ＩＩＳＡ　ＰＡ　ＬＡＭＡＮＧ
（それぞれまだ一人）
　
(92)年：リーガル・フィルムズ
監督：ホセ・ハヴィエール・レイエス
主演：リチャード・ゴメス
　　　 ドーン・スレータ
　　　 マリセル・ラクサ
　　　 バルバラ・ペレス
　　　 エディー・グチェレス
　　　 ロイド・サマルティノ
　　　 カルミナ・ヴィリアロエル
　　　 アルジョン・ヒメネス
　　　 ジェフリー・サントス
　ホセ・ハヴィエール・レイエスらしい皮肉な設定による愛憎劇。
　リチャード・ゴメスとドーン・スレータがカレッジの同級生を演じ、総代になるリチャードが優等生。マリセル・ラクサ演じるサンフランシスコに留学中のフィアンセと周囲が勝手に結婚を決めこんでいるのが気に入らない。卒業後にしばらくして街でドーンと出会い、ときめきを感じる。マリセルが帰国でパーティー開催など、体裁にばかりこだわる上流社会を嫌ったリチャードがドーンへアタックすると、ドーンにはすでにマルコ・バリエステロス演じる幼い息子がいる。しかもバルバラ・ペレス演じるマリセルの母が再婚していて、エディー・グチェレス演じるその夫がドーンを愛人に囲うとの状況。義理の父であるエディーの行動をあやしんだマリセルが探偵を雇い、めかけのドーンの存在を知る。マリセルがドーンを訪ねて誹謗中傷を口にしたのでドーンが泣き崩れ、リチャードがなぐさめて深い仲に。別荘で会っているとエディーが予定外に一日早く帰ったため、バッド・タイミングにはち合わせ。ドーンとエディーの関係にショックをうけたリチャードがマリセルに迫って、二人が結婚へ。でも何年か経ってリチャードとドーンが偶然に再会のあと、不倫へと陥る。
　卒業式でロイド・サマルティノ演じる友人とリチャードがドーンを誘い、あっさり断られるのに、在学期間中にデートしなかったわけとの疑問が生じるが、ここは物語のすべりだし。エヴァ・ダレン演じる母とアルジョン・ヒメネス演じる弟を養うためにドーンはめかけになったシチュエーションで決して裕福な層といえず、体の弱いマルコの入院費が払えないので、マニー・カスタニェーダ演じるオカマのブローカーに頼んで売春する。カネをもって戻ったら、マルコが臨終をむかえるセンティメンタルさはお涙ちょうだいの部分だろう。気の強いマリセルがノエル・トリニダッド演じる弁護士と一緒にエディーへ財産放棄を求めると、バルバラに「いいんだな」と確認のうえでエディーが書類にサインする。リチャードの妻になったマリセルに対し、ドーンとの情事を知らぬが仏で嫌味な目を向けるエディーが、実に陰湿な人物。こういう険のあるスケベ親父に扮したとき、エディーという役者は驚くほどうまい。義理の姉であるマリセルに振りまわされてきたカルミナ・ヴィリアロエル演じるエディーの娘が、たまたまジェフリー・サントス演じるボーイ・フレンドとデート中にリチャードとドーンをみかけ、マリセルに密会を教える形でドラマにからんでくるながら、種違いの弟であるはずのマルコの死に涙する流れの工夫がほしかったかもしれない。
　いずれにしれも、普通にまとまった構成。
　まあ、リチャードとドーンが『ムーンライト・セレナーデ』をバックにダンスしたり、ラストでドーンがアメリカへ出発したり、相変わらずフィリピン人のアメリカ志向が背景にあるとわかって、あきれ半分に興味深い。
　もっとも大ファンのドーンを目的にみたのだから、その魅力が輝いていればいっさい文句のないところ。エディーとのセックスはおざなりだったが、リチャードとのセックスでオッパイがのぞきそうなのにカッカ興奮をくれる。しかもビーチで逢い引きになって、リチャードと水中で愛撫を繰り広げる。ハイレグのパンティーにシャツのかっこうは、リチャードが食いこんだパンティーの上からお尻をさわり、シャツがまくれそうなのにノー・ブラかなとの妄想がかけめぐる。浅瀬で抱き合うと、シャツが濡れて貼りついたドーンの背中にブラ線がないから、ワーッ、ノー・ブラだっ、と歓喜の声がでる。リチャードの海パンのお尻にドーンが指を突っこむのが妙にいやらしい。シャツを脱ぎ捨て、ついにトップレスを背中からとらえるのによだれがたれまくり、リチャードと熱いキスで胸がすれ合って今にもオッパイがポロリ寸前に心臓がはり裂けそう。不倫の室内セックスでもシャツをはだけてブラがみえるのに視線釘づけのあと、ブラをはずしてまたもトップレスの背中を露出。ほんの少しでオッパイがでる瞬間までとらえるので、もはや我慢できない。
　ドーン、最高。愛してます。
　マリセルはさほど美人じゃないながら、お高い性格ブスを好演だし、ビーチでワンピース水着と、ベッドでスリップ下着を披露してくれる。
　なお、リチャードの海パンが三度もでてくるのは、女性客を意識した現われだろう。