ＤＥＳＰＥＲＡＤＡＳ　２
（投げやりな女たち　第二部）
　
08年：リーガル・エンターテインメント／リーガル・マルティメディア
監督：ジョエル・Ｃ・ラマンガン
主演：ルッファ・グチェレス
　　　 ルーファ・メエ・キント
　　　 イサ・カルサド
　　　 マリアン・リヴェラ
　　　 オギー・アルカシド
　　　 ウェンデル・ラモス
　　　 クリスチャン・ヴァスケス
　　　 ジェー・Ｒ
　　　 ＴＪ・トリニダッド
　　 　ウィル・デヴォーン
　　 　ノヴァ・ヴィリア
　　 　カルロ・ゲヴァラ
　　 　ニーニャ・ホセ
　ルッファ・グチェレス、ルーファ・メエ・キント、イサ・カルサド、マリアン・リヴェラが演じる異父姉妹による喜劇『ＤＥＳＰＥＲＡＤＡＳ』の続編で、前作と同じくロイ・イグレシアスの脚本に、ジョエル・ラマンガンの監督。さらに今回はオギー・アルカシドが演じるもうひとりの異父姉妹が加わる。女性の役とのトンチンカンな配役において、とにかくオギーが芸達者なコメディアンぶりを発揮し、一段と内容をパワー・アップ。この手のくだらない題材をオバカに撮らせたらジョエル・ラマンガンは本当にうまく、こころざしの低い娯楽作の大好きなものにとってはたっぷりと楽しめる。
　一年後の設定で四姉妹は同じエリアに住み、セックス・カウンセラーのパトリシア（ルーファ・メエ・キント）は大ガネ持ちの国会議員のフェリー（クリスチャン・ヴァスケス）と知り合い、八百万ペソの宝石を贈られて舞いあがり、ハシャいで交際を始める。弁護士のステファニー（イサ・カルサド）は医者の夫のリチャード（ＴＪ・トリニダッド）が看護婦のシタ（ニーニャ・ホセ）と浮気中と感じ、自ら嫉妬で調査に乗りだす。化粧品のブランドを立ちあげたイサベラ（ルッファ・グチェレス）は、そのセールス活動に夢中。ファッション・デザイナーのコートニー（マリアン・リヴェラ）はバスケットボール選手のパトリック（ウィル・デヴォーン）と結婚も、子どもをのぞむパトリックに対して仕事が優先で意見が合わず、疲れてセックスを拒むため、パトリックの不満が高まっていく。
　まずは母のマーゴット（ノヴァ・ヴィリア）が若い愛人のノエル（ロバート・ウッズ）とアメリカ合衆国へでかけるとのパーティーで倒れ、「妊娠かな」「まさか」でリチャードの病院へ入院。看護婦のシタがリチャードに親しく挨拶をかけ、ステファニーがムッとする。母の回復を祈る教会でパトリシアが偶然にフェリーを殴ってしまい、出会いの場を得る。ステファニーが幼い娘（ジャネット・マヌエル）の子守りをコートニーに無理やり頼み、コートニーが怒る、なんてきっかけを提示。
　ステファニーの騒動はシタを軽く脅しに始まり、リチャードの秘書（アシル・モレラ）に早退を聞いて不倫を勝手に確信なら、イサベラが起こした交通事故の犠牲者をみるためにリチャードがシタをつれてきたのにキレてクン・フーで蹴りかかると、警官（ディド・デラ・パス）を呼べば、ピストルを奪ってのドタバタをくり広げる。
　パトリシアの騒動はフェリーのヘリコプターに乗り、マニラの高層ビルの「あれはボクの」「あれもボクの」と富豪を強調にあやしさ丸だしながら、すっかり信用。フェリーからカバンを預かるあたりでヘンだぞとにおわせる。
　またパトリシアが息子のピーター（ポール・ヴィンセント・マグボホス）の世話係に雇うメイドのグウェニス（セシル・マグカミット）をステファニーが引き抜き、パトリシアとステファニーが反目。
　イサベラの騒動は相変わらず人気歌手のヴィート（ジェー・Ｒ）にプロポーズをうけつつ、保留状態を続けるも、ヴィートがＰＲで全裸にギターでチンポのまわりを隠す写真撮影で女性雑誌編集者（メリー・アン・ピネダ）にくってかかり、娘のアレクシス（ソフィア・マリー・バアルス）の小学校へヴィートがきて生徒にモテモテなうえ、恋人のごとき女性がいるのにむかつく。しかもアレクシスと車を運転中に口論で若い男をひく。リチャードが病院へ連れていく前に警察へ連絡しようといったから、こわくなって自宅へかつぎこむ。
　コートニーの騒動はデーヴの子づくりのセックスを嫌がりすぎたため、デーヴが別れを視野に悩み始め、しかもたまたま知り合ったノルマン（アレックス・カストロ）に口説かれ、ストーカーに近くつきまとわれる。
　アフリカのどこからしい架空の国の王族との設定でルガルダ・ルグルー（オギー・アルカシド）の登場は本作のハイライトになり、いかにもありそうなアフリカっぽい国旗やアフリカっぽい衣装のおつきがアフリカっぽいリズムの音楽で踊れば、通訳の女性（ジョイ・ヴィアド）もマヌケに踊る。ルガルダが流暢に意味なしのろれつをベロベロとまわす言語を話すのが、オギーの多才なうまさ。長いフレーズを通訳がワン・センテンスにしか訳さず、しかも「タガログ語が堪能です」にルガルダが、それまでは何だったの的にタガログ語の台詞をしゃべりだして、人を食ったギャグをつくる。
　一方、パトリシアの夫のデーヴは、まだ同性愛をカミング・アウトできず、若いポール（ジョン・イグナシオ）と部屋でイチャつくのを息子のピーターに気づかれそうで、オロオロとごまかす。スパの経営を計画でマッサージを実践にパトリックを寝かせ、微妙な雰囲気にパトリックがバスタオルを巻いてチンポのあたりを押さえながら逃げる。資金の五十万ペソをコートニーに頼み、パトリシアにもフェリーにお願いとねだる。
　とにかくジョエル・ラマンガンなのでオカマのネタが多く、イサベラがひいたセザール（カルロ・ゲヴァラ）にルガルダがホレてパンツ一丁に脱がせ、妙なまじないで治療や、ビーチで海パンのセザールと抱き合って転がる幻想は、ルガルダが女性でも、演じるオギーが男性だけに気持ち悪い。デーヴがヴィートとパトリックをスパに招き、ジャグジーに入るのにヴィートとパトリックが腰のバスタオルをほどき、デーヴがドキドキで性欲を抑える。
　男女のエッチなネタもたっぷりで、著書の内容が問題になってパトリシアが公聴会に呼ばれ、女性議員（ロリエ・マラ）の「リサーチはしたのか」「モデルは誰か」「フェリー議員と知り合いなのか」のつっこみにパトリシアが答えをチンポの大きさのごとき暗示で煙に巻き、委員長の男性議員（メンゲー・コバルビアス）と、もうひとりの男性議員（デニス・マラシガン）がクスクスと笑う。年甲斐もなく子守りのグウェニスまでが若い男（アルドリッチ・グレン）をつれこみ、パンツ一丁に脱がせる。イサベラ宅のメイド（ネルダ・アキノ）もセザールに「ハンサムね」とときめく。
　結局はステファニーがコートニーと涙をぬぐったティッシュを散乱で泣いたあとに「死んでやる」と二階のベランダへでて飛びおりそうなのにリチャードが必死で説得し、イサベラとコートニーが心配のとなりでルガルダがユーモラスに踊り、ちょうど雨が降ってきたのでステファニーが濡れちゃうと部屋に戻る。フェリーがカレンダーを作成の話に対してパトリシアが「いいアイディアがある」と自分たち五人の姉妹をモデルに推薦し、その完成の発表パーティーでヴィートが歌い、コートニーの家をでていったパトリックがゲストにきて、会場でパトリシアへ使いの女（ミラベト・クリストバル）が無理にわたそうともめたバッグの中身が札束でフェリーの正体が発覚。フェリーをパトリシアがはがいじめのスラプスティックでパトリシアが体調をこわし、デーヴが看病の病室でＴＶの女性キャスター（ケイ・エスゲラ）がフェリーのニセ宝石犯罪疑惑を伝える。担当の医者（パオロ・アヴェリーノ）が若いハンサムな男性で、デーヴの心臓が高なる。実は強盗だったノルマンがコートニーを襲い、意外にもヘンテコな武術にたけたルガルダが撃退。やっとヴィートのプロポーズをうけようと決めたイサベラが突然に逮捕され、販売の化粧品で肌に異常が生じた犠牲者たちが女性警官（ベット・コロネル）の静止も聞かずにイサベラへ苦情でつめより、ルガルダが和解金を払ってくれる、とのハッピー・エンドのストーリー。
　ちなみにレルマ・アルメダ、ラクエル・ベルナルド、ケイ・ラモスなどが演じるイサベラへの苦情者は、ひとりがウェン・フェルナンデス、ラヌバイ・ラモス、マリエル・ユソンなどが演じていたヴィートのファンと同じで、ひとりがカレンダーの発表会場へバッグをもってくる女性と同じになる。
　最後はマーゴットの誕生日のパーティーに女装のデーヴがパトリシアを担当の若い医師をエスコートで現われ、ついにカミング・アウト。ルガルダがセザールと結婚を表明にアフリカふうの親族が駆けつけ、またもアフリカっぽいリズムのダンス。これにヴィートのバラード調のラヴ・ソングがかさなり、まったく異なるリズムとメロディー、インストゥルメンタルと歌声が溶けこまないままのハーモニーで響き、驚くほどに心地よい。まさに弁証法的なカルチャーのかけ合わせと評せる画面の絵づくりの美的センスと音楽センスには美辞麗句で表現できない納得の賛辞が起きて、ジョエル・ラマンガンにあらためて才能の卓越さを感じとる。
　ぶさいくな医者（ルー・ヴェロソ）をアレクシスが「ハンサム」とおだてる古典的なギャグがあれば、パトリシアがフェリーとプール・サイドで食事でヴァイオリニストが生演奏に上流趣味がうかがえ、パトリシアのサイン会がナショナル・ブック・ストアーだったり、ルガルタを案内で高級ブランド店でショッピングと、マニラの生活スタイルを盛りこむ。ピーターがサッカー・ボールをもっているのは、サッカー人気の低いフィリピンでも、ちょっと浸透を思わせる。ルガルダのおつきのものたちがふざけきれていないあたりは、いささかマイナスかな。
　もちろん女優陣の魅力が全編に満ちて、ルーファ・メエ・キントが豊満手術のバストを武器に、とくに弾けまくる。デーヴとレストランで食事の際の肩ひもなしドレス、フェリーとヘリコプターに乗るときのミニスカのワンピース、子守りのことでステファニーとケンカのときのバストがこぼれそうなうえ、お腹の部分がスケスケで、布を巻きつけた感じのミニスカのワンピース、マーゴットに会うときの胸元が大胆に開いたワンピース、ショッピングでのヒップにぴったりのロング・パンツとバストを強調のシャツ、家でウォーキング・マシーンによるエクササイズでの揺れるバストとプルプルのお尻のジャージー、カレンダーを撮影のときのバストの目だつ赤い衣装、マーゴットの誕生日のパーティーでのバストが豊かな紫のドレス、とオッパイで悩殺を誘う。中でも出色はフェリーとＳＭごっこのホテルで両腕を左右の上に縛られて動けなくなり、フェリーに国会の議長から電話の間、なんとかはずそうともだえるコミカルなシーンでの黒いメイドふうのビキニ下着で、ネコのマネは趣味に合わなくてシラけるも、こぼれる寸前のオッパイと形のよいヒップのラインが視線を奪う。ただしフェリーとセックスはベッドの中でじっとしているのみ。カレンダーの発表会場でバストのポロリがあぶないミニスカでは、フェリーへキックでパンティーがチラちく。
　ルッファ・グチェレスはマーゴットのパーティーでのブラウンのミニスカ、ヴィートの写真撮影でもめるときの黄色いドレス、化粧品の説明会でのバストの露出が大きなロング・ドレス、ショッピングでの紫の肩ひもなしワンピース、カレンダーを撮影のときのバストを意識におくオレンジの衣装、マリアン・リヴェラはパンツ一丁のパトリックがセックスを迫るベッドでのシルクのスリップ、マーゴットに会うときのバストにスリットの入ったワンピース、デザインのプレゼンでのバストの谷間が際だつヒョウ柄のワンピース、カレンダーを撮影のときのバストがチャーミングな銀の衣装、カレンダーの発表会場と、その帰りにノルマンに襲われるときのバストがキュートで、ややパンティーがスケてみえる薄い紫のワンピースと色気をただよわせ、イサ・カルサドは控え目な衣装ばかりだが、出産後の設定で、母乳のこぼれ防止にブラへパットを挿入がそそり、リチャードにクン・フーで蹴りかかるときの黒いジーンズが下半身に貼りつく。
　イサベラが化粧品のサンプルをわたすプール・サイドでは四人がワンピース水着で座り、パトリシア以外はボトムがスカート型だけど、ルガルダが愉快に泳ぐプールでフェリーのヘリコプターが空から紙吹雪をまくときにパトリシアとコートニーとイサベラがいて、マリアン・リヴェラの側面が開いた黒いプレイ・スーツふうのワンピース水着が好みのタイプなので興奮ながら、ボトムにパレオがジャマだし、ルッファ・グチェレスは水着じゃないも、ルーファ・メエ・キントの黄色いセパレーツの水着が鼻息を荒くする。マリアン・リヴェラがビーチで紫のワンピース水着の上にロングの薄いガウンをはおるのは惜しいし、残念になる。カレンダーの写真にはパトリシアとコートニーの水着が含まれ、その撮影模様がほしかったところ。
　もっとも人気女優の四人もだが、個人的な意見だとニーニャ・ホセのかわいさが圧巻で、驚くほどに美人だなあとうっとり。雑誌に載せたセクシー・ビキニをながめなおし、刺激の頂点に達する。