ＤＩＳＫＡＲＴＥ
(うまいアイディア)
　
02年：マヴェリック・フィルムズ
監督：エドガルド・“ボーイ”・ヴィナラオ
主演：ルディー・フェルナンデス
　　 　アラ・ミナ
　　 　カレン・モンテリバノ
　 　　ティルソ・クルース・３世
　　 　エミリオ・ガルシア
　　 　ジュニー・ガンボア
　　 　ロイ・アルヴァレス
　　 　ジョン・アルシーリア
　　　 ヴィクトリア
　本当に待ちに待ったアラ・ミナの新作。『ＬＡＲＯ　ＳＡ　ＢＡＧＡ』以来だから、１年半以上のブランクがあいたことになる。
　久しぶりのアラに、まずキッス。
　ルディー・フェルナンデスが主演で、この口ヒゲのアクション・スターがどうもスケベ面にしかみえず、個人的にあまり好きではないのだが、まあいいか。撃たれて体から弾丸を取りだす手術をうけるルディーの回想ではじまり、仲間の紹介カットのあと、ガールフレンド役のアラのアップが入る。ショー・ダンサーの設定で、いきなりスケスケのヴェールをかけた光沢ビキニで登場。ロケ先がＬＥＸＵＳだけに、たぶん本物のダンサーたちに囲まれ、ワンワンのポーズをとるなど悩殺もののステージをみせる。
　もう、アラったら、始まってすぐにイカせてくれるんだから。
　踊りが終わって楽屋へ戻ると、ヴェールをはずしたビキニ姿にまた視線釘づけ。仲間たちと飲んでいたルディーが現われてラヴ・シーンに発展で、パンティーをはぎとられる。肝心のパーツの露出はないものの、ほとんど鼻血がでそう。
　ステージではアラの妹役のカレン・モンテリバノのダンスにかわり、トップレスにＴバック一枚。みごとな巨乳に圧倒されると、オッパイ丸だしのまま楽屋へ向かう。容貌的にはアラより落ちるながら、そこそこ美人だし、カレンのサーヴィス・ヌードも大歓迎。楽屋ではアラと口ゲンカをはじめ、ビキニのアラと、オッパイをベロンのカレンによだれがたれまくる。
　そのあとアラは部屋へ帰ってルディーとベッド・イン。得意の騎乗位のセックスで、誰が何といおうと個人的には世界一の美乳だと確信のオッパイを露わに。
　ウワー、どうしよう。
　『ＬＡＲＯ　ＳＡ　ＢＡＧＡ』のあとにもう脱がないと宣言をだしたのに、これだからアラ大好き。確か選挙へ立候補の父親のためにヌードを断ったと思ったが、落選だったんだし、これからはまた脱いでくださいね。期待してます。お願いします。
　チュッ、チュッ。
　まあそれにしても、カレンもこれでもかオッパイの披露をくれる。エミリオ・ガルシア演じるルディーの仲間のガールフレンド役で、ルディーたちはロイ・アルヴァレスがボスを演じるシンジケートがシャブを取り引きの現場で現金を奪おうとの計画を立て、その情報を聞きだすためにロイへ接近。首から携帯電話をさげてベッドで抱かれながら、ロイの会話をエミリオに送る設定で、胸のところに揺れる携帯電話とともに乳房も大写し。
　いやあ、ド迫力のオッパイだなあ。
　このあとエミリオとの二回のセックス・シーンでも惜しげなく胸全開に、カレンへ拍手を送る。
　キビキビ切れのよい描写で現金を奪うシーンがまずまずで、ルディーたちが祝杯をあげているときに、実は裏切っていたエミリオたちに撃たれて冒頭のシーンへと返るあたりのテンポがよい。エドガルド・“ボーイ”・ヴィナラオ監督のうまさを感じる。
　でもあとの展開に進み、フミルデ・“ミーク”・ロハスなどによる脚本はけっこうひねりをきかせたストーリーなのに、あまり感心できない点が目立ってくるのが残念。
　ジュニー・ガンボア演じる男にルディーは助けられ、アラを隠れ家へと連れてくる。このジュニーがモーツァルトの『魔笛』における夜の女王のアリアをかけ、指揮のマネをしながら聞き入るあたりは、個人的に同じ趣味だけに、フィリピンにもこんな人物がいるんだなとわかって笑いが起きる。そのアリアに乗ってアラがルディーとセックスのシーンがまた絶賛もの（大げさ）で、このあたりはまだ合格点。
　ルディーがエリミオなど裏切り者をあっさり殺すのは、ちょっと安易かなとの印象に。なお、もう一人の裏切り者をやっつけるシーンはライヴ・ハウスのレストランが舞台で、ヴィクトリアが歌手役でゲスト出演する。
　エミリオの背後にはティルソ・クルース・３世演じる警察大佐の存在があったのだが、ジョン・アルシーリアとアーチー・アダモス演じる二人組の刑事にルディーがつかまり、ティルソをおびきだそうと説得で、いったん釈放させるあたりのひねりが面白いにもかかわらず、エテル・ヴィリアヴィライ演じるティルソの幼い娘をルディーが誘拐におよぶや、近くに少女がとのせまい空間でルビーがプカプカとタバコを吸うのは、心底げっそり。こんな人物には共感できないので、勝手にせーと気持ちが離れる。
　二人組の刑事が、娘を助けたい一心でシャブを運んできたティルソを逮捕となり、この誘拐劇と同時進行でロイがカレンを処分のエピソードが繰り広げられ、あのオッパイのところにブラブラの携帯電話が手段だったとロイが気がつくのが唐突で、もう少しきっかけがほしいところ。
　カレンの死体確認に現われたアラがロイたちにつかまり、ルディーに脅迫電話を入れると「そんな女は好きにしろ」といわれ、アラが激怒のシチュエーションは面白いが、隠れ家をアラがバラして何の疑問もなくロイたちが襲撃し、それをちゃんと予想範囲内のルディーたちが罠を張っているのは相当にありきたり。
　再び夜の女王のアリアが流れてロイたちがやられるのはニヤニナな表現なものの、簡単に全滅はご都合主義とあきれる。
　アイディアを十分に生かしきれずじまい、とまったくもって惜しい。
　でも協力者になった二人組の刑事にルディーが分け前を送るエピローグはシャレっけがあるし、アラが「もし私が殺されたらどうしたの」と聞いて「そのときは、そのときさ」と返したので、また激怒の皮肉もまずまずで、そこそこパンチのきいた作品といえよう。
　とにかく待望のアラだけに、アラさえいれば、何でもいいんだが…
　ラストでリゾートへきて、くつろぐアラは、黒いビキニでこれでもかのダメ押し的な魅了をくれる。ボトムにパレオを巻くのがちょっと不満ながら、やっぱりキュートだなあとうっとり。
　ああ、アラいいよ。
　愛してるよーっ。
　アラー！！！