Ｇ．Ｉ．ＢＡＢＹ
　
87年：Ａ．Ｃ．Ｄ．フィルムズ
監督：フランシス・“ジュン”・ポサダス、セザール・アキノ
主演：チェリー・マドリガル
　　　 ペルラ・バウティスタ
　　　 オデット・カーン
　　　 ミルナ・カスティーリオ
　　　 ジュニー・ガンボア
　　　 ディック・イズラエル
　　　 マーク・ヨセフ
　　　 ボニー・ベニテス
　　　 エミリオ・エストラダ
　　　 シーラ・ムーニョス
　米軍基地をかかえる地域につきまとう問題であるＧ．Ｉ．ベイビーをあつかう作品だが、とくに社会的な内容ではない。チェリー・マドリガルとミルナ・カスティーリオの共演によるセクシーさを狙ったもので、それだけに期待がかかる。
　冒頭、ベルラ・バウティスタ演じるホステスが妊娠し、自暴自棄に酒を飲んで荒れるのをオデット・カーン演じる仲間が怒り、ペルラが出産までを台詞なく、規制曲のつなぎでみせる。ロックや『トッツィー』のテーマが使われる。アンヘレスのフィールズ・アヴェニューの様子や店内の風景が興味深い。チェリー・マドリガル演じる若い女性がシャワーを浴びるシーンにつながって、一気に二十年近いときが流れたとわかる構成が粗っぽい。
　兄から襲われるなど、無茶苦茶な家族と暮らすチェリーは、オデット演じる母へ自分にだけ冷たいのをなじると「本当の娘じゃない」といわれ、ショックをうける。実の母であるペルラはアル中をやみ、廃人同然で街をうろついて乞食のような生活。チェリーが訪ねてきても「娘なんかつくった覚えはない」とつっぱねる。貧相な部屋には恋人だった米兵の写真が飾られている。ジュニー・ガンボア演じる有力者にオデットがカネでチェリーをうり、愛人としての同居が始まる。ボビー・ベニテス演じるチェリーのボーイ・フレンドがジュニーの息子との微妙な緊張感が漂う中、ボニーが「不潔だ」とチェリーをさげすむ。でもジュニーがインポでセックスできず、すぐにボビーと肉体関係をもつ。シーラ・ムーニョス演じる売春婦の友人宅で、シーラの客の知人でディック・イズラエル演じるあやしい男が現われ、米軍にコネがあるとチェリーに近づき、無責任にやり逃げする。チェリーとボビーの情事に嫉妬をおぼえたジュニーがオデットに訴え、やくざどもを雇ってオデットがボビーをボコボコなめに合わせる。ジュニーはチェリーを撃つも、弾がペルラに当たる。チェリーの輸血で命をとりとめたペルラに対し、チェリーが酒を捨てさせ、人生のリセットに厳しく接する。米軍への交渉がようやくみのり、チェリーが父に会いにアメリカ合衆国へいくことになる。ボビーと別れをかわし、シーラなど友人たちが駆けつけると、一緒にペルラもきて親子の絆を確かめ合う。
　米兵とのからみというより、フィリピン人同士のいざこざに主眼をおいたのが本質を避けたっぽい印象を与える点。クラークを舞台にとる意味が薄れる。フランシス・“ジュン”・ポサダスとエルウィン・Ｔ・ラナドの脚本が甘いが、撮影の制約などを考慮したのだろう。基地内へ入れるフィリピン人がその立場を利用し、女性をくいものにするあたりはうなずける。ペルラがアル中演技でうまさをみせるながら、オデットの意地悪ぶりは一本調子で説得力を欠き、ジュニーがピストルをもちだすにいたってはリアルさを著しくさげる。しょせん安手のフィクションと思わせるマイナス要素。決してキワモノではないだけに、フランシスとセザール・アキノが日常レヴェルのドラマに終始しなかった強引姿勢が惜しい。
　もっともチェリーはしっかり脱ぎまくり、いきなりのシャワーでオッパイもお尻もチラつく全裸。バス・タオルを巻いて階段をあがるのを形式上の兄であるオデットの息子がのぞくショットで、おそらくパンティーをはているだろうが、ひょっとしてハミ・マンコかもとときめく。兄に襲われてベッドから転がり落ちる瞬間、白いパンティーが視線を奪う。ジュニーに囲われてセックスの前に風呂へ入り、バス・タブにつかってオッパイ丸だしで興奮を誘ったうえ、立ちあがって陰毛が誘惑光線を放ち、お尻からアナルがみえそうにまたいでバス・タブの外へでる。ジュニーのインポに気がつくベッドでも乳首がバッチリに迫る。ボビーが抱きつく夜の居間ではシー・スルーのネグリジェを着ていて、パンティーと乳首のポッチがスケスケ。ディックにバストをもまれる際にも乳首がポロリ。ボビーとのセックスは肝心のパーツが隠れたままだが、街のバー街を歩くときのピタピタのパンツ、オデットにぶたれるときのライト・ブルーのジーンズ、プールで泳ぐときのマイクロ・ビキニといったフェッチっぽい着衣もそそる。とくにビキニは太めのボディーにほんの少し布がかぶさるだけのウルトラ・ハイレグと極小ブラに加え、プール・サイドにあがった肌の濡れぐあいがたまらず、全裸よりも色っぽい。
　チェリーの親友のダンサーを演じるミルナは、さらに感動的（！）露出をくれる。ステージが二回あり、貝が開いて泡風呂になっているセットや黒いパンティーの水着の衣装ばかりか、観客の米兵まで同じという手抜きはさておき、一回目は極小パンティー一枚にトップレスで泡まみれの全身をくねらせ、オッパイをこれでもかと満喫させる。二回目はシャワーで泡を流す演出を含み、しっとりと濡れたオッパイがよだれもの。マーク・ヨセフ演じる恋人とのセックスでギリギリにオッパイがみえないも、ステージの素晴らしさに下半身が爆発しそう。
　シーラは客相手のセックスでオッパイをアップにモロだし。あとジュニーの回想でインポを嘲笑したバス・タオルを巻いた女は、いささかブスっぽかった。