ＧＩＧＩＬ
（身ぶるい）
　
00年：セイコ・フィルムズ
監督：マウロ・ジア・サモンテ
主演：ニニ・ハシント
　　　 レオナルド・リットン
　　　 ブリジット・デ・ホヤ
　　　 ヘスロ・ラミレス
　　　 パウラ・ゴメス
　ロマンス小説あたりのストーリーを下敷きおいたのだろうか。実に安手な展開に笑みがこぼれそう。
　ニニ・ハシント演じるジジという名の医学生が主人公で、エドウィン・レイエスとモーリン・マウリショ演じる医者の両親とともに、ボランティア診察のため、イヴリン・ヴァルガスとベヴァリー・サルヴィエンホ演じる従姉妹の住む地方の漁村（ロケはリサール州のハラ・ハラとバタンガス州のタリサイ）へやってくる。そこでレオナルド・リットン演じる地元でモテモテの苦学生と知り合って恋に落ちる。
　イヴリンとベヴァリーがミュージカル的キャラなのは、フローラ・ガセル演じるユーモラスな家政婦とともに、コメディー・リリーフとして買える。ニニが授業で人体の構造や妊娠、出産などに興味を示すのも半分ギャグながら、あとの伏線になる。
　マニラへでてきたレオナルドが新聞の販売に従事は、仲間の新聞の売り子たちが橋の下で寝る光景に、風俗的面白さがにじむ。生活費のため、村で自転車に乗ってパンの移動販売をおこなっていたレオナルドが、新聞の際にも同じ自転車を使い、そのクラクションの音を最後まで小道具に活用は、単細胞ながら、まずまずの扱い。
　ただしニニの一家のとなりにブリジット・デ・ホヤ演じる同じくらいの年齢のギャルが住み、ヘスロ・ラミレス演じるその恋人との情事をジョシー・ガルヴェス演じる母が厳しく責めるも、ジョシーがクラブのママさんで、巧みにニニが水商売へ誘われて入ったのがジョシーの店とは、ちょっと安易すぎないか。処女狙いの客から危うくセックスを強要で危機一髪のとき、ブリジットに救われる設定もいただけない。
　レオナルドがニニと再会のきっかけは、もっと偶然に工夫のほしいところ。レオナルドがニニの家へ雑用夫で住みこむようになり、当然ながらニニと結ばれるとのわかりやすい筋立ては、先の予想がつきすぎる。嫉妬のブリジットがわざとレオナルドに強姦をうけたのをよそおい、レイプ罪で告発。ニニが妊娠のため…　のクライマックスで、無罪釈放のレオナルドがニニの避妊手術阻止へ間に合うかのチェイスにサスペンスが乏しいのは、さすがにマウロ・ジア・サモンテ監督の凡庸さを痛感。自転車をこぐレオナルドの股間がアップのショットで、ペダルをこいでいないのが丸わかりなうえ、自転車が倒れるときのわざとらしさに唖然。エドウィンが運転の自動車の描写でも、スピードのつなぎにバラつきを生じ、編集のヘタさが緊張感を奪う。車がオーヴァー・ヒートでもエンジンから煙のでない手抜き表現には、肩の力がどっと落ちる。沿道で撮影を見物の野次馬たちが映りこんでも平気な無神経さにいたっては、何をかいわんや。
　あきれた内容だ。
　もっとも新聞販売の仲間たちがレオナルドを助けるためになけなしのカネをカンパし合ったり、ブリジットが後悔でレオナルドの味方に転じたり、基本的に真の悪人を登場させない姿勢が好印象。かたくなだった両親と和解のラストまで、ほのぼの感を漂わせ、あと味のよさが評価できる。
　ニニとブリジットのセクシー度については、ほぼ文句なし。まずニニはパソコンを打つときの黄色いスリップにキュートさがにじむ。レオナルドが自転車でぶつかる出会いでのまくれたスカートにのぞく白いパンティーなどで盛りあげ、倒れた拍子でレオナルドの商売品のパンを股間にはさみ、それを抜こうとスカートに手を入れるレオナルドをみて、パウラ・ゴメス演じるレオナルドを慕う同級生がオマンコにさわったと勘違いのお笑いセンスはイマイチだが、スリップをスケスケにイカダをレオナルドと一緒にこぐところからの海岸デートがそそる。水に落ちたニニのスリップはさらにピタッと貼りつくばかりか、手前のアングルで乳首がこぼれる寸前の下向きバストの谷間をとらえ、スケベな撮りかたにキャーッ。それにしてもレオナルドが勃起しないのは、不思議なくらい。こんな格好の魅力的な女性が横にいたら、普通なら犯すぞ。レオナルドの思い出に浸りながら、入浴中にオナニーのシーンがやってくれる。バス・タブへ入るショットにおいて、待ってました、素っ裸のニニは理想的な割れかたのお尻をモロみせのうしろ姿。意味深に自慰を始めるや、石鹸の泡にまみれたオッパイが突きでて、うーん、もんでみたいじゃないか。レオナルドが住みこんだあと、デートで遅くなって野宿になるシーンは最高。原始的に摩擦で火をおこすと、焚き火にあたりながらニニは全裸に。陰毛のまわりだけレオナルドの頭で隠れたボディーにぶっ飛びそう。レオナルドのチンポに頬を押しつけながらお尻を愛撫のうえ、正常位のセックスでオッパイを惜しげもなく公開。
　イケます。
　ブリジットはヘスロが忍びこむ自分の部屋で、向かいのニニがのぞく中、素っ裸でベッドに寝転がる。ヘスロの脚が重なっていなければ、お尻の奥にオマンコがみえる構図だけに、カッカ燃えてくる。騎乗位でセックスへ進展し、張りのよいオッパイのアップに我慢を許さない誘惑。翌朝にジョシーが発見する全裸で抱き合った二人のポーズもみごと。レオナルドに偽装レイプを迫るシーンではビリビリッとシャツを裂いてオッパイを露出し、ニニが目撃の視線での上向き乳房が形を崩さないのにうっとり。ツンと立った乳首は度を越えたエロスを醸し、美乳でこれほどまでに欲望をかきたてるパワーに圧倒をうけるのみ。
　あとパウラは海女みたいに漁をするシーンにおいて、タンク・トップの白いシャツに乳首が浮きあがるも、レオナルドと最初のセックスではパンティーを脱いでも中身がみえないままだし、優等生のレオナルドに家庭教師をお願いの際に、兄が帰ってきてレオナルドを追いだすまでの船影における二回目もがオッパイのみえるか、みえるか、みえるか…　と大胆さを欠くのがイマイチ。容姿的にもニニとブリジットに負けるうえ、さすがにハイ・スクールの制服姿は無理とも思え、つけたし的配役だった。
　女医の一人を演じたリア・エスレイゲは、ちょっと気になるタイプと記憶にとどめたい。