ＥＮＴＥＮＧ　ＫＡＢＩＳＯＴＥ　２
ＯＫＡＹ　ＫＡ　ＦＡＩＲＹ　ＫＯ…　ＴＨＥ　ＬＥＧＥＮＤ　ＣＯＮＴＩＮＵＥＳ！
（エンテン・カビソテ　第二部　私の妖精を守りなさい…　伝説は続く！）
　
05年：オクトアーツ・フィルムズ／Ｍ−ゼット・Ｔ．Ｖ．プロダクション
監督：トニー・Ｙ・レイエス
主演：ヴィク・ソット
　　　 クリスティン・ヘルモサ
　　　 アリス・ディクソン
　　　 オヨ・ボーイ・ソット
　　　 ヴィクトル・ネリ
　　　 アイサ・セゲラ
　　　 ホセ・マナロ
　　　 ルビー・ロドリゲス
　　　 ビン・ロイサガ
　　　 ジェフリー・キソン
　　　 メラニー・マルケス
　　　 トニローズ・ガイダ
　　　 ジョーイ・デ・レオン
　　　 ヴァル・ソット
　ヴィク・ソットがトニー・Ｙ・レイエスと組んだファンタジーの第二弾で、いきなり切り捨てるのも失礼ながら、おさむいできに終わっている。
　今回はフェイ（クリスティン・ヘルモサ）の妊娠にはじまり、陣痛がたいへんなのでマジックで卵を産む。これが転がって大騒ぎのすえに女の子のアダが誕生までがドタバタふうに展開する。同時に地下の洞窟で財宝探しの連中がいて、掘りあてたところでボスのドラゴ（ヴィクトル・ネリ）がベルトラン氏（ポチョロ・モンテス）などの仲間を皆殺しのうえ、自らも撃たれる。そのときに流れた血によって悪の魔女のサターナ（ビン・ロイサガ）がよみがえり、ドラゴを殺して怪竜の部下にするとともに、地中からキドラト（ジェフリー・キソン）とクローマン（ボーイ・ロケ）の怪人を蘇生が描かれる。前作でＧ・トエンギの演じていたフェイの母のマジェンタはアリス・ディソンに代わり、ひょうきんに「フーン」とつぶやくキャラクターをひきつぐも、回数が少ないし、Ｇほどユーラスなイメージを押しだしていないのが惜しい。人魚が泳ぐ海底の国と自然の豊かな森林の国の紹介でアスル（トニローズ・ガイダ）とヴェルデ（メラニー・マルケス）の姉妹が登場によって、実はサターナもアモリーリオという姉妹だったのがわかり、魔法の国エンカンタシアで意地を張り合う姉妹対立が笑いのポイントをなすが、さほど決まっていない。エンテン（ヴィク・ソット）の家の使用人であるホセ（ホセ・マナロ）がエンカンタシアへ迷いこみ、ヴェルデの魔法で女にされる。神父（ヴァル・ソット）からアダの洗礼式でウェルデが娘だとつれてきたのに、夫が消えたと心配なホセの妻のアーミー（ルビー・ロドリゲス）がどこかでみたようなといぶかるのも笑いにいたらない。エンテンの息子のベノク（オヨ・ボーイ・ソット）とアスルの娘のアリッサ（マリアン・リヴェラ）の間にロマンスが生まれるのは青春要素の挿入に、まずまずのさわやかさを与えている。
　まあ結局は四姉妹がもっていた魔法のメダリオンのうち、サターナが悪に使う失われた一枚をめぐる話であり、サターナたちがエンカンタシアや地上を襲ってきて平和が乱される。エンテン、フェイ、ベノク、アリッサ、ホセがサターナ一味を退治に向かう内容で、とりたてて新鮮さはうかがえない。火をふく怪竜との空中戦や、海へ落ちて半魚人たちとの水中戦はどこかでみた印象だし、森の精であるヴェルデが大きな木の手になって敵をふんさいもヨーロッパのおとぎ話を連想させる。とくに退屈を招くのはエンテンの活躍がコメディー・タッチに限定でハラハラ感をとっぱらった点になり、よほどギャグが冴えているならともかく、中途半端にぬるいばかり。三姉妹がパワーを結集でサターナをやっつけ、平和を回復にも続編をにおわせ、まだやるつもりかとあきれる。
　途中、赤ちゃんをアダと名づけてイニシャルがアダ・カビソテでＡＫなのをアラン・Ｋと同じだというのは、前作に出演したオカマのコメディアンをさす楽屋落ち。エンテンの娘のアイサ（アイサ・セゲラ）が歌ったり、エンカンタシアにミスター・スポックのような耳のプリンシペ・Ｋ（バヤニ・カシミロ・ジュニア）がいるあたりは前作を引きついでいる。パンゲイと名のるオカマはジョーイ・デ・レオンのゲスト出演で、前回は『ＭＵＬＡＷＩＮ』のパロディーだったが、今回は同じく人気ＴＶシリーズの『ＰＡＮＤＡＹ』をもじって、ゲイのパンダイとのおふざけになる。ベノクとアリッサが海底デートや森林デートで海中へのゴミの廃棄や木材の伐採をみるのは環境問題への問いかけの提案でよいながら、サターナの襲撃にエンカンタシアの妖精が矢をうけて死ぬのには意外なほど残酷さがにじみ、はたしてどんなものか。
　女優の魅力だとクリスティン・ヘルモサにセクシーな衣装がなく、まったく失望。アリス・ディクソンの下半身にフィットしたレオタードふうのパンツが唯一そそる。トニローズの青いピタパンもだが、さすがに太めが目だつ。ビン・ロイサガに全身へ貼りつくコスチュームを欠くのも不満をつのる。熟女のアリス、トニローズ、ビン、メラニー・マルケスはともかく、オカマのホセにイチャつくヴェルデの姪のアリニスを演じるエーラ・マドリガルともども、若手のマリアン・リヴェラにプロポーションのうかがえる衣装を着せてほしかったのは、とりわけ残念な点にあたり、キドラットやクローマンと銃撃戦でワイヤー・アクションをみせる正義の女戦士役のレイラ・クスマ、アン・マーフィー、ケート・ブリットは白、黒、ベージュのタイツふうの服がかっこよく、中でも美人のレイラはもっとじっくりみたかったところ。エンテンが戦う横で電話に夢中な女を演じるジェン・イルストレは、まあまあのレヴェルかな。あと人魚にはロキシー・バリオス、マユミ・アルバ、ニカ・バウティスタ、セックスボン・ガールズが扮していて、いずれも顔がはっきりわからないが、ちらりとオッパイののぞくものがいる。おそらくセックスボン・ガールズはバックで踊っているメンバーだろう。