ＨＩＮＤＩ　ＳＩＳＩＷ　ＡＮＧ　ＫＡＬＡＢＡＮ　ＭＯ！
（キミの敵はひよこのように弱くない！）
　
00/01年：ＭＭＧフィルムズ・インターナショナル
監督：ローランド・Ｓ・レデスマ
主演：ロナルド・ガン・レデスマ
　　　 ロイ・ヴィンゾン
　　　 ゾーレン・レガスピ
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 エルヴィン・マテヨ
　　　 パトリック・エルヴィー・マテヨ
　　　 ボブ・ソレル
　　　 ロミー・ディアス
　　　 ブランド・レガスピ
　　　 コンラッド・ポー
　　　 エルニー・サラテ
　　　 ダリア・ラミレス
　　　 ハナジェン・ヴィリアーメ
　　　 ヨヨイ・ヴィリアーメ
　　　 ベン・サグミット
　　　 ヤム・レデスマ
　Ｂ級の豪華キャストで描くアクション映画ながら、ローランド・Ｓ・レデスマの監督作だから期待薄。ホント、腕を買っていないのだが、リタ・マグダレナの助演に引かれ、ついみてしまう。
　テロリストもので、エルニー・サラテが社長を演じる会社の社員旅行のバスが襲撃を受け、ロイ・ヴィンゾンがリーダーを演じる部隊に全員がら致される。これをゾーレン・レガスピが指揮官を演じる軍隊が討伐に向かう。実はかつてロイは一般市民のことを考える軍人だったのだが、ボブ・ソレル演じる将軍から理不尽な命令を受け、反乱に寝返った過去を持っている。今またゾーレンがボブから、強引な指令を命じられているとの設定。
　人質の中から有志をつのってロイが銃を与え、ロナルド・ガン・レデスマ演じる一人が救援を呼びにゾーレンのもとへ向かうも、テロリストの仲間と疑われる。ロミー・ディアスが指揮官を演じるゲリラ軍とロイは組んでいたのだが、ロミーの正体に気がついて仲たがい。ボブがロミーを雇って襲撃してくるのを、共通の敵が誰か悟ったロイ、ゾーレン、ロナルドがやっつける話。
　とにかく展開の強引さばかりが目だっている。
　ロイがゾーレンに警告する際、ローランドの幼い息子を盾にしていて、およそ実は正義の側だった人物のとる行動とは思えない。
　ロナルドの空手の弟子で、パトリック・エルヴィー・マテヨ演じる社長の息子の少年がロナルドに同行し、ゾーレンに「テロリストじゃない」と説明しているにもかかわらず、頭から信じないゾーレンが暴行を加え、部下たちがサディスティックに拷問。これほどのアホな司令官には恨みが消えないだろうに、交戦の最中にロナルドがゾーレンの窮地を救い、ゾーレンが礼をいって解消は無理がある。ラモナ・リヴィーリア演じるＴＶジャーナリストが監禁されたロナルドを密かに取材したのに、その結果、どうなったかがでてこないのは、中途半端というもの。
　ブランド・レガスピなどが演じるロナルド以外の有志がゾーレンの部隊に撃ち殺されて終わりは、安易な進めかた。
　アクションにも首をかしげる部分が多く、ロナルドがゾーレンの部下たちから脱出するとき、アクロバットふうの動きをみせたいとの狙いはわかるものの、なぜやっつけた兵士の銃を拾って撃たないの？　との疑問を抱かせてイライラする。ロナルドとロイの直接対決が、エルヴィン・マテヨ演じるゾーレンの副官の軍隊が襲ってきて決着つかずなのも、いい加減な印象。クライマックスのヘリまで動員しての戦闘がハデとはいえ、雑魚の殺しかたが単純で迫力を生まない。
　まあ、ベン・サグミット演じるコメディー・キャラに無理やりギャグを入れず、控え目に扱った点はよかったかな。
　とくに不満なのは、リタからセクシーさを奪ったことに尽きる。ロナルドとのベッドでシャツのまま脱がず、社員旅行のビーチでは緑のブラの水着なのに、パレオを巻いているじゃないか。ロナルドが拷問による重傷の中でリタとの思い出を回想するシーンでは、やっとセックスになるぞとムズムズするも、子どもたちの誕生日の祝いで残念。
　ラモナにもヌードのシチュエーションがなく、脱ぐしか魅力のない女優だけに、配役の意味を問いたい。
　ほかにビーチにはオレンジのセパレーツと青いワンピース水着の女性（ケート・エンリケスとジョアン・アグアス？）がいて、あとにエリック・ロドリゲス演じるロミーの部下に山の小屋まで連れてこられるシーンがあり、レイプを受けるぞと鼻息が荒くなると、まったくの期待はずれ。全員が川に沿って逃げるときも、一人がホット・パンツなのに、濡れて貼りつく挑発を欠く。
　ローランドの作品の常連メンバー、ハナジェン・ヴィリアーメとヤム・レデスマは顔見世程度で、ヤムは下半身にフィットした黒いピタパンがそそるとはいえ、相変わらず容貌がイマイチ。
　社長夫人役にはダリア・ラミレスが出演し、よくもこんな作品に!?　とあきれるくらい。
　なお、タイトルにはヤムの主題歌のクレジットが読めるが、本編の中には使われていなかった。