ＧＩＳＩＮＧ　ＮＡ　ＳＩ　ＡＤＡＮ
（アダンはもう起きている）
　
02年：ホロ・フィルムズ
監督：フェリックス・Ｅ・ダライ
主演：ガーリー・エストラダ
　　 　アヤ・メデル
　　 　アリオーナ・アモール
　　　 ヴィア・ヴェロソ
　　　 ディック・イズラエル
　　　 ジェフリー・サントス
　　　 アルヴィン・アンソン
　三大セクシー女優の共演で豪華キャストなのだが、人気の盛りをすぎた顔ぶれといえなくもない。でもいずれも大ファンだから、嬉しいメンバーじゃないか。
　アヤは得意のはすっ葉女の性格で、ジェフリー・サントス演じる情婦の役どころ。ジェフリーが野球のバッドで残酷に殴り殺す行為を楽しみながらみているだけでなく、かえってあおりまくる。ボテボテの厚化粧が好みじゃないが、相変わらずの美人ぶりに、よしとしよう。
　アリオーナはガーリー・エストラダ演じる主人公の恋人役で、バーのセクシー・ダンサーの設定。軽薄ながらも、純情さを残すあたりをたくみに表現する。
　ヴィアはディック・イズラエル演じるガーリーの兄の婚約者役で、元はＧ．Ｒ．Ｏ．だったものの、しっかり者になる。
　露出は三人とも惜しまない。ガーリーがアリオーナに会いに店へきたときショーの真っ最中で、アリオーナは泡風呂につかりながら素っ裸で踊る。俯瞰のショットであらわになるオッパイがキュート。泡からでるときもオッパイがポロリとみえる。あとでガーリーとカー・セックスを楽しむも、このときは「ロング・タイム・ノー・シー」とチンポに挨拶でフェラながら、上半身裸のボディーはうしろ姿のみ。リゾートでヴィアとお互いの過去を話すときの、カバッと胸元があいた水着のブラが乳首丸みえよりもそそる。
　ヴィアはシャワー・シーンでオッパイを全開のあと、ベッドでディックとセックスになり、これでもかと大胆なアップでまたもオッパイ、オッパイ、オッパイ攻撃。あー、スゲー！
　アヤはアリオーナにレズを迫る設定が二回おかれ、嫌がるアリオーナへの女同士のディープ・キスにドキドキ。後半の光沢ブラにホット・パンツのファッションが挑発的で、ジェフリーとバイクの上に乗ってセックスを繰り広げる。
　ただし、映画のできはいただけない。ガーリーはミンダナオでアブ・サヤフと戦った軍人で、マニラへ帰ってきて兄弟愛で結ばれるディックと再会。既にアリオーナのいるバーでジェフリーにからまれていたが、兄カップルとアリオーナと四人で故郷へ向かう途中に、遊び半分で再びジェフリーたちにケンカを売られる。悪徳警官でもあるディックはガーリーがとめるのも聞かず相手になったため、自動車事故で殺されてしまう。あとは何とか逃げたガーリーの復讐劇だが、つかまったアリオーナとヴィアをいたぶるシーンがイマイチ。アリオーナのほうは棒にツバをたらしてアヤがオマンコに押しこむ異常さで、ヴィアのほうはアルヴィン・アンソン演じるジェフリーの部下がオマンコにバッテリーのコードを刺して電気ショックを与える変態ぶり。せっかくアリオーナとヴィアを脱がせて素敵なプロポーションをバッチリ公開のチャンスなのに、こんなサド行為はみたくないよお。
　肉体的にいじめて快感を得る趣味は、さすがに持っていません。
　だからガーリーがジェフリーをバッドで血まみれの残酷さで殺し、アリオーナとヴィアがアヤの首を左右からロープで引っぱり、壁にボコボコに打ちつける暴力肯定的なクライマックスにも違和感が生じない。
　さらに興奮が頂点に達したところで終わらず、長々とエピローグがつくのが余計な印象。映画は最初に信頼をおいていた上官の裏切りを知って退役するガーリーの失望とやるせなさから、人間の尊厳のような概念を強調したものの、ガーリーたちの歓迎会がディックの葬式に変わり、やってきたジェフリーの父であるチャーリー・ダヴァオ演じる知事に対して、クリス・ダルス演じるガーリーたちの父が人生観や人間観の疑問をぶつけるのは、さすがにとってつけたごとき遊離感を禁じえない。
　こんな内容で哲学のごとき要素を盛りこまれても、困るんだよなあ。
　フェリックス・ダライ監督には「無理するなよ」といいたくなる。
　三大女優のほかでは、アリオーナのあとにショーを担当役のロサリンダ・ロサルが全裸で登場のうえ、丸だしのお尻にハッと視線を奪ったあと、泡の中で踊りながら立ちあがるときに、オッパイはもちろんのこと、陰毛までみえそうなのにウハウハ。Ｇ．Ｒ．Ｏ．役の中にはチェリー・ゲヴァラ、ジョイ・アギラー、マルー・マアシンがいるが、確認できない。
　ガーリーたちの妹を演じるブリストル・“ラヴリー”・ロペスは、肌の露出がないながら、なかなかチャーミングな容貌だった。