（判事 ４５番）
90年：ＲＮＢフィルムズ／ケリー・エリス・フィルムズ
監督：ルディー・ドミンゲス
主演：エディー・ガルシア
マリア・イザベラ・ロペス
ラニ・ロバンコ
バルド・マーロ
アドリアンネ・バレド
ジェーン・サレータ
ノノン・デ・アンドレス
エドガー・マンデ
レス・コルテス
ズバス・ヘレロ
ディック・イズラエル
キング・グチェレス
エドウィン・レイエス
マンジョー・デル・ムンド
トニー・カレオン
アルトゥール・セルヴァンテス
アジー・ゴンザレス
エフレン・レイエス・ジュニア
ティルソ・クルース・３世
ＰＪ・アベリアーナ
ジョージ・エストレガン・ジュニア
かなり暴力的なアクション作。
エディー・ガルシアが高名な判事を演じ、きっかけはバルド・マーロ演じる銀行強盗に間違えられた男を、証言者がいたために有罪としたことに始まる。バルドが脱獄でエディーを襲い、反対にやられる。殺人行為をエディーが悩むも、キング・グチェレス演じる警察のチーフが軽くなぐさめる。レス・コルテス、ディック・イズラエル、ノノン・デ・アンドレス、エドウィン・レイエス、アルトゥール・セルヴァンテスなどが演じる不良グループが街では悪事をかさね、アジー・ゴンザレス演じる女性も仲間。唯一、エドガー・マンデ演じるメンバーのみが呵責の念を抱いている。たまたまプールでアドリアンネ・バレド演じるエディーの年ごろの娘、ジェーン・サレータ演じる幼い娘をいじめ、マリア・イザベラ・ロペス演じるエディーの妻に目をつける。自宅へ侵入でマリア・イザベラとアドリアンネを犯したうえに斬殺。気を失ったジェーンだけ殺しそこねる。ついにエドガーが裏切ったので、ベリア・フロレス演じるエドガーの母や妹を血祭りにあげ、エドガーがレスたちを襲撃。でもつかまり、助けだそうとしたアジーもろとも始末される。廃人同然に陥ったジェーンを看病していたエディーは、偶然でくわしたレスたちにジェーンの反応で犯人を知る。レスの兄であるズバス・ヘレロ演じる議員を訪ねるも、やはり悪徳な人物なためにエディーを追い返す。しかもトニー・カレオン演じる腹心のアドヴァイスで法律的なガードを固め、相手が大物政治家なのでキングも動かない。もはや正義は通用しないと悟ったエディーが射撃を練習し、犯人たちを一人ずつ私刑に処していく。キングはエディーを怪しむも、逮捕の決めてがなく、レスはズバスに助けを求める。エフレン・レイエス・ジュニア、ティルソ・クルース・３世、レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ、ジョージ・エストレガン・ジュニア演じるプロの殺し屋たちをトニーの紹介でズバスが雇い、エディーを狙わせる。なんとかエディーは難を逃れるが、ジェーンを失う。復讐の鬼と化したエディーがズバスの屋敷へ攻撃をかけてズバスとトニーを射殺。家族の墓に恨みをはらしたと報告の直後、ラニ・ロバンコ演じるバルドの妹によって撃たれる。
どうもルディー・ドミンゲスの演出は暴力描写に主眼を置いたようで、レスたちの遊び半分の犯罪で犠牲者たちをドラム缶に生きたままつめこみ、ガソリンをかけて爆破する。マリア・イザベラを日本刀で刺す。エディーはエドウィンにダイナマイトを巻いてふっ飛ばす。レイプ中のマンジョーのチンポに弾を浴びせる。アルトゥールをバイクごと粉々にする。ノノンに車でぶつかり、無残に引くといったぐあい。そのくせディックとはビリヤード場で普通に銃撃戦だし、レスやズバスと対決にはアイディアがなく、中途半端な印象を与える。エフレンたちの来襲がレスを亡きものにしたあととの構成もヘン。それにエディーがとくに作戦を練らず、行き当たりバッタリ的に敵と対峙している展開が、どこかバカバカしさを誘う。これがインテリの行動かとあきれるわけで、つまりはトニー・ゲのストーリーによるフミルデ・“ミーク”・ロハスとジュン・Ｖ・ラワスの脚本が手抜きなのだろう。
もっともセクシー・シーンの盛りこみが、低レヴェルな内容をカヴァーしてあまりある。プールでマリア・イザベラ、アドリアンネ、ジェーンの水着が視線を奪う。まだジェーンは子どもなのでロリコン趣味の向きにはいいかもしれないが、こちらはマリア・イザベラの成熟したボディーをハイレグ・ワンピースが包んでいるのに興奮。ただし花柄だからプロポーションのラインが浮かびづらいのが減点で、アドリアンネのスク水に似たワンピースのほうに、もっと萌えまくる。同じように水からあがり、濡れてピタピタに貼りついた水着でもマリア・イザベラよりアドリアンネの全身がお尻の割れかたまでくっきりで、ほとんど全裸以上に色っぽい。マリア・イザベラにはヌードもあり、セックス前にシャワーを浴びるショットでシー・スルーのカーテンごしに素っ裸がスケている。レイプでアドリアンネがパンティーをはぎとられたあとは、さすがに露出なし。マリア・イザベラ、アドリアンネとも、さほど美人じゃないが、とにかく身体にときめく。ラニはエディーがエドウィンを探しあてたバーでダンサーをしていて、ステージで黒いボディー・スーツのハイレグ・レオタード（『ＳＧＴ．ＰＡＴＡＬＩＮＨＵＧ』のダンス・シーンと同じクモの巣をデザインしたもので「スパイダー・ウーマンと呼ばれている）を着て踊り、鮮やかなくびれによだれがたれる。兄の仇のエディーに近づき、いったん寝首をかくのに失敗の際、エディーが眠ったとわかってベッドからでると、今度は黒いボディー・スーツの下着。濃い容貌でタイプをはずれるも、美人の範ちゅうだし、やはり抱きつきたい身体の魅力には抗しがたい。ほかにバーにいるビキニのダンサー二名は、おそらく本物のＧ．Ｒ．Ｏ．だろうが、そこそこかわいく、衣装が大胆でウハウハ。エドガーが手榴弾を投げこむズバス宅のプールには数名の女たちが泳ぎ、爆発で逃げる水着姿はオマケ程度のもの。エドガーの妹を演じるのはマイラ・ミラソルかメアリー・アン・ヘルナンデスのどちらかと思われるが、けっこう美人で注目にあたいする。エディーが相談をもちかける裁判所の女も、わりと引かれる感じ。
くだらないことだが、キングのデスクのうしろにコリー人形が置かれていて、アキノ政権下とわかるも、ちょっとひょうきんなイメージなのでほしくなった。
