ＥＳＫＡＮＤＡＬＯＳＡ
（スキャンダラス）
　
02年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ホヴェン・Ｍ・タン
主演：バルバラ・ミラノ
　　 　エリザベット・オロペッザ
　　 　リッキー・ベルモンテ
　　 　メラニー・マルケス
　　　 レアンドロ・バルデモール
　　 　ジョン・アパシーブレ
　　 　リチャード・クアン
　　 　パオロ・リヴェロ
　　 　フランシス・エンリケス
　　　 ルビー・パディーリア
　バルバラ・ミラノというセクシー・スターの魅力をつかって、けっこう楽しめるサスペンスにしたじゃないか、と嬉しくなる。バルバラ・ファンだから、ひいき目だといわれれば、それまでかもしれないが…
　墓の前にバルバラが立って、そこに眠っている男たちがいかに死んでいったかを回想するのがストーリーの骨格。墓石に刻まれた名前ごとに悲劇がでてきてジュリアン・デュヴィヴィエの『舞踏会の手帖』のような構成かと感じるも、そんないいもんじゃない。バルバラ演じるのは、ある地方に住む無垢な女性。リッキー・ベルモンテ演じる義父に犯され、ジョン・アパシーブレ演じる別居状態の義理の兄に助けてほしいとの手紙を書く。リッキーはジョンに殺され、すぐにジョンもバルバラのとりこになる。それで強引にセックスにおよんだので、レアンドロ・バルデモール演じるバルバラにホレる男が殺害。今度はレアンドロからの愛を受けるも、パオロ・リヴェロとフランシス・エンリケス演じる、たまたま通りすがった男二人に目をつけられ、レイプされる。リチャード・クアン演じる妻をもつ男にもバルバラが愛を注がれていたうえ、この強姦事件が引き金となって、レアンドロは自殺。純真な女性が三人の男たちを破滅させたわけで、憂いをおびたバルバラの表情をうまく生かながらドラマに説得力をもたせる。
　ところがこれらの事件現場をリチャードが目撃のショットが加えられていたが、警察へきてリチャードが証言を始めると、まったく違った真相が明らかになる。
　映画はトム・オリヴァルとエルニー・フォルテ演じる警官二人、近所に住むヴァンジー・ラバランとジョシー・ガルヴェス演じるおばさん二人のうわさ話をところどころに挿入し、田舎らしい雰囲気の中で説明っぽく進行させるあたり、安易ながらも、わかりやすさを心がけたな、とうかがわせる。
　実は三人が亡くなった事件は、バルバラが仕かけたものだった。リッキーやジョンはバルバラのほうから誘惑したし、パオロやフランシスへもバルバラが流し目を送っただけでなく、自分からでかけてセックスさせてあげた。同じシーンが二度でてきて、設定は変わらないのに、そこにいる人物の心理や内容がまったく正反対になっているという表現はヴィリー・フォルストの『マヅルカ』など戦前からの定番だが、そんないいもんじゃない。エリザベット・オロペッザ演じる母がリッキーと浮気し、それが原因でバルバラを捨てたという過去が紹介され、復讐が彼女を駆りたてた、との原因を提示。次々と罠をかけるときにバルバラが悪魔的ともいえる微笑みをみせ、ゾクッと寒気をくれるから、うまい女優だなあ、とあらためて感嘆。表も裏も演じることができる。
　でもレアンドロのケースは自殺なので、どうして死へと追いこんだのかへの疑問が起こるし、このままもう一回逆転がないままだと、もの足りない印象を残すぞ、と感じていると…
　ちゃんとレアンドロの事件がらみでどんでん返しの用意のあるのがよろしい。
　その内容というのが、キリスト教的な救いの世界へと入るものだから、いかにもフィリピンっぽい。帰ってきたエリザベットが墓の前に立って、なーんだ、そういう結末だったのか、とあきれもしようが、考えたじゃないかと評価したいところ。カレン・デロス・サントス演じる少女時代のバルバラも、悲劇のヒロインではなく、魔性の可能性を秘めていた…
　しかもメラニー・マルケス演じる女性が冒頭のところで意味深に登場していたのだが、ラストで再び現われるとリチャードの妻だと判明し、さらに二つめの意外な真実をプラスで、驚くほどとはいえないまでも、よくやったじゃないかと拍手もの。
　ホヴェン・Ｍ・タン監督はもう少し画面に緊迫感を与えることができたなら、グイグイ引っぱりこむだけのドラマがつくれただろうに、惜しい作品である。
　ただしレアンドロにしてもバルバラにしても、キリスト教の救いの概念だと自殺を禁止のはずで、そのへんがおかしいぞ、と突っこみを入れたくなるのが苦しい点。こんなことを無宗教の人間に指摘されてどうする…
　なんてことはさておき、バルバラは肌の露出でもフェロモンを炸裂。一回目にリッキーから犯されるときはパンティーに浮きあがるヒップラインがキュートなうえ、シャツをめくられてオッパイがポロリだから、早くもオオオオーッ。レアンドロとの愛のふれ合いは海の浅瀬で、白い衣装が濡れてパンティーがくっきりになり、乳首のスケてみえるオッパイがプラプラと揺れる。ウヒョヒョヒョヒョ。リチャードとのふれ合いは流れる川の中で、お尻に貼りついたパンティーが挑発的なだけでなく、ほとんど丸みえ同然となったオッパイが下半身をめいっぱいに刺激してくる。花畑で抱き合うシーンヘと続き、またもシャツをめくられて食いこんだパンティーがおいしそうだし、ブラをとられてオッパイが…　ウワー、こたえられない。二回目にリッキーから犯されるときの揺れる乳房にも目が釘づけで、さささ、最高。もっとも欲をいえば、レアンドロと小屋の中でセックスするシーンは全編のハイライトだろうが、やや不満が残る。木漏れ日をつかったアートな撮りかただけに、せっかくバルバラが全裸にもかかわらず、大胆に迫ってこない。陰毛がみえそうなポーズをとっているショットもあるのに、みづらいぞと声がでそう。入水のシーンだって、スケろスケろと願うも、イマイチはっきりスケ足りない。神の賛美の声をバックに流す荘厳なシチュエーションで、スケろと願うほうが不謹慎かもしれないが…　パオロとフランシスを相手に野外で３Ｐとなるところでは、ついに乳首のアップまであるオッパイをウハウハに堪能させてくれて、欲張るとバチが当たるかもしれないし、十分に満足は満足…
　バルバラ・ファンにはこれ以上ないプレゼントといえよう。
　あとレアンドロの恋人役でルビー・パディーリアが出演のうえ、ラヴ・シーンでオッパイをペロリとみせる。そこそこ美人だし、鼻息荒く、カッカ興奮を味わえた。