ＥＳＫＯＲＴ
（護衛）
　
00年：リーガル・エンターテインメント／マノリ・フィルムズ
監督：ハリー・ジェームズ
主演：トロヴァドール・ジェームズ・ラモス・ジュニア
　　　 リト・ラピッド
　　　 ジョン・レガラ
　　 　イザベル・グラナダ
　　　 グラディス・レイエス
　　　 ブランド・レガスピ
　　　 マーク・ラピッド
　　　 ボベット・“ロング”・メジア
　　　 バルバラ・ミラノ
　　　 バンジョー・ロメロ
　　　 アリアンヌ・デラ・リヴァ
　　　 ジョメル・リリオ
　ヴァイオレンス、コメディー、浪花節、エロスをそろえたアクション映画。散漫な印象は否めないが、群像劇的な構成でユニークさを打ちだす。
　でも決して評価は高くない。というのもジョン・レガラ演じる悪のボスが極端なキャラクターづけで、短気やヒステリックさ、暴力性が不気味というよりも異常者じゃないかと思わせ、こんなヤツに手下がついてくるかとあきれる点が第一にダメな要素。トロヴァドール・ジェームズ・ラモス・ジュニア演じる捜査官とのラストの激突でも、トロヴァドールの銃の弾がきれ、ジョンが「なくなったか。オレはまだあるぞ」と迫るとき、安易に無駄撃ちですぐにジョンも空になり、あんたに脳ミソはないのかと声がでそう。度を越えたアホを平気で描くということは、ハリー・ジェームズ監督など作者までアホなのかとの疑問を抱かせるから、注意してほしいところ。
　ブランド・レガスピが演じるチーフのほか、トロヴァドール、マーク・ラピッド、ロング・メジア、バンジョー・ロメロ演じる捜査チームの連携プレーのよさを示す冒頭の捕り物はまずまずのエピソード。コメディー・リリーフをになうロングの演技がうまく効果をあげるが、クライマックスの襲撃で、ロングがブルース・リーもどきのユーモラスなクンフーを繰り広げるのは、そんなところへ笑いを持ちこめばリズムを崩すでしょ、と演出の基本すらわかっていないごとき推測を呼ぶのもマイナス要因。
　イザベラ・グラナダ演じる護衛対象のＴＶレポーターや、敵側に内通していたグラディス・レイエス演じる警察署長の秘書のうだうだ話が長く、もっとまとめてほしいばかりにくわえ、対決前におけるトロヴァドールとジョンのやりとりもいささかくどすぎで、ホント、テンポが悪い。イザベルはレーモンド・キアヌー演じるジョンの弟が密告者を殺す現場を目撃し、そのとき一緒にいたジョメル・リリオ演じるカメラマンを死なせた事実に責任を感じているにせよ、後悔の気持ちを一ヶ所にしゃべらせるのはヘタというか、映像センスの欠如を指摘せざるをえない。
　もっともトロヴァドールの巧みなクンフー・アクションは小気味よく、飛び蹴りなどダイナミックなだけでなく、レーモンドと一対一で戦って首をねじるときに関節技をつかっていて、フィリピン映画にしてはきちんとした描写。あとでリト・ラピッド演じるプロの護衛とコンビで敵をなぎ倒すエピソードでも、ガン・ファイトとクンフーの両方を駆使する体の動きが軽やか。トロヴァドールは主役扱いだと線が細いからとの判断か、大物スターのリトをゲスト出演でバランスをとっている配役が、なるほどと納得のうまさ。
　ジョンの殺害からイザベルを護衛のとき、ブランドのチームへバルバラ・ミラノ演じる婦警がメンバーに参加も楽しめる点になる。ロングがバルバラにホレるコメディー演技はまあまあだし、ブランドと恋仲に発展のエピソードも、任務の間にと現実なら非難すべきかもしれないが、決してジャマではない。ブランド、マーク、バンジョーと始末のうえ、バルバラがら致されたあと、トロヴァドールとロングが敵のアジトへ殴りこみをかけて、ロングがバルバラを救出も、ほんの少しのところでバルバラが撃たれてロングに「ありがとう」といいながら亡くなるセンティメンタルさなど、あっさりした表現で買える。
　メロニー・ケイ演じるジョンの愛人とグラディスの対立は、単細胞といえばそれまでだが、一応ドラマにふくらみを与えるのも確か。グラディスがジョンを撃つツメは、そうきたか、とうなずける結末を招く。ただし、まだ死んでいなかったジョンがグラディスに撃ちかえすのは、強引すぎて余計なイメージ。
　結果的にイマイチなできなのは、観客側のエモーションがどう流れるかを考慮せず、いらぬテンコ盛り状態に陥った演出の責任だと痛感する。
　まあエロスの面が充実していれば、それだけで満足できるのが個人的な趣味。イザベルはレーモンドにつかまり、ジョンからレイプされるも、白いジャンパーのような服のジッパーをジョンがおろし、オッと、オッパイか…　とドキドキ興奮ながら、みえないままで終わり。リトの登場後は過去をにおわす会話にベッド・シーンを期待させつつ、残念ながらそうならず、お色気不発に落胆をまねく。
　グラディスも脱がないだろうと予想したが、自ら殺害の原因をつくったフレッド・モロ演じる署長の葬式へきてノルマ・グローリー演じる未亡人とジャミー・リリオ演じる娘にお悔やみをいうとき、パープルのピタパンがキュート。発達した下半身やヒップの形など、ものすごくおいしそうでそそる。
　イザベルとジョメルが現場撮影のシーンでは、レーモンドが車の中でアリアンヌ・デラ・リヴァ演じる愛人を抱くシチュエーションがあり、アリアンヌのオッパイが丸だしになってオーッ。レーモンドから逃げようとアリアンヌが荷づくりする前には、まずシャワーからでてきて着がえ、黒いキャミを脱ぐときにオッパイが隠れるも、白いパンティーがお尻に食いこんでいる。レイモンドに阻まれてセックスを強要のあと、全裸でトイレへ行ってオシッコをし、その便器にレーモンドの歯ブラシをつけるコメディーの部分で、バス・タオルを当ててボディーをおおうのが惜しい。アリアンヌはそれなりに大胆なものの、ちょっとブスっぽいかな。
　メロニーはジョンにマッサージするシーンでビキニの水着。バストの谷間が視線を奪うも、ボトムはタオルを巻いたままで挑発不足。となりにいる男のチンポをつつくのは伏線かと感じたが、ただの雰囲気描写のよう。しばらく経って、アッ、タオルをはずしたぞ、と歓喜させるや、パンティーがでた瞬間にカットでアレレ。ロングを誘惑の罠も用意されていて「シャワーを浴びるね」と服を脱ぐも、うしろ姿でお尻のでる寸前まで。ロングがバンジョーから「警官だろう」と仕事中のセックスをとめられ、先の愛撫がなくて、そりゃ、あんまりだ。
　やはり満足をくれるのはバルバラに尽きる。ブランドとのセックスでみごとなオッパイをドバーッ。ベッドで仰向けになっても崩れない、なんと美乳であることか。正常位からのぞく乳首にも吸いつきたい。ジョン一味につかまったあとは全裸で吊るされ、オッパイのアップまで明らかに。ジョンが荒っぽく手ごめにし、みんなでまわすときは肝心のパーツがみえないものの、素っ裸で放り投げられたボディーの横たわったラインや、腰のカーヴなど、よだれダラダラもの。
　美人のバルバラがイカせてくれて、エロス面はけっこう充実じゃないか、とポイント・アップしたい。