に落ち、島から逃そうと試みて失敗。自らコーラを鞭で打つように命じられる。奴隷たちが毒グモで隊員のセルツカ（ハンス・ツァンダー）を退治や、拷問でアルマが陰謀犯を告白でハートマンとコーラに死刑判決がくだって牢に幽閉などあって、奴隷のリーダーのリタが魔術を使い、ハートマンとコーラを脱出させるも、はりつけの刑に処される。島にはオルガの娘のエヴァ（カリーナ・ファレンシュタイン）が母に会おうと現地人の恋人で、ココナッツを運ぶ船に勤めるミゲルの手引きでしのびこむ。 エヴァを発見のリタがかくまい、奴隷たちの反逆の蜂起にエヴァが協力。ハートマンがカネで動く隊員のカムフーバー（マイク・モンティー）をうまくだまして片づけ、弾薬を奪ってグロバチョニックを攻め、バンカーで島をでたコーラが助けを呼んでくる、との話。
　牢で手をとり合ったときにハートマンの「アイ・ラヴ・ユー」に対し、コーラの「マハール・キタ」でフィリピン・ロケがわかる。
　冒頭に白人の女性がふたり、島に現われてセルツカにあっさりと撃たれ、ビキニなので犯せばいいのに、もったいないながら、白人だから個人的に興奮が弱い。上陸でエヴァが濡れたＴシャツとお尻にペッタリとくっつく水着のパンティーや、現地人の下働きたちをたぶらかす作戦の際にシー・スルーのウェディング・ドレスに乳首が浮かぶも、やはり白人のカリーナ・ファレンシュタインがイマイチ。ブラディー・オルガはハートマンのコーラを鞭打ちを観賞でルイ王朝時代ふうのコスチュームに脚を組み、スカートの中にオマンコがのぞきそうな太腿があらわ。ハートマンを好きでセックスを求め、それで多少の裏切りも大目にみるも、なかなかハートマンが応じない誘惑で夜の屋外に月明かりを浴びて薄い生地のワンピースにボディーがスケるが、年増の白人のバーバラ・ヴァレンティンに燃えない。ただしグロバチョニックとベッドでスリップはさておき、光沢の下半身にピタッとフィットのレオタードみたいな黒いパンツ姿はタイプだけにボキボキと刺激をうける。
　ここはフィリピン女優の魅力に悩殺で、カレン・ロペスはハートマンと全裸のセックスで乳首を全開にくわえ、密航の船でクルーのレイプはハートマンが相手を射殺で脱がないが、鞭打ちで乳首がシャツからハミだせば、寝ているときに下働きのアマンドがシャツをまくって乳首をポロリ。オルガにみつかるハートマンとの青姦もオッパイをモロにさらす。ハートマンと縛られての裁判もどきがトップレスなら、屋根のない牢屋に雨が降ってきて、腰にまとう布がお尻に貼りつく。テット・アンティキエラは変態のペヴニーがセックスを見物とばかりにアマンドをあてがわれ、愛撫で乳首の立ったオッパイを堂々におがませる。はりつけの拷問では乳首がスケスケで生ツバごっくん。ローズマリー・サリタはやしの木に登るのを下から撮って股間がチラつき、ほかの奴隷役の全員ともども、白いシャツの衣装に乳首がうかがえる。やしの木を登ったあとにカムフーバーの犠牲になる女性は乳首をバッチリ。
　性的な残虐描写なんてほとんど見せ場に足らず、フィリピン女優のヌードに尽きる。
　なお、グロバチョニック役のカール・オットー・アルベルティーは『大脱走』『バルジ大作戦』『パリは燃えているか』『空軍大戦略』『地獄に堕ちた勇者ども』『サンタ・ビットリアの秘密』『戦略大作戦』『ロンメル軍団を叩け』『スローターハウス５』で、ずっとファンだった俳優。『戦略大作戦』以外はほんの小さな役ながら、ちょっとマーロン・ブランドに似たイメージで存在感を放っていた。調べてみれば『怒りの荒野』『コマンド戦略』『強奪超特急』『ボクサー』『ザルツブルグ・コネクション』にも出演のようだが、これらはＴＶ放映の不完全版しかみていないせいか、気づかなかった。

※　この作品は『プリズンボンバー　地獄のサティアン』の題名でヴィデオ発売されたことがある。