ＤＯＧ　ＴＡＧ　　ＫＡＴＡＲＵＮＧＡＮ　ＳＡ　ＡＫＩＮＧ　ＫＡＭＡＹ
（軍隊の認識票　正義を私の手に）
　
95年：ムーヴィー・スターズ／マホガニー・ピクチャーズ
監督：アウグスト・サルヴァドル
主演：ジェストニ・アラルコン
　　 　シャーメイン・スアレス
　　　 ライアン・“アトン”・レディーリアス
　　　 レーモンド・バガチング
　　　 ボブ・ソレル
　　　 ディック・イズラエル
　　　 エミリオ・ガルシア
　　　 デンショ・パディーリア
　　　 ペルラ・バウティスタ
　　　 ジュディー・アン・“マラ”・サントス
　殺された戦友の復讐をはたす男の話。ジェストニ・アラルコンとエミリオ・ガルシア演じる兵士がＮＰＡとの戦闘で親友になり、一年後にジェストニがエミリオの故郷を訪ねてみれば、エミリオが謎の死をとげている。背後にはボブ・ソレル演じる市長と、レーモンド・バガチング演じる性悪なその息子の存在があった事実をつきとめる。
　バスから降りたジェストニが一本道を通って町へ入ると、いきなりディック・イズラエル演じる警察署長がよそ者だと追い返す。いったんでていくフリで、再び戻るあたり、テッド・コッチェフの『ランボー』の影響をうかがわせる。実際にあとでジェストニがジャングルに野戦の罠を仕かけたり、グリーン・ベレーのような軍隊の仲間がやってきたり、かなり『ランボー』ふう。
　ペルラ・バウティスタ演じるエミリオの母がジェストニを歓迎し、シャーメイン・スアレス演じる年ごろの娘の妹が嫌い、ジュディー・アン・サントス演じる下の妹があこがれる構図がパターンなら、レーモンドがシャーメインへちょっかいを入れる関係もありきたりといえる。
　アトン・レディーリアス演じる少年がジュダイを好きで、ジェストニとできたと勘違いし、ケンカを売るとき、徳利甕を腕にかかえて酔っぱらうかっこうが、あんたは丹下左膳か、とあきれを招く。ジェストニがアトンに射撃を教え、以後、ずっとジェストニの片腕的にアトンが敵を何名もやっつける大活躍ながら、まだ子どもじゃないの、と笑いすら起きる。レーモンドがペルラの家の小屋へ火を放ち、ジェストニが給水塔を車でこわして消火くらいしかパッとしたアクションの見せ場がなく、小品だからしょうがないかもしれない。
　もっともシャーメインが、セクシーな見せ場をつくるのが嬉しい点。家族とともに留置され、ディックをおだてて逃げる挑発はイマイチなものの、ジャングルに入り、罠にかかるシーンがやってくれる。木に逆さ吊りでワンピースがまくれ、パンティーが完全に露出状態。しかも、けっこうハイレグだから、陰毛がハミでてるんじゃないかとドキドキを呼ぶ。滝のある池で水浴びへと続き、白い下着が濡れて貼りつき、乳首がくっきりスケスケに。ああ、もーう、吸いつきたい誘惑。撃たれたジェストニを体であたためて看病でトップレスになるも、オッパイが隠れるアングルなのが残念だった。
　とにかくシャーメインの魅力で、映画にワン・ポイントのアクセントが加わったようだ。
　まあ、デンショ・パディーリア演じるアトンの父が「ヴェトナムのヴェテランだ」といってレイテ戦とゴッチャのいい加減さや、アトンに「アイ・シャル・リターン」といきがる台詞があるコメディー部分も冴えず、しょーもないレヴェルにとどまる。脚本のフミルデ・“ミーク”・ロハス、監督のアウグスト・サルヴァドル、ともに力の発揮が中途半端な感じ。