ＤＥＡＤＬＹ　ＲＯＳＥＳ
　
89年：パラル・フィルムズ
監督：ラウロ・サンチャゴ
主演：クリスティナ・クリソル
　　　 モーリン・マウリショ
　　　 タニア・トーレ
　　　 シャーリー・テソロ
　　　 トール・パドル
　　　 ビン・ダヴァオ
　　　 ロメオ・リヴェラ
　　　 カルメン・ロンダ
　　　 リト・ジョニショ
　　　 ダニエル・ガルシア
　　　 リッキー・ニコラス
　　　 ボーイ・サンタマリア
　　　 ヴォン・アレナス
　女性のティームによるアクション作で、ＴＶの『チャーリーズ・エンジェル』あたりの延長にあると思われる。
　レア（クリスティナ・クリソル）、オリヴィア（シャーリー・テソロ）、スーシー（モーリン・マウリショ）、エルヴィー（タニア・トーレ）は空手の名手らしく、技の披露ショットを冒頭におく。それにフィリピン・キックボクシング・七回チャンピオンのトール・パドルがトレーナー役で共演し、棒術を含む道場や屋外での訓練風景、個人のテクニックをたっぷりとみせる。
　だから何なの、みたいな感じになり、はっきりいってつまらない。
　前半はケンカを売られて四人の女性が撃退や、ディスコでシンジケートのジュリアス（ヴォン・アレナス）にスーシーが近づき、取り引き現場を四人が警察と一緒に襲撃などが描かれ、ダラダラと長い印象を与える。チーフ警官のジェーク（ロメオ・リヴェラ）の妻だった、元ファッション・モデルのヴェルナ（カルメン・ロンダ）がリーダーになって誘拐事件を起こし、部下のビン（ビン・ダヴァオ）にジェークが解決を命じる。トールのトレーニングのもと、四人が救出に向かって本筋に入る。
　ビンがつかまって沼につながれる拷問をうけるのは『ランボー』の影響がうかがえる。忍者のごとき覆面をつけて四人とトールが体操競技のように飛び跳ねながら動くアクロバット的なアクションはＢ級なりにキビキビとみせるが、しょせんパターンにおさまるストーリー。ジェークがヴェルナを射殺で感傷的に終る。
　途中でガイドのサージ（トニー・ロハス）から重装備を提供され、武器ファンの目を楽しませるシーンを入れる。トールがやられ、瞬間に十字をきって弔うのはカトリック国らしい。
　不満の最大のポイントは四人のセクシーさが少ないことに尽きる。トレーニングでレオタード姿を披露や、川で生脚を洗っていると野郎どもに襲われるときに短パン姿をおがませるくらいで、セミ・ヌードすらでてこない。おそらくアキノ政権による規制強化のせいと想像され、思えばフィリピン映画はアキノ政権の時代がもっとも低レヴェルだったといえる。四人の中では黒いタイツっぽい衣装をはいた際にプロポーションがバツグンのタニア・トーレと顔が好みのモーリン・マウリショに萌える。
　カルメン・ロニダは西欧風の熟女で、そそる衣装がほしかったところ。人質役のジャネット・プライスは白人なのでタイプをはずれる。