ＨＵＷＡＧ　ＮＡ　ＨＵＷＡＧ　ＫＡＮＧ　ＬＡＬＡＰＩＴ，ＤＡＲＬＩＮＧ
（もうこれ以上ダーリンに近づくなったら近づくな）
　
97年：ＭＡＱプロダクション
監督：レオ・ヴァルデス
主演：アール・イグナシオ
　　 　デイジー・レイエス
　 　　ダニエル・パシア
　　 　リチャード・ボニン
　　 　リト・レガスピ
　　　 チア・プシット
　　　 シタ・アスタルス
　　　 ドン・ペポト
　　　 ルー・ヴェロソ
　　　 フローラ・ガセル
　笑えないナンセンス・コメディーほど始末におえないものはない。
　田舎にチア・プシットとシタ・アスタルスが演じる妊娠している女性が二人いて、シタはマニラへとでる。そこで食えなくて、生まれた女の赤ちゃんを金持ちの家のメイドにあずける。田舎に残ったチアは男の子を出産し、その子が成長してアール・イグナシオが演じるようになると、ダニエル・パシア演じるアールの従兄弟と三人で、シタを訪ねてマニラへとやってくる。一方、あずけられた赤ちゃんはめぐまれた環境でデイジー・レイエス演じるワガママ娘に育っているが、ひょんなことからアールがデイジーと知り合い、恋してしまうという内容で、吉本新喜劇にもありがちなシチュエーション。しかも吉本ほどのギャグもないから困ってしまう。
　シタがデイジーの母とわかって、性格もよくなり、アールと結ばれることは目にみえているのだが、デイジーと財産目当てに結婚しようとするリト・レガスピとリチャード・ボニン演じる親子が登場し、ダメだとわかると誘拐するドタバタ騒動が組みこまれている。
　だから、なんなんだ、というような内容だが…
　レオ・ヴァルデス監督には、コメディーの基本から研究し直してほしいと思う。最初のほうにある、葬列につっこむシーンなど、結局どうなった、という期待させたあとのオチの部分がないという手抜きに、マジでつくっているのかと問いただしたくなってしまうほど。
　まったく、始末におえない。
　もっともファンとしてデイジーがみたかっただけだから、彼女の魅力が発揮されていれば、それだけで堪能できるもの。すべった転んだ程度の低級ギャグで笑いをとろうとさせられているあたりはオイオイって感じだが、車を降りたときにスカートの紐がほつれていて、そのままエレベーターに乗り、アールとダニエルが紐をたぐるのでどんどんスカートが短くなっていくというエピソードは、さすがにドキドキしてしまう。じゃあ、パンティーが丸みえになるんだ、と予想するだけで興奮状態だが、実際はチラリとみえるだけで、なーんだ、と残念。
　プール・サイドでリチャードに迫られるシーンでも、スパッツのようになっている花柄のワンピース水着がイマイチ・セクシーじゃない。
　でもアールの夢の中で池へ泳ぎにいく設定があり、水からザバッと飛びだしてくるとボディー・ラインがくっきりわかるワンピース水着で、やや太めのプロポーションがイヤというほどセクシー。不自然に巨乳でないから、かえってうっとりさせてくれる。石ですべりそうになるときに浮きでるヒップラインなどみごとな美形で、文句なしのヴィーナス。
　水着のデイジー以外はほとんど価値のない作品だ。