（セックス・アピールのアニマル）
01年：レドシネマ・プロダクション／ローランド・レデスマ・フィルムメーカーズ・グループ
監督：ローランド・レデスマ
主演：ヴィア・ヴェロソ
トントン・グチェレス
ボブ・ソレル
ジーン・サブリッツ
アレン・ディゾン
アルベルト・デ・エステバン
ヤム・レデスマ
アヴァ・アヴィラ
支離滅裂にもほどがある。
超駄作！
とだけいえば、もう終わっていいだろう。
それでもヴィア・ヴェロソがオッパイをこれでもかと露出してくるから、無視できないのがファンとして情けないところ。タイトル前にアヴァ・アヴィラ（今さら新人とのクレジットが入っているのは、なぜ）とエリック・ロドリゲス演じるカップルのセックスがあり、アヴァが豊満で張りのよいオッパイをジャジャーンとおがませてくれる。エリックがヴィアと浮気していると気づき、その現場を襲うとき、さっそくヴィアはＴバックのお尻をあらわにしながら逃げる。
これはコメディーなのかサスペンスなのかと思っていると、ルディー・ドミンゲス、エルウィン・モンテス、ヴィン・“ハンギン”・サントス演じる脱獄囚にヴィアが拉致され、さてさて、どうなったのかというオチがない。
まあ、勝手にやってくれ。
ボブ・ソレル演じるヴィアの父が強盗に撃たれているところをたまたま救ったアレン・ディゾンとアルベルト・デ・エステバン演じる二人組がボディー・ガードに雇われ、家に住みこむようになるや、部屋で寝ているヴィアをのぞき、スリップから乳首がこぼれでそう。
ヴィアはビーチ・リゾートの仕事をしたいとボブに頼み、現場へ向かうも、水着シーンがないのはサーヴィス不足。
トントン・グチェレス演じるヴィアにほれている男が、アレンとアルベルトを買収で一緒にヴィアの家を襲撃すると、ヴィアはリゾートの仕事で外出中で、かわりにトントンはジーン・サブリッツ演じるヴィアの母とセックスし、アレンはアイラ・ルナ演じるメイドの一人をレイプ。ジーンはボブとの愛撫シーンもあり、久々に肌をだして大人の色気を発散かな、と期待するも、最後まで服を着たまま。アイラはちゃんと脱いでいるが、ずっと手で乳房を隠していて、乳首がみえずじまい。
気がつけば、両親、妹、メイドたちと皆殺しの残酷さで、この蛮行の最中にもオバサンのメイドが「私を犯せ」と大の字になったりといったコメディー要素が唐突に挿入され、よくわからない構成。
単にヘタなんだろうけど…
帰宅したヴィアを誘拐でジャングルへと連れていき、わざと逃がして「ハンティングだ」と騒ぐ展開になって、トントンたちがロケット弾をバンバン発射するのは、いい加減、無茶苦茶さを超えている。登場人物の人間性に一貫性がなく、ただ適当に見せ場を入れたかっただけなのだろうが、シナリオを書いたのどうかすら疑わしくなる。
ヴィアが逆襲にでて、追いついたトントンに抱かれるときにブラをとられて乳首をチラつかせると、近くにあったナイフで刺す。無理やりセックスされたためにオマンコが痛そうに歩くも、アレンの前でわざとガバッとオッパイを全開で誘惑すると、コブラのいる穴へ蹴って落とす。アルベルトはメイドを手ごめにしようとしたとき、ヤム・レデスマ演じる盲目の妹を思いだしたという、とってつけたような理由でレイプをやめ、ハンティングにもあまり乗る気じゃなかったが、ヴィアは容赦しない。オッパイをプラプラさせて接近し、このとき俯瞰でとらえたオッパイがビンビンにそそり、油断した瞬間にナイフでグサッ。
そのあと映画は海岸の浅瀬に座ると、よせる波によってシャツをはだけさせ、スケスケからもろだしになるヴィアのオッパイをこれでもかと映し続ける。最後は吸いつきたいような乳首丸みえのアップに、さすがに降参。
とはいえ、前半でアレンとアルベルトがそれぞれバーの女（アルベルトの相手のほうはそこそこの容貌）にイカせてもらうシーンがあって、ともにオッパイをださないままに延々と長かったり、ヴィアの妹がパンティーをチラッとさせるショットを盛りこむも、いかにもブスだったり、アルベルトにやられそうになるメイドもさしてかわいくなく、これら四人の女優がタイトルにあるキームとメロニー・マドリッドの二人のうちのだれなのか一致しないが、いずれも不満。
ホント、ヴィアのヌードがなかったら、まったくのカス映画。
いやいや、ヌードだってドラマ性を排除したつけ足しのようなところで、意味のない男どもの再登場と、ただ波につかっているだけでみせようという安易さ。
少しは脳ミソを使え！ と叫びたくなる。
ローランド・レデスマは既にブラック・リストに入れているものの、こういう才能のかけらもない監督がまだ映画を撮れるという事実が信じられない。フィリピン映画界というのは、そんな甘い世界なのか。
ガックリ。
