（もうここまでね）
97年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エディー・ロドリゲス
主演：ヒルダ・コロネル
エドゥ・マンザノ
ディンディ・ガリアールド
ジェニー・シキア
メリッセ・“ムマイ”・サンチャゴ
シタ・アスタルス
ジーノ・イルストレ
三人の女性をめぐるパルパロ男の不倫劇。ディンディ・ガリアールドのセクシー・シーンを期待してみたのだが…
エドゥ・マンザノ演じるコンピューター技師には、不動産会社に勤務するヒルダ・コロネル演じる妻と、二人の子どもがいる。でもディンディ・ガリアールド演じる会社の上司と熱愛中。まず、このディンディのほうがボスとの設定が面白い。
ジェニー・シキア演じるディンディの妹がアメリカから帰国し、姉の会社に就職。エデゥがジェニーにも手をだすわけである。
八十分ちょいの短尺な上映時間ながら、エドゥがジェニーを口説く過程をズバッと割愛の構成が、すごく説得力を欠く部分。
父親がジェニーばかり「美人だ」とかわいがったため、ディンディはジェニーに嫉妬を抱くキャラクターづけなものの、個人的にはディンディのほうに魅力を感じる。エドゥがジェニーと社内でキスの現場を目撃のディンディがヒルダに「夫が浮気してるよ」と電話を入れ、ヒルダが探偵を雇う。そして証拠をつかんだヒルダはエドゥの会社へ行き、エドゥのデスクをバットでボコボコにしたうえ、家から追いだす。さらにディンディは妻子持ちとわかってもエドゥと同棲を始めたジェニーに対し、ヘビを贈ったり、車に落書きと陰湿な意地悪を展開。エドゥには無理な仕事を押しつけたあげく、クビを告げる。
最後はディンディが自分の大人げなさに気がつき、ジェニーも一からやり直す決心で再びアメリカへ。新たに仕事をみつけたエドゥがジェニーへ謝罪のあと、お互いに「ありがとう」とお礼をかわし合い、ヒルダに「子どものことを頼む」と託し、ほぼ円満解決。夫婦関係が元のさやへ戻らない厳しさは、フィリピン映画にしては意外だった。
物語自体よりも、ストーリーの合間にでてくるワキの内容に、けっこう興味深い要素がみられる。
ヒルダがエドゥにナイフで切りつける恐妻ぶりは、いかにもフィリピンの妻らしい感情の激しさ。エドゥがジェニーに「愛してるんだよー」と泣きつく情けなさも、ダメ男が多いフィリピンっぽい。マダム・アウリン演じる占い師のところへヒルダがくるあたりは、世界共通ともいえる女性の占い好きをうかがわせる。気持ちがふっ切れたヒルダがシタ・アスタルス演じる親友と一緒に男性ストリップへ行き、男娼の値段を聞きながら、亭主の価格はいくらか、なんて話をするのにはニヤッと笑いが起きる。アメリカへ行ったジェニーにアメリカ人の恋人ができたと暗示のラストは、相変わらずあのダメ国家に幻想を抱くフィリピン人の夢がストレートに現われているよう。メリッサ・“ムマイ”・サンチャゴ演じるヒルダとエドゥの娘が教会の儀式を受けるシーンを盛りこむ図式は、カトリック国だなあ、との思いをにじませる。
さて、一番の目的の色っぽい表現はどうかだが…
ヒルダはエドゥが勃起しないベッドのあとで、バストをシーツで隠して寝るショットがあるだけなものの、最初から露出を望んでいなかったので問題ない。
ジェニーはディンディとジャグジーのプールへ行くシーンで、肩紐なしの黒と紺のワンピース水着がキュート。でもサイドに座ったポーズのみでプロポーションが不鮮明だし、エドゥが自宅へ転がりこんでくるときに、スリップ姿がウハウハだが、バストの谷間のボリュームが寂しくてイマイチ。まあ肉体が売りの女優じゃないから、しょうがないか。
さすがにディンディは、やってくれる。エドゥとのセックスで、ベッドにいるエドゥの横へ黒いガウンでくると、騎乗位でまたがる。ガウンを脱ぎ捨てるや、黒い紐なしブラが刺激的なうえ、いきなりパラッとブラをはずすとオッパイが… すぐにエドゥに抱きつき、愛撫し合う二人の上半身には、チラチラと乳首がのぞく。
ディンディはさほど巨乳じゃない点がかえって好みで、ウー、吸いつきたい。
ジェニーがつかるジャグジーへは、肩紐なしの白いワンピース水着で歩いてきて、ハイレグの股間がそそる。バストの盛りあがりにすき間の浮かぶ形にもうっとり。
ジャグジーのシーンは二回目が用意され、黒いワンピース水着でプールへと入るボディーをうしろから撮ったアングルにはじまり、すでに水着は濡れていて、お尻に貼りついた状態。水からあがるときは斜め上の位置にカメラが変わり、胸をのぞきこむようなポジションがスケベねー、とカッカ興奮。真横からのショットへとつながり、キュッと切れあがったお尻が実においしそう。
さすが、ディンディじゃないか。
ドラマとしては五十点でも、ディンディの誘惑は八十点だった。
