ＧＡＴＩＬＹＯ　　ＳＡ　ＢＡＷＡＴ　ＫＡＬＡＢＩＴ　ＢＵＨＡＹ　ＡＮＧ　ＫＡＰＡＬＩＴ
（引きがね　撃つたびに人生が変わってゆく）
　
99年：グッド・ハーヴェスト・プロダクション
監督：タタ・エステバン
主演：アヤ・メデル
　　　 ジェラルド・マドリッド
　　　 ジョン・レガラ
　　　 チャック・ペレス
　　　 フリオ・ディアス
　　　 ジョルジア・オルテガ
　　　 ジャッキー・カスティリエホ
　銃は道具であって、使う人次第でよくも悪くもなる、みたいなことをいったのは『シェーン』の主人公だったか。個人的には銃は凶器だと思っているので、存在しないに越したことはない。こんなものが自由にはびこる某先進国をみれば、いかに暴力を誘発するかがわかる。フィリピンもわりと銃の普及率が高い国で、だからこそ秘める危険性を告発の作品である。祖父と伯父がまだ子どもの主人公に銃の使いかたを教え、母親が激怒の冒頭シーンから、きっと犯罪アクション映画だろうと推測ながら、どちらかというと社会問題をバックにおく青春ドラマだった。まあフィリピンにはびこる病巣にグッさりメスを入れるまでには及ばないが、タタ・エステバン監督など製作者の姿勢をまずまず評価できる。
　物語はジョルジア・オルテガ演じる母親が暴行うけるのを助けようとし、とっさに主人公が相手を撃ち殺すところに始まり、何年かたってジェラルド・マドリッドが演じるようにかわって、ジョン・レガラ演じる監察官のもとで少年院から母親のもとへかえってくる。でも環境が悪いとどうしようもなく、フリオ・ディアス演じる伯父に連れられるがままに麻薬がらみの殺人事件にかかわる。このあたり、不幸な境遇が主人公をゆがめた構成ではあるが、よく不良少年ものにありがちな本人の精神の弱さでなく、まわりのせいなんだみたいな逃げの立場をとらない構成がよい。
　フリオは検問をつっ切るときに殺され、警察にも一人犠牲がでて、その同僚のチャック・ペレス演じる警官が復讐の鬼と化する。チャックがすぐに暴力をふるう人物で、いくらジョンの監察官に説明を聞いても犯罪者への理解などまったくなく、偏見丸だしなのが興味深い。これもまた銃社会のもう一つの顔だろう。
　逃亡過程でジェラルドは車を盗み、そのとき子どもが乗っていたので誘拐犯にされる。この少年と妙にウマがあって、実の弟のごとく気持ちを通わせる部分が、無理なく描かれて好感が持てる。
　さらにアヤ・メデル演じるバーのダンサーが暴行をうけるところを救ってあげようとの流れで、殺人犯にもなる。
　そもそもこの映画をみた動機はアヤが出演だからで、映画も半分をすぎ、ようやくお目当てのアヤが登場。黒いビキニの下着姿でセクシーなステージを披露する。寝転がってサン・ミゲルを瓶から身体にこぼしながらブラをめくってオッパイ全開のシーンは、ちゃんと期待に応えるじゃないかと感激のビンビン状態。アヤの乳房の形は、まずフィリピンのセクシー・スターの間でも一、二を争う美しさと断定できる。ジェラルドに救われた際はビキニ下着の上に網のスケスケ全身タイツを着るのみで、このまま逃げたら、ずっとセクシーなアヤをおがめるなあ、なんてよだれを垂らしたが、上からガウンをはおり、そうはいかなかった。
　でもちゃんとまだ見せ場が用意され、アヤはジェラルドに初体験させてあげて、ここはいきなり全裸。川原で抱き合うと、はねた水しぶきのついたお尻をなめまくりたくなる。女性上位でセックスが始まるや、これでもかとオッパイがプラプラ揺れる迫力に、手をだしてもむんだ、乳首を吸うんだとジェラルドに声をかけたいくらい。たとえ短い生涯になろうとも、アヤのような女性に童貞を奪われたら幸せだろうなあと感じるほど。
　結局ジェラルドは執拗に追いつめてきたチャックに撃ち殺され、そのチャックに向けてジョンが引きがねを引くラストに、暴力は暴力しか生まず、銃がはびこる社会には憎しみが満ちていることがよく表れる。
　でも考えてみれば銃の危険性を説きつつも、登場人物のいずれもが銃をぶっ放すのだから、ちょっと矛盾じゃないかと感じないこともない。戦闘シーンをカッコよく描く反戦映画のみたいなものか。
　アヤの裸身の前では陰がうすいながら、フリオに水浴び中に殺されるシャーリン・フェレルの少し下半身が発達のヌードもサーヴィス精神として嬉しい点。ジョルジアのエキゾティックな美貌が際立ち、できればヌードがみたかった。