87年：シルヴァー・スター・フィルム・カンパニー
監督：ジョン・ロイド
主演：ブルース・バロン
ロバート・メースン
マイク・モンティー
ジェームズ・モス
ライザ・ハットン
エリック・ハリス
ジェリー・バイロン
バーバラ・パークス
ウォーレン・モーガン
シルヴァー・スター・フィルムがアメリカ合衆国用に制作の作品で、いわゆるフィリピンとアメリカ合衆国の合作。ＩＭＤｂに記載がなく、アメリカ合衆国では劇場未公開と推測できる。ほかに四本ほどの監督作があるジョン・ロイドは経歴がよくわからず、フィリピンの誰かの変名かもしれない。
全編のロケはフィリピンになり、手術後に医者を殺害のプロローグに「マイアミ １９８０」と入るが、バックの建物は明らかにマニラのもの。
一応はＢ級らしい逆転を加えたティモシー・ジョージの脚本だが、細部でムチャクチャといえる。
アーリントン教授（マイク・モンティー）が誘拐され、ボディーガードのうちのマック（ブルース・バロン）だけが生き残る。対策にあたるＴＪ（ビル・ジェームズ）がマックを敵の仲間じゃないかと疑り、エージェントの上司のカニンガム（ジェームズ・モス）がかばうのが、ラストのオチへの伏線ながら、実行犯のバーナー（ロバート・メースン）がなぜマックを殺さなかったかは、最後までつじつまの合わないまま。犯行の依頼者のエスカラー（エリック・ハリス）にバーナーが人質の教授と秘書のリサ（ライザ・ハットン）を引きわたすとき、バーナーの「リサだ」の言葉にリサがちょこんと挨拶していて、この不自然な行動は伏線のようで、実際にあとで伏線と解釈できるも、ただのオマヌケな演出に思える。エスカラーがバーナーの一味の皆殺しをはかり、バーナーだけが生きのびる。バーナーがヴェトナムでカニンガムの部下だった設定は、とってつけたのみ。バーナーのヴェトナムの戦友であるカーリー（ジム・ゲーンズ）にマックが会い、捜索を頼むが、バーナーの情報を聞く場のレストランでカーリーが殺される。もうひとり、犯人の一味のコリンズ（ウォーレン・モーガン）に謎の人物が連絡を入れ、マックの捜査にコリンズが「始末しましょうか」というのに「しばらく様子をみる」も伏線をなす。リサにエスカラーが暴行でレイプにおよぼうかでアーリントンが折れ、連絡先を教える流れで、秘書とアーリントンができているのを利用かと思わせるも、そうでないみたいな図式がドラマを浅くする。身代金の要求がきたアーリントン夫人（バーバラ・パークス）がＴＪやカニンガムと会い、警察を呼ぶのをＴＪたちがとめるのが伏線ながら、カーリーが亡くなる銃撃戦の直後にマックが警官をからかっていて、この対策ティームは何者との疑問が起きる。リサとエスカラーが愛人同士でリサが敵側と観客にバラし、アーリントンがリサとスキをみて逃走にリサがエスカラーの部下たちの何名かを非情に射殺で、さすがにプロと感じさせ、アーリントンの夢オチのエピソードはちょっと挿入がうまい。マックの部屋が襲撃をうけて、犯人たちをマックが撃退のテンポののろいファイティングは、追いつめたビルの屋上にマニラ湾の景色が広がる。シャワーを浴びたばかりのマックが腰にバス・タオルを巻くが、蹴りで脚をあげてパンツをはいているのがのぞくも、真っ赤なパンツでシラける。リサとエスカラーの話でマイクロ・フィルムが本当の狙いとわかり、実はエスカラーの雇い主なのに、エスカラーを警戒のバレンコフ（ニック・ニコルスン）がマイクロ・フィルムの要求を指示で部下のコリンズをエスカラーのもとへ送る。バーナーがら致の場所を教えるとマックに連絡を入れ、マックが情報提供料を払ったほうが得策とＴＪやカニンガムにいい、地図をえるも、バーナーが殺される。コリンズが夫人をつかまえ、手を引けとＴＪへ電話させたうえ、アーリントンのもとへ連れていく。アーリントン夫妻の前でエスカラーがリサを射殺し、芝居だと知らない夫妻を脅すが、すぐに拷問もどきのシーンをおかない構成が甘い。エスカラーの隠れ家が判明に、やっとＴＪとカニンガムが警察を呼ぶかなんて考えるも、自分たちの行動を読まれ、スパイがいると不審を抱き、またも筒抜けになりそうで、ＴＪが傭兵を雇う。
マグナム（ジェリー・バイロン）、カクタス（ドン・パーカー）、ニンジャ（アンソニー・チャン）の三名の傭兵とともにカニンガムとマックが敵の本拠へ向かい、荒唐無稽な内容が爆発かと思いきや、さほどでもない点が肩すかし。マグナムが迷彩服で、カクタスがカーボーイ・ハット、ニンジャがいわずもがなの格好で紹介が入り、本チャンの攻撃でカクタスがマグナムと同様に迷彩服が個性を欠く。ウィンド・サーフィン、ジェット・スキー、潜水などで島に入るや、わざわざボートに乗せて運んだわりに、機関銃を仕こむバイクはすぐに倒され、活躍がアレレと少ない。ニンジャの分身の術だけがバカっぽくて笑えるかな。
クライマックスの銃撃戦の中でエスカラーが逃げ、アーリントンをコリンズが殺す。息を引きとった瞬間に夫人がアーリントンの腕をガラスで切り、マイクロ・フィルムをとりだすが、だと冒頭の医者の殺人犯はアーリントンなわけで、キャラクターの設定が合わずに説得力がゼロに近い。カニンガムと夫人が愛人関係で、ふたりが計画の主謀者だったものの、エスカラーがふたりを射殺でマイクロ・フィルムを奪う。バレンコフとコリンズと取り引きでエスカラーとリサがカネをうけとるが、アタッシュ・ケースに爆弾が仕こまれると丸わかりなうえ、予想どおりにエスカラーとリサが吹っ飛ぶ爆発で走っているはずの車が炎をあげるときに止まっていると明らかな効果のまずさにあきれる。さらにバレンコフとコリンズが撃たれ、真の黒幕は… がまずまずと底上げ評価したい。
フィリピンで撮影でも、まったくフィリピンの役者が脇に登場せず、フィリピン女優も顔をみせないあたりが個人的に最大の不満要素といえる。ただしライザ・ハットンは白人だが、そこそこにそそるタイプ。アーリントンのパーティーがプール・サイドで水着になり、赤いビキニで座るが、バーナーの一味の襲撃でパンティーをお尻に食いこませた状態で隠れる。ほかにプールへ飛びこんだり、プール・サイドにいたりでビキニやワンピースの女性が三名ばかりうろつき、青いワンピースの女性は銃声にお尻を突きだして逃げ、これらの女性に扮するのはキャサリン・グレアム、スーザン・フレミング、クリスティン・ジェーコブ、ジェニファー・オリヴァー、マイラ・クレイマンだろうか。しかもライザはエスカラーの手下に飛びかかってパンチラや、エスカラーのレイプの芝居でブラのバストを披露のみならず、シャワーのシーンで素っ裸。手をのばしてさわりたいほどに誘惑的なお尻をモロに迫り、横向きのポーズでオッパイに乳首が浮かぶ。エスカラーに撃たれる芝居ではシー・スルーぎみのスカートで走り、スケて白いパンティーがみえる。エスカラーとセックスのベッドはスリップを着ているが、とりあえずはシャワーの全裸で興奮を招く。
太った年増のバーバラ・パークスは、カニンガムとベッドでランジェリーになる。
あと、バーナーの愛人のお尻に地図が描いてあり、マックの前で黒いパンティーをおろし、お尻が丸だしの女性や、アーリントン夫人の事務所の若い秘書役は女優名がわからず、ジャクリーン・ドゥーハウ、ジョイス・ミラー、メリンダ・ライト、エレノア・クリフトのうちの誰かかもしれない。
それにしても白人ばかりで残念。
※ この作品は『ダーティ・プロフェッショナル』の題名でヴィデオ発売されたことがある。
