ＧＡＡＮＯ　ＫＡＤＡＬＡＳ　ＡＮＧ　ＭＩＮＳＡＮ？
（一度踏みこめばどれくらい数を重ねるのか？）
　
(82)年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ダニー・シアルシタ
主演：ヴィルマ・サントス
　　　 ヒルダ・コロネル
　　　 ディンド・フェルナンド
　　　 スザンヌ・ゴンサレス
　　　 ジョセフ・アルヴィン・エンリケス
　実にシンプルな三角関係のドラマ。
　ヴィルマ・サントス演じる未亡人とヒルダ・コロネル演じる主婦が、お互いに隠しごとをしない親友の間がら。ヴィルマはジョセフ・アルヴィン・エンリケス演じる幼い息子をもつも、ジョセフは不治の病に冒されている。本当の父が強くほしいらしいと知って、ちょうどアメリカ滞在から帰国のディンド・フェルナンド演じる夫に、ヒルダが父親のフリをしてあげてと頼む。しばらく一緒に暮らす間、ヴィルマとディンドの他人行儀を本能的にかぎわけるのか、ジョセフがもっと親しくするようにとしむけ、ついにヴィルマとディンドが本当に愛し合う。最初はイヤイヤだったディンドがジョセフを自分の子のごとく感じたとき、ジョセフが亡くなり、ヴィルマが不倫をヒルダに打ちあける。ヴィルマはディンドの子を妊娠していた、とのストーリー。
　後半に入って、一体このシチュエーションにどういう結末をつけるのか、けっこう期待が盛りあがったが…
　自らを勝手な性格だと責め、ヴィルマがディンドを振りきろうと悩む。怪しい堕胎医にかかる寸前にヒルダたちがヴィルマを助け、不妊のヒルダの「子どもを生んでほしい」の言葉にヴィルマが出産を決意も、死産のうえ、自らも命を落とすという意外ながら、ちょっとイマイチのシメ。
　トミー・アブエル演じるジョセフの主治医とヴィルマの間にもロマンスめいた匂いをほのめかすだけに、もっとうまい活用がほしかったところ。
　でも、そこそこに興味深い要素を含み、それほど退屈させない。
　ヒルダがフェンシングを習っていたり、肖像画を描かせたり、いわゆる中流趣味をうかがわせる。ヴィルマが経営のアンティーク・ショップに仏像が置いてあるあたりや、ヴィルマとヒルダが羽織を前かけがわりに食べる鉄板焼き屋なども風俗的なおもしろさに満ちる。ジョセフがバットマンのＴシャツを着ているのは、ティム・バートンの映画で再ブームが起きる前だけに、フィリピンにおけるアメリカン・キャラの人気の根づきがわかるよう。ジョセフの昇天がクリスマスなのは宗教的な暗示。
　またヴィルマとヒルダのセクシーな誘惑が、なによりも増して嬉しい見せ場の提供をくれる。ヴィルマはトミーのすすめでジョセフの療養のためにビーチですごすエピソードで、ディンドとの肉欲へと発展し、ワンピース水着で抱き合って浅瀬で戯れる。濡れた水着がボディーにピタッと貼りつき、ハイレグの股間やお尻に食いこんだラインがそそるばかりか、バストのトップには乳首の形が浮きあがっている。ヒルダはディンドと泡風呂を混浴のときと、ガラス越しのシャワー室で体を洗うときの二度にわたって乳首があやうくポロリとのぞく一歩手前。いやはや、ものすごいパワーのギリギリ感じゃないか。
　ヴィルマ宅の家政婦を演じるスザンヌ・ゴンサレスも、ビーチで綱引きにきょうじて楽しむシーンでワンピース水着を披露し、腰を落としたポーズでのヒップラインがキュート。
　ほかにヴィルマの友人を演じるチャンダ・ロメロが、心配でヴィルマに電話の際に胸元の大きくあいたシャツで谷間のフェロモンを漂わせる。
　いやはやビンビンの興奮で、全編、何度も視線が釘づけの次第。
　あとヒルダの母を演じるグロリア・ロメロの存在ぶりや、チャンダの夫を演じるロナルド・ヴァルデスの陽気な会話もプラスし、ダニー・シアルシタの演出にとりたてて注目点はないものの、一応、納得の作品といえそうだ。