ＤＵＧＯＮＧ　ＡＳＯ
ＭＡＢＵＴＩＮＧ　ＫＡＩＢＩＧＡＮ，　ＭＡＳＡＭＡＮＧ　ＫＡＡＷＡＹ
（血だらけの犬　よき友、悪い敵）
　
01年：メガビルト・フィルム・インターナショナル
監督：リト・ラピッド
主演：マーク・ラピッド
　　　 クリスティン・ヘルモサ
　　　 エース・エスピノサ
　　　 ジェス・ラピッド・ジュニア
　　　 カトリーン・クルース
　　　 リト・ラピッド
　　　 ロイ・ヴィンソン
　　　 エドナ・バタカン
　人気アクション・スターのリト・ラピッドによる監督作品であり、小さな役まで含めてラピッド・ファミリーがぞろぞろ出演する。
　そんなことはどうでもよいのだが、しょせんプロじゃないね、と思わせるのがつらい点。ストーリーはいかにもありがちなシチュエーションの内容で、貧しい家庭に育つマーク・ラピッド演じる主人公が、ひょんなことからエース・エスピノサ演じる金持ちのボンボンと知り合い、友情を結ぶ。マークはエースに学費をだしてもらうが、エースが犯罪組織のボスの息子だとの事実を知らない。クリスティン・ヘルモサ演じる女性を同時に好きになり、恩義のあるマークはエースに譲ろうとするも、クリスティンはマークのほうに引かれる。時が流れ、マークは持ち前の正義感から警察官に職を選び、エースは組織をついで麻薬ビジネスに手をそめる…
　とほとんど先の展開の予想がつく構成。それでもテンポよくみせれば文句はないのだが、ゲスト出演のロイ・ヴィンソン演じるマヌケな刑事がドジばかり踏むエピソードなど、ロイが楽しそうに演じるのはよいものの、コメディー部分を中途半端に盛りこむから、シラけることこのうえない。
　それで肝心のアクションはどうかだが、車が跳ねあがったり、ヘリコプターが爆発のハデさを意識におくとはいえ、テンションの持続がイマイチ。いわゆる映画的興奮なるものは適当に見せ場をあてはめるのではなく、細かい要素を積み重ね、だんだんと見せ場へともっていく呼吸にあるんだなあ、とあらためて確認させるよう。
　リトには悪いが、どうひいき目にみてもヘタクソな演出と指摘せざるをえない。
　また人間がしっかり描けていないのはどうしようもなく、悪の権化のごとく変わったエースがラストで改心は唐突だし、ペルラ・バウティスタ演じる最愛の母親代わりの叔母を殺されたマークが、あっさりとエースを許せるだろうかとの疑問も起きる。人間ドラマじゃないから、といえばそれまでだが…
　マークにヒーローの輝き不足のあたりが、とにかく致命的。
　まあクリスティン・ヘルモサに引かれてみた作品だから、彼女の魅力が爆発なら、それだけで満足できるもの。海岸でマリン・スポーツを楽しむシーンで、ビキニ姿を披露じゃないですか。ボトムがホット・パンツに近い形の露出が少ないタイプながら、水着をおがめると予想していなかっただけに嬉しさがこみあげる。リゾートへエースの子分たちが襲撃に現われ、途中で水上スキーで滑走しながらマークが射撃というアクションに変わっても、そんなの眼中になく、ただずっとビキニのクリスティンをながめていたいのみ。もっともっと、いつまでも終わらないでと願うほどに。
　あとクリスティンの姉を演じるサンドラ・ソベルに暴行をうけるシーンがでてくるが、ビリビリッと服を破られる音が聞こえるものの、暗くてよくみえないのが残念。マークからカネをする役のシャーメイン・サンチャゴは、かなり太めのボディーに白いピタパンがセクシーだった。