（ドラッグ 一人の中毒女をのぞきみる）
98/99年：ＥＤＬプロダクションズ
監督：セルソ・ＡＤ・カスティーリオ
主演：リタ・マグダレナ
アヤ・メデル
ラモナ・リヴィーリア
エミリオ・ガルシア
ロイ・ロドリゴ
レオ・ラバゴ
リア・アロンソ
ロルダン・アキノ
コンラッド・ポー
ボーイ・ロケ
トロヴァドール・ラモス・ジュニア
ロンメル・パディーリア
麻薬問題を扱う内容にしてはセクシーすぎる。それだけに嬉しい作品である。
いきなりリタ・マグダレナ演じる主人公が覚醒剤（フィリピンではシャブというので、以後そう呼ぶことにする）を注射しようとして、オッパイ丸だしで悶え、止めに入った仲間を事故で殺害のオープニングから、早くも期待が高まる。
シャブ工場の興味深い描写のあと、人質をとって立てこもる犯人のところへ乗りこみ、シャツを脱いでブラをみせるや、誘惑作戦で逮捕のリタが続き、今度は打って変わってカッコいい。ビキニで船に横たわる姿もさっそうと風格が漂い、スーッと引きつける強烈な色気に満ちる。
そうか、自らがシャブの常習者ながら、売人のシンジケートを捜査する女警察官の物語なのか、というのがわかる。
買い手にバケて組織のボスと交渉し、取り引き現場へ警察が急襲。そのときリタは、平気で尼僧すら殺す極悪犯を追いかけ、反対に撃たれ、入院先の病院で禁断症状がでて苦しむ。『フレンチ・コネクション２』のように、宿敵の組織から中毒にされ、地獄の苦しみの末に立ち直る展開ではないようだ。
病院をでるとシャブを求めて知り合いのゴー・ゴー・バー・ダンサーの元へ行き、リタよりもずっと大好きなアヤ・メデルがダンサーを演じるから、さらに期待が高まる。ラリると、女性二人がブラの上から乳房をさわり合う光景がなまめかしい。
いささか長くてうんざりの、教会で泣き言をたれるシーンのあと、殺人犯の目撃者になった少年に情報提供を頼むところがきて、リタは胸がプラプラゆれるシャツ姿にワクワクの要素を提供のあと、少年からの電話を受けるシーンでオッパイ丸だし。いやあ、この意味なしヌードが拍手もの。やってくれます。情報の場所へ逮捕に行くや、反対につかまり、さらにシャブを注射のうえ、パンティー一枚にひんむかれる。
まったくリタったら、鼻血ブーッものなんだから。
とはいえ、やっぱりアヤはリタ以上に応えてくれる。ステージ・シーンで、なななな、なんと、細い紐一本のＴバック水着。しかも前はＴフロント。これはもう絶対にアヤは陰毛を剃ったよ、でないとハミだしちゃうもん、と確信が起きる大胆さにあ然。驚くべきかな、股間のアップまで撮るから、セルソ・ＡＤ・カスティーリオ監督はこちとらを脳溢血か心臓マヒに追いこむ狙いか、と殺意すら感じる（大げさか）。楽屋でのパンティー・ラインが浮きでる白いピタパンも刺激的で、よくアヤはこの格好になるが、本当にレイプ願望を誘導レヴェルの挑発ぶり。
映画はもう一人セクシー・スターのラモナ・リヴィーリアが共演し、中毒患者の役どころで、イマイチ魅力が開花せずじまいかな。水着のシーンでは柄のビキニがキュートなものの、アヤのＴバックの黒ビキニに比べてはるかに負けている。まあ、同じく中毒患者役のジェニー・スミスの緑ビキニには、ジェニーがブスなので勝ちだし、シーンが変わって別の女警察役のリア・アロンソと海岸を歩くシーンでは、リアもそそる顔で視線を奪うとはいえ、濡れて浮きあがるビキニのヒップラインがラモナのほうがくっきりで、貫禄を感じさせるが…
捕まえたはずのボスが証拠不十分で釈放になり、次の大きな取り引きのときに再び現場へ踏みこむクライマックスの前に、取り引きの日時などを探る過程が置かれる。保護観察官から暴行をうけるラモナがキー役をはたすほか、リタもうまく聞きだすも、上司への連絡を怪しまれないようにプールへ入り、全裸でお尻を水中から浮かびあがらせて泳ぐ姿でＫＯをくれる。こりゃもう、パンチ・ドランカーものだ。
いやいや、その前にアヤが二度目のステージ・シーンをくり広げ、スケスケ・キャミにＴフロントだけでも悩殺状態なのに、キャミを脱いで、乳房を手で隠す。アヤのことだから、絶対に乳首全開だぞと興奮が高まったあと、ドバーッと惜しげもなくみせるじゃないですか。
とことんイカせてやろうというセルソ監督のエロへの意気ごみを読みとり、あんたはエライ、と共感にうなずく。
作品の最大のハイライトは、売人の一人であるロイ・ロドリゴ演じる恋人とアヤのセックスで、これでもかとのオッパイの応酬的なつなぎに、ほとんど気が狂いそう。乳首の大胆なアップに、もうもうもうもうもう、どうしよう。
アヤの乳首を吸えたら、死んでもいいなあ（まったく、大げさ）。
海岸での取り引き現場に警官隊が乗りこんで撃ち合いが始まり、ボスのいる本部ではアヤ、リタに、ボスの女を演じるアップル・マドリガルとパティー・モランディの四人が水着で横たわる。ここもアヤのＴバックがバツグンにステキ。警察の上陸にあわせ、アップルは黒いビキニ、パティーはボトムがジーンズのホット・パンツの水着でボディー・ラインをくっきりに逃げる。リタはえんじのビキニの下半身にバス・タオルを巻き、オイオイ、急にサーヴィス精神が悪くなったぞと思わせるも、警察だと正体を告白でアヤを逮捕のあと、宿敵の殺し屋を追いかける動きでバス・タオルがパラリと落ちる。そのうえ、しゃがんで射撃の際にお尻のアップにまで迫るじゃないですか。
うん、エロへのあくなきこだわり、実によろしい。
これで組織は壊滅。
映画はリタが更正施設へ入院で中毒と戦う様子がスティル構成で紹介され、いかにシャブだけでなく、大麻や麻薬類が恐ろしいかを解説の教育的なナレーションが入り、エンドにいたる。真剣にドラッグの問題を訴える社会ドラマなら、このラストのメッセージが重要なのはもちろんだろう。でもセクシー・スター三人に、脇の女優までがビンビンをくれるエロス作とのイメージが個人的には優先なので、そちらのほうで評価したい。
シャブなんかよりも、アヤでイクほうがずっと快感だわ。
なお、映画の題名が本編のタイトルでは『ＩＳＡＮＧ ＢＡＢＡＩＮＧ』（一人の女）なのにポスターや資料では『ＭＧＡ ＢＡＢＡＩＮＧ』（女たち）になっていたり、リタ、アヤ、ラモナ、ロイ、エミリオ・ガルシアの名前がオープニングのクレジットに落ちていたり、どうしてこうもフィリピン映画はいい加減なの、といつものごとくあきれる。
余談ながら、本作公開の前年に、アヤの携帯とポケベルの番号が麻薬シンジケートのリストからみつかったとのニュースがあった。本人は既に使っていない番号だと関係を否定したそうだが、アヤがそんな連中とかかわりを持つわけないでしょ。絶対に無実です。ほかに証拠なんかないはず。誰が何といおうと間違い、と固く信じてます。
