ＩＭＯＲＡＬ
　
08年：ヴィデオ・フリック・プロダクションズ
監督：アドルフォ・Ｂ・アリックス・ジュニア
主演：パオロ・パライソ
　　　 アーノルド・レイエス
　　　 カテリン・ルナ
　　　 エドガー・アラン・グスマン
　　　 ペルラ・バウティスタ
　男二人と女一人の三角関係を描きつつも、男同士がホモとのシチュエーションのディジタル作品。
　タクシー運転手のダンテ（パオロ・パライソ）は妻のアビ（カテリン・ルナ）がいるが、同性のジョナタン（アーノルド・レイエス）ともできていて、三人が一緒に暮らす。しかも形のうえではアビとジョナタンが夫婦のゆがんだ状態にある。ダンテはサウジ・アラビアで出稼ぎしたらしく、ルナは元ホステスに対し、ジョナタンは建築士のインテリになる。家賃でもめて新しい部屋にかわり、大家の老嬢のマルタ（ペルラ・バウティスタ）が三人の生活につっこみを入れたがる。姉のベッキー（アドリアナ・アグカオイリ）がジョナタンにカネの必要を訴える。ダンテとジョナタンがホモ・セックスの間、アビが笑みをうかべて待つ。建設現場で知り合ったガブルエル（エドガー・アラン・グスマン）を連れこんでジョナタンがホモ・セックスし、ダンテが怒る。との流れで、ダンテの旧友のラフィー（クリストファー・キング）がドバイへ働きにいっていたり、ガブリエルがドバイへ海外就労したがったりのフィリピンっぽい傾向を示しながら、アビの妊娠にくわえ、中年女性の客（アグネス・デ・グスマン）がタクシーへ大金を忘れ、それをネコババでドラマが起きる。ダンテがカネを二人にみせると、クローゼットにジョナタンが隠し、少しベッキーのために使うが、最後はダンテがカネをもってでていくまで、カネによる愛の変化をみつめる。人間のアイデンティティーをとう狙いかもしれないも、はっきりいってアドルフォ・Ｂ・アリックス・ジュニアの語り口がヘタなせいか、映像に緊張感が乏しくてダラダラと続き、ストレートにいえばつまらない。アビの母（チェリー・マドリガル）と姉（アンジェリ・バヤニ）が住む貧民街の雰囲気と、母がパンシット・ビーホンをつくっているようすに興味がわく程度。
　小品ゆえのウィットが空まわりと指摘したくなる。
　ダンテとジョナタンのホモ・セックスはパンツをまくってパオロ・パライソとアーノルド・レイエスのお尻がでるうえ、スキャンダルの本番ヴィデオを「好きなやつだ」とみたガブルエルがオナニーし、ジョナタンとホモ・セックスへ発展でバックのパコパコにアーノルト・レイエスとエドガー・アラン・グスマンのアナルまでのぞきそうなお尻が迫るも、男のハダカは勘弁してほしい。肝心のカテリン・ルナのヌードが少ないのが不満の最大点といえる。ダンテにジーンズをおろされて水色のパンティーがみえるのと、ダンテとのセックスを鏡の中にとらえるショットでオッパイがチラつく程度。
　中途半端なエロは失望感を高める。
　なおアビの母親役に八十年代のセクシー女優のチェリー・マドリガルが出演するが、太ったおばさんの貫禄に驚く。