ＨＯＮＥＹ，　ＭＹ　ＬＯＶＥ　ＳＯ　ＳＷＥＥＴ
　
99年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ブーツ・プラタ
主演：アントイネット・タウス
　　　 サンシャイン・ディゾン
　　　 キム・デロス・サントス
　　　 ディーノ・ゲヴァラ
　　　 ディンドン・ダンテス
　　　 ポロ・ラヴァレス
　　　 カチャ・サントス
　サザン・オールスターズの『いとしのエリー』は、フィリピンで『ＨＯＮＥＹ，　ＭＹ　ＬＯＶＥ　ＳＯ　ＳＷＥＥＴ』の題名になり、かなりヒットしたようだ。初めてカラオケで前の前のカノジョの妹で、前のカノジョが歌うのを聞いたとき「へえ、そういう歌詞なのか」と驚いたもの。
　この『ＨＯＮＥＹ，　ＭＹ　ＬＯＶＥ　ＳＯ　ＳＷＥＥＴ』を主題歌にする作品。
　三人の女学生を主人公に描く学園ロマンスで、もうありがち、ありきたり、あきれるほどのワン・パターンといえ、とくにどうってことない。
　アントイネット・タウス、サンシャイン・ディゾン、キム・デロス・サントスが主人公を演じ、トニ（アントイネット）は誤解からレズのウワサを立てられるキャラクター。ディンドン・ダンテス演じるクラスメートがほれているも、冷たい対応で相手にせず、カチャ・サントス演じるディンドンを好きなライヴァルと犬猿の仲。サンシャインとキムの応援で何とか素直にディンドンと結ばれるのだが、実はディンドンがカチャと自分を口説けるかの賭けをしていたと知って破局。サンシャインは美容院を経営する父がオカマで「マ」と呼んでいるのがおかしい。ポロ・ラヴァレス演じる中流のボンボンが夢中になって、パトリシア・リトル演じる妹のピアノ発表会に自宅へ招くと、サンシャインの無教養な態度をラクエル・ヴィリアヴィセンシオ演じるポロの母があからさまに中傷し、ショックを受けて破局。キムはセッベ・サンチャゴ演じるカレが浮気ばかりでみきりをつけ、ディーノ・ゲヴァラ演じる他校の学生と恋に落ちる。でもディーノがアンジェラ・ザモラ演じる前のカノジョと完全に別れてないと気がつき破局。
　これにアン・カーティス演じるキムの妹と、マウイ・テーラー、アイサ・マルケス演じるその友人の子ども三人が、チュビ・デル・ロサリオ演じる男の子を相手にしたり、姉たちのデートをのぞく背伸び恋愛のサブ・ストーリーをからめる。
　結局は卒業式をむかえ、それぞれがハッピー・エンドの復縁だから、まったくフィリピン映画は同じような題材を懲りずにようやるよ。
　まあ、キムがトニに携帯電話を借りてばかりで文句をいわれ、マーク・ヒル演じる父に「携帯買って」をねだるから、日本と同じように、このアイテムが女学生の間で三種の神器の一角化しているのがうかがえる。キムがオレンジなどのカラーのカツラをかぶり、アンたちがマネをし、バカ・ファッションへのあこがれはどこも共通のよう。マークの失職でいったん家庭崩壊を招くあたり、金銭優先の生活が垣間みえる。といった興味深い点がなきにしもあらず。
　主役の三人はキムがまずまず美人なくらいで、トニはさしてかわいくなく、サンシャインはブスっぽい。三人が男子更衣室をのぞくと、シャワーを浴びるセッベがパンツをおろしてお尻をだすのに、間違ってディーノが女子更衣室へ入るシーンで、三人は「キャーッ」と大騒ぎするわりにまったく脱いでない。キムはバスケット・ボールの試合でチア・リーダーになり、お尻を突きだしてディーノを悩殺するとき、スパッツの上にスカートがたれていて残念。メガネ屋のディーノがコンタクト・レンズを落とし、デスクの下を探す状況で、キムのスカートの中がみえそうになるも、パンティーはまったくチラつかないまま。全体的に太めのサンシャインが意外にもスラッと脚長なのには驚き、洗車場でポロと水をかけ合い、濡れたジーンズがちょっとそそるながら、あまり三人の魅力がでているとは思えない。しかも全員がプールへ行くところでは、三人のほか、アン、マウイ、アイサ、さらにエンド・クレジットにダブる繰り返しの中でアンジェラまでいるように思えるものの、寄りのショットを欠き、イマイチ遠景なのが不満。
　セクシーな内容の作品じゃないとはいえ、非常にイライラを残す。
　どちらかというと、アンジェラやパトリシアといった脇の女優に目がいくのは、個人的な趣味か。
　いやはや、実につまらないできだ。
　なお、個人的に寝てみたいのはキムの母を演じるアナ・バウティスタだから、自分の熟女好きを思い知るじゃないか。