（戦えるかぎり）
98年：グッド・ハーヴェスト・プロダクションズ
監督：ジュン・Ｐ・カブレイラ
主演：ガルド・ヴェルソサ
ヴィア・ヴェロソ
エミリオ・ガルシア
クリストファー・ロハス
アスンタ・デ・ロッシ
パメラ・デロス・サントス
ダンテ・カストロ
ガルド・ヴェルソサが主役のアクション映画となると、小粒な内容だろうと予想するも、ヴィア・ヴェロソが共演なので見逃せない。
海外就労からフィリピンの田舎へ帰郷した人物がガルドの役どころ。ヴィア・ヴェロソ演じる恋人がマニラへ働きにでていたので、自分もあとを追ってマニラへ向かう。田舎へ帰るときのバンカーや、マニラへ行くときのバス道中のショットがどうでもいいように長く、ちょっとイヤな予感。
バスを降りるといきなりクリストファー・ロハス演じる引ったくりにバッグを奪われ、都会の危険さを示すも、ダンテ・カストロ演じる警察官の伯父の家を訪ねてみれば、伯父の息子がクリストファーなので殴り合いのケンカに。とにかく収拾で、ダンテは「警官の息子が…」と怒るものの、クリストファーを逮捕しないのはどこかの国の警察と同じくフィリピンも身内びいきだなあ、とあきれる。
ガルドは悪いヤツらにカラまれたパメラ・デロス・サントスとアスンタ・デ・ロッシ演じる姉妹を助け、自分もボコボコにやられ、ちょっとひ弱い印象を与える。そのあとダンテによってトレーニングや射撃練習をうけて変身し、このあたりはダラダラゆるい展開でしまりがない。
ヴィアとの再会も探す過程が曖昧なので、盛りあがりに欠ける。
パメラが接近のあとは、ガルドとヴィアとの三角関係をどう発展させるかに期待が生じたが、ここも適当にごまかし、かなりいい加減な作劇だなあと落胆が走る。
クリストファーはエミリオ・ガルシア演じるワルとつき合い、ダンテも感づくながら、エミリオの一味がパメラを誘拐のうえの強姦によって、やっと話にハデさがでてくる。すぐにヴィアも連れ去られ、無残なセックスの餌食に。
犯人の似顔絵が描かれ、あまりエミリオに似ていないところがご愛嬌。
麻薬取り引きが襲撃戦に変わるお決まりのドンパチを経て、クリストファーがエミリオ一味のカネを持ち逃げで隠し、ダンテがエミリオに殺されてからがクライマックス。パメラとヴィアは売春宿へ売られたが、ガルドとクリストファーが救出すべく、そこへ襲撃をかける。
とまあ、ほとんどあとはパターン通りの内容。とくにどうってことないし、やっぱり小粒だなあと確認が残るのみ。最初から期待がないため、別に失望もない。
「そりゃないでしょ」とガックリきたのは、女優の扱い。
ヴィアはガルドと再会ですぐにラヴ・ホテルへ行くも、白いブラまでで肝心の露出をはぶく。二人で泡風呂に入るシーンにおいてさえ、オッパイがみえないまま。エミリオたちに犯されるところでも、スカートにパンチラとシャツをはがれてブラの上半身がドキドキものだが、性器を挿入の描写が無理やりイク表情のみで、終わって黒いパンティーをはくショットもイマイチ色っぽくない。売春宿から助けだすときは白いスリップの上にガウンをはおって逃げ、ちょうど『ＴＡＴＡＰＡＴＡＮ ＫＯ ＡＮＧ ＬＡＫＡＳ ＭＯ』の救出シーンにおけるアラ・ミナと同じようなシチュエーションだけに、アラみたいにガウンのボタンがはずれてオッパイをプルンプルン揺らさないとダメよ、と思ってしまう。
ヴィアのヌードがないなんて、そりゃ一切の見せ場を欠いたも同じ。
またパメラもそこそこかわいいのでヌードをイメージで興奮をおぼえたが、ガルドとのラヴ・シーンで下着になり、ブラはセクシーなタイプながら、下がデカパンのごときパンティーなのでアララララ。ブラをとるとうしろ姿のみで、オッパイを隠したままはなんでー！？ レイプでまわされるシーンや、売春を強要のシーンでも大切な部分を伏せまくり、サーヴィス悪すぎるよー。
アスンタはまだ子役に毛の生えた程度で、脱ぐ脱がないの段階ではない。
こりゃ小粒なだけでなく、はっきりいって駄作。
田舎競馬の小さなレースで、誰もがくると信じていた本命が途中で落馬で入らなかったときの、大ハズレ馬券みたいなもの。
