ＨＡＭＯＧ　ＳＡ　ＢＵＫＡＮＧ　ＬＩＷＡＹＷＡＹ
（朝焼けの光を集めて）
　
04年：ヴィンセント・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：ニカ・マドリッド
　　　 ヴィア・ヴェロソ
　　　 フランシス・エンリケス
　　　 リザ・ロッシーニ
　　　 マーク・ジョニショ
　　　 ライアン・ムーニョス
　　　 バルド・マーロ
　母娘の愛憎劇で、悪い男といい男がからんでくる。
　ヴィア・ヴェロソ演じる女性は、バルド・マーロ演じる夫が麻薬容疑で服役したため、母の手のみで赤ん坊を育てている。ミルクを買うおカネがなくて絶望のとき、マーク・ジョニショ演じるバルドの友人が援助をくれる。実はマークはリザ・ロッシーニ演じる娼婦のヒモ同然にすごし、ヴィアへの親切には下心がアリアリ。無理やりセックスの強要に、面会でヴィアがバルドに相談。「悪魔だ、ケダモノだ」と怒ったバルドの願いで、田舎へ帰ることにする。ヴィアがいなくなった直後、マークはリザに刺殺される。ガニ・レシオ演じる父の家へきたものの、すぐに父が病死。フランシス・エンリケス演じる地元の男が現われ、今はカネ持ちになったフランシスの愛を感じたヴィアが結婚を決める。ときが流れ、年ごろに成長のヴィアの娘をニカ・マドリッドが演じ、反抗期にさしかかっている。メルー・ダマスコ演じる同級生との交際をヴィアが心配で非難し、やさしい父のフランシスがかばってくれる。バルドが出所でフランシスの存在を知るが、好人物なのに納得で身を引こうと思う。ヴィアとバルドの会話をたまたま耳にはさんだニカが「ウソだ」とショックをうけ、メルーのもとへ走ると、ほかの女とイチャイチャの最中。ダブル・ショックで不良たちとつき合い、バルドが連れ戻しにきてヴィアとフランシスのもとへ返し、すべての事情を聞かせる。父親が二人いて、二倍幸せだとニカが前向きさをえるとのストーリー。
　とにかくヴィアとニカを取り巻く男たちの誰が善で、誰が悪かはっきり分かれるのが単純といえる。ヴィアが住む部屋のとなりにあるゼニット・ザモラ演じるサリサリ・ストアーの店主が、ツケのたまりすぎでミルクを売ってくれず、テス・オリアス演じる大家が家賃をヒステリックに催促する。リザに頼んでヴィアが売春し、カネを払うとゼニットとテスが親切に変わる女性の描きかたは当たっているかもしれない。
　売春のセックスでヴィアがずっと不快な表情なのは、やはりわかりやすい単純化。フランシスがピアノのある豪邸に住み、そんな階級のものが子持ちの女を妻にめとるかとの疑問がわき、フィクションならではのご都合主義だろう。荒れたニカがウィスキーのボトルをかかえて歩く酔っぱらいぶりには、ちょっと笑いが起きる。冒頭の残酷行為を含む刑務所の暴動や、途中にある監房でのケンカといったシーンはとくに意味がなく、ハデな見せ場を加えたかった狙いと、アクション派バルドのための配慮じゃないか。
　フランシスがバルドに車を贈り、いささか極端な気前のよさ。ヴィア、ニカ、フランシス、バルドがパートナーをチェンジしながら家の庭でダンスのラスト・シーンでニワトリがまわりにいっぱいいるおかしさは、いかにもフィリピンというより、東南アジアだなあとのほのぼの感につつまれる。
　いくつか一長一短の興味を含むものの、しょせん（失礼ないいかた）セザール・ＳＢ・アベーリアの低レヴェルなドラマだし、注目はヴィア、リザ、ニカの脱ぎっぷりにかかる。まずリザが全裸でシャワーを浴び、乳首の形がイマイチながら、しまった張りの乳房とお尻が誘惑をくれる。マークとセックスをはじめ、乳首のドアップを含むオッパイが圧倒的な迫力。ヴィアはマークからの強引なセックスで乳首のドアップをみせる。全裸でオッパイを丸だしに水浴びのあと、ヴィアはリザとバーへいって客をとり、セックスでオッパイを披露する。リザも客を相手に寝ころんだポーズで斜め下からのオッパイに乳房の質感をうかがわせ、乳首のアップをうつしだす。パンティーがスケたシャツで歯磨きのヴィアをマークがまたも力ずくで脱がし、オッパイをあらわに翌朝、こっそり起きたヴィアが去っていく。フランシスとのセックスでは上向きのヴィアのオッパイが美乳といいかねるが、それでも十分にキュート。ニカは池につかってシャツが貼りつき、乳首がスケスケ状態の登場に続いて、川の流れに打たれての濡れたロング・Ｔシャツが全身のプロポーションを明らかに示す。海のコテージでメルーとデートし、超ハイレグのビキニ水着姿がまぶしく、ほんの少しで残念。回想にかわってブラをはずしてオッパイをモロのあと、家でのシャワーがやってくれる。素っ裸のニカのボディーをカメラがなめるようにとらえ、石鹸の泡っぽい水がオッパイをつたわり、お尻の割れ目をしたたり落ちる。メルーの部屋へくると、乳首もバッチリに全裸でセックスをくり広げる。バルドとビーチ・リゾートですごすときのビキニ水着が大胆で、バストの揺れがそそり、全裸をおがんだあとなのに水着でイカせてくれる。
　三人ともそこそこタイプだし、結局、女優を楽しむ映画のようだ。