ＧＵＥＶＡＲＲＡ　（ＳＡ　ＢＡＴＡＳ　ＫＯ…　ＷＡＬＡＮＧ　ＨＡＲＩ）
（ゲヴァラ　〔支配者からの命令ではなく、俺のルールで〕）
　
98年：オクトアーツ・フィルムズ／ＧＭＡプロダクション
監督：ペペ・マルコス、マヌエル・“フイク”・シンコ
主演：イアン・ヴェネラション
　　　 ララ・モレナ
　　　 イネス・ヴェネラション
　　　 リト・レガスピ
　　　 レス・コルテス
　　　 リカルド・セペダ
　　　 レヴィー・イグナシオ
　　　 サンドラ・ゴメス（ジャヌアリー・イサアク）
　ちぐはぐなアクション映画。
　イアン・ヴェネラションがリーダーを演じる特殊部隊のティームが、銀行を占拠のテロリスト集団をせん滅する。でもアーチー・ヴェントサ演じる上官が「人質の生命が第一」といっていたのだが、人質に犠牲者がでて、やりかたのまずさの非難をうける。自分たちの中にも負傷者をだしたレス・コルテス、レヴィー・イグナシオ、レーイ・ロルダンなどが演じるメンバーが不満を隠せない。一方でララ・モレナ演じる婦人捜査官が、誘拐事件をきわどく解決する。イアンとララが恋人同士との人間関係。銀行強盗が失敗に終わり、リト・レガスピ演じる国防省長官がロルダン・アキノ演じる実行犯のヘッドを「プロじゃない」と責めている。トム・オリヴァル演じるララの上司のもとへイアンのティームがあずけられ、仲間われをおこしてリカルド・セペダ演じるイアンを信じる腹心を残すと、レスやレヴィーたちがでていく。ロルダンがレスたちへ依頼で裁判所からボーイ・ウィルコム演じるテロリストを救いだす。覆面をつけていたものの、一人が殺されて認識票から特殊部隊のしわざとバレる。ようはリトが裏でボーイと組んでいて、政府転覆をもくろむ内容。リトの部下にはイネス・ヴェネラション演じる女性幹部がまじり、レスたちと要人殺害や軍隊への攻撃を繰り広げる。バズーカ砲までもちだすこれらの行動がストーリーの縦線にからまず、ただの挿入にすぎないのが、まず安易な印象。イネスが実は潜入捜査官で、トムのところへくるや、リトが大統領暗殺を狙っていると告げるたれこみでイアンたちがレスのあじとを襲う。今度はイネスがイアンを誘惑し、ララが嫉妬で三角関係に陥ったところでレス一味が攻撃をしかけてくる。いったいイネスはどっちの側なのかはっきりせず、ミステリー趣味を加えようとの意図はよく理解できる。でもイネスの連絡でイアンが隠れ家へ踏みこんでレスとボーイを逮捕。この功績でポチョロ・モンテス演じる大統領との謁見になって、イネスが毒針で大統領を刺そうとする。おそらく裁判までは禁固の重罪だろうに、イネスがリトの陰謀をばらし、あとでララと一緒にイアンがリトの本拠へ乗りこんだ銃撃戦に駆けつけるのだから、なんとしらけたストーリー。留置場に拘留中のレスとボーイをレヴィーが口封じで射殺あたりも、どうやってレヴィーがいとも簡単に中へ入れたのかとの疑問が生じて、アホらしさが盛りあがる。
　ホント、ちくはぐな印象。
　ペペ・マルコスのアイディアによるヘンリー・ナドンの脚本がイマイチと指摘せざるをえない。
　マヌエル・“フイク”・シンコとペペの演出は分担が具体的にわからないながら、ロルダンをイアンがフォーク・リフトで突き殺すといった見せ場が冴えず、イネスの亡くなりかたにも工夫が乏しいので、普段のペペよりも後退した感じ。サンドロ・ゴメス演じる従姉妹にララがイアンの浮気の不満をぶつけたあと、イアンが現われれば百八十度転換で甘えてサンドラがあきれ顔、といったコメディー部分にややおもしろさがあったくらいかな。
　同じく捜査官の設定なのに、まわし蹴りの得意な技斗派サンドラに暴れるシチューションを含まず、単純にいるだけ状態なのがマイナス面での意外性を与える。
　これで女優の魅力はどうかだが、ララはタイプじゃないとはいえ、セクシー女優だけに露出への期待がかかる。イアンとのセックスでエッチな撮りかたのわりに、オッパイをみせずじまいでアレレ。やはり大ファンのイネスに注目なのは、当然のなりゆき。プールで泳ぐときに黒いビキニ水着のお尻を水面にチョコンとだして視線を奪ったあと、プール・サイドで濡れたボディーのプロポーションがまぶしい。イアンを挑発ではバス・タオルを巻いただけで登場するや、イアンへのキスは首筋ばかり。なぜかディープ・キスを避けている。バス・タオルがパラリと落ちて全裸になり、オッパイのちらつくのに思わず興奮。寝ころんでイアンがキスを返すと、こちらも首すじへのチュッチュのみに終始で、唇へは軽くあてただけですませる。いくら芝居とはいえ、なんとちぐはぐなとのイメージがわきあがる。
　結局、いつものイネスほど大胆さを欠くものの、キュートな乳首に映画の評価を少しあげたくなる。