ＨＵＷＡＧ
（ダメ）
　
97年：グッド・ハーヴェスト・フィルムズ
監督：ジョニー・ホセ・クルース
主演：イネス・ヴェネラション
　　 　トフィー・カルマ
　　 　ジェム・カスティーリオ
　　 　ジーノ・アントニオ
　　 　アーチー・ヴェントサ
　　 　テス・ヴィリアラマ
　無人島の男女もので、リナ・ヴェルトミューラーの『流されて』あたりを連想させるストーリーだが、そんなことは眼中にない。とにかくイネス・ヴェネラションのみごとなボディーをたっぷり観賞、いや鑑賞できて、興奮と歓喜がこみあげてくる作品である。
　イネス演じるのはパパにホレられて、あこがれの金持ちになった貧民出身の妻。とにかく性格が悪く、トフィー・カルマ演じるおない年くらいの私生児である義理の息子を奴隷のように酷使している。ジーノ・アントニオ演じるパパとのセックスで、まず全裸の座位から寝転び、オッパイをドバーッと全開にしてくれるから、こりゃあ期待できそう。
　それをのぞいたトフィーがオナニーするのだが、ジェム・カスティーリオ演じる恋人を思いだす設定で、ジェムが脱がないのはやや不満。あとでトフィーが無理やりセックスを迫るシーンがあって、そこでも肝心の露出をしないから、ジェムのヌードもおがめると予想していただけに思惑はずれだったものの、どうでもいいか。
　ジーノがベッドで心臓発作を起こすシーンでイネスはオッパイをプラプラさせるうえ、黒い下着でヴェランダへでて身体にローションを塗るのをプールからトフィーがまたのぞき見するのだが、このときブラをとるだけでなくパンティーも脱ぎ、アナルをみえそうにしてお尻をつきだすから、早くもイク寸前に。もうイネスのフェロモンだけで十分すぎる。
　どうやら先が長くないようだと悟ったジーノがアーチー・ヴェントサ演じる弁護士とやりとりするのを耳にはさんだイネスは、遺産がトフィーと分割と知ってジーノにからみ、セックスさせてあげないからと一人シャワーを浴びるシーンで、全裸のボディーをうしろから前から堪能させてくれて、陰毛までチラつき、いやはやビンビンの連続で、あーー、まいったなあ。
　イネスはトフィーを毒殺しようとするも失敗し、トフィーはジェムがいる田舎へと帰ってしまう。でも既にジェムが人妻だったから自暴自棄となり、ダイナマイトを発見するとイネスを巻きこんでの自殺を考え、イネスのところへ戻ってきて一緒にヘリコプターに乗ったときに爆破を実行するも、二人とも海へ放りだされて無人島に漂着。
　やっと映画は本題へと入るわけだが、きっかけが『流されて』のように“ただならぬ運命のいたずらによって”でない点が作劇的にはかなり弱い。
　なんて短所は気にしない。目的はイネスのハダカなんだから。
　相変わらずお高く振る舞おうとするイネスに対してトフィーが暴力的に反抗してくるのは型どおりの展開。葦で屋根をつくって雨をしのいだり、カエルをとって食料にしたり、サヴァイヴァルを実践するトフィーの前にイネスは屈服するしかない。トフィーがこれまで屋敷においてイネスのやったことをイチイチ非難するのは『流されて』で労働者の不満を次々と述べながらブルジョワ女をボコボコにする内容ほどの風刺精神に欠けるが、ヘンに政治を持ちこまないから本音に近いともいえる。
　ついにはトフィーが強引に犯して立場が逆転し、イネスは奴隷のように奉仕を強いられてしまう。野豚をつかまえたトフィーがアメリカン・ネイティヴのような化粧になり、獲物の賛歌といった感じでクネクネ踊ったりするあたりからは、自然に帰った人間の闘争本能というか、そんな要素を入れようとしたのだろうか、とジョニー・ホセ・クルース監督の狙いをうかがう。
　とはいえ、しょせんテーマなんて関係ない。イネスさえ大胆に脱いでくれていれば。
　この間、池を発見して水浴びするシーンに始まり、イネスはオッパイを随所に披露しっぱなしで、なんという感激のサーヴィス精神であることか。乳首まで丸みえ状態がウハウハなのは当然だが、片手で両乳首のあたりを隠しているポーズがドキドキものにそそるし、布切れを胸にあててブラのように巻くかっこうもたびたびでてきて、ちょこんと乳首がのぞいたり、ペタッとスケたりする胸元や、パンティー一枚で濡れて貼りついたお尻がドピューッもの。
　ある意味、生まれたままの姿よりも色っぽい。
　ヘビに噛まれてトフィーに太腿から毒を吸いだしてもらう光景や、犯されたあとにパンティーをおろされて陰毛のあたりに布を乗せている仰向けの全身、そのパンティーをズリあげるしぐさなど、これでもかのセクシー攻撃にとにかく冷静ではいられない。
　うーー、イネス、恐るべし。
　ついに虐待に我慢できなくなって、手づくりしたイカダでイネスが一人逃げるのだが、嵐に遭遇して元の海岸へ。このときイカダの上で胸に巻いていた布がめくれあがり、パンティーが半ケツになったイネスが原爆級のセックス爆弾。しかも波打ち際で気絶しているときに、ワカメがブラのようにオッパイのところに乗っているポーズで水爆級の威力に拡大するから、もはやイネスに殺されそう。
　心配していたトフィーが助けだし、やさしく看病してあげると、それにイネスもホロッとする筋の運びになって、この威張り散らしたり、相手をみくだしたり、自分の意見を一方的に押しつけたり、暴力を振るっていては信頼や尊敬を得ることはできない。なるほど人間、大切なのは思いやりとやさしさなんだ、といった構成にしてある点は、単純ながらも映画の内容に素直に共感。個人だけじゃなく、国家の関係にもあてはまる論理だと痛感するも、自分としては「あなたはやさしすぎるから…」といった理由で何度か別れを経験しているから、依然、女は謎なのだが…
　と教訓的な部分は、やはりどうでもいい。イネスはまだまだやってくれる。
　ラヴラヴになった二人はバナナの葉っぱで、かつて漫画にあったジャングルの黒人のような衣装をつくるのだが、イネスはオッパイを堂々公開のまま。そのうえ海岸で抱き合って転がるときにバナナの葉っぱからＴバックの紐があるのかないのかわからないお尻がモロだしになり、カーッ、すげー。
　救助のヘリがくるところで、このままここで愛し合おうと願った二人が隠れるときに、イネスのオッパイが惜しげもなくプルンプルン。
　マジで悩殺。
　結局、屋敷に戻ってみるとジーノが亡くなっていて、イネスがトフィーを迎えに行くハッピー・エンドになるのだから『流されて』ほどの皮肉は効かずじまい。
　だからどうだ、というのか。
　イネス、超最高。