ＤＥＡＤＬＹ　ＢＲＯＴＨＥＲＳ
　
　年：Ｃ．Ｇ．フィルムズ
監督：ジュン・ガリアールド
主演：ルディー・フェルナンデス
　　　 フィリップ・サルヴァドル
　　　 チェリー・ヒル
　　　 レス・コルテス
　　　 パキト・ディアス
　　　 ロメオ・リヴェラ
　　　 アマイ・ビサヤ
　ルディー・フェルナンデスとフィリップ・サルヴァドルの共演だが、二人のフィルモグラフィーに記載のないマイナー作。
　ロメオ・リヴェラ演じる男のもとへ刺客がやってきて、幼い子どもたちの前でルシタ・ソリアノ演じる妻が殺される。二十年ほどのときが流れ、フィリップとルディーが演じる兄弟が片田舎で農業を営みながら、父のロメオと一緒に暮している。本当は都会の学校でエレクトロニクスを勉強したいのに、かなわぬ夢とあきらめ半分にある。一方、売春を強要されるチェリー・ヒル演じる女性が登場。レス・コルテス演じる顔役の息子の囲いものになると、レスを刺して逃げる。たまたま行き倒れのチェリーをフィリップとルディーが助け、家に連れ帰る。軽傷ですんだレスがチェリーを探し、取り返しに現われるストーリー。これにパキト・ディアス演じるダイナマイト・フィッシングをおこなう悪徳の顔役がいて、その一味がロメオを殺害。実はフィリップとルディーが兄弟ではなく、フィリップがパキトの強姦によってルシタが生んだ子で、ルディーの母は別にいた事実が明らかになるエピソードがからむ。
　フィリップとルディーが朴訥なイイ奴で単細胞なケンカっ早さをもつも、チェリーにはもじもじの純情ぶり。そんなキャラクターがしっくりとはまる。貴重な現金で靴を一足だけ買い、バレンタインのダンス・パーティーのため、男同士、家で練習する。本番では靴を交換し合って交互にパートナーに声をかけ、結局は失礼な男を殴って乱闘騒ぎのパターンがほほえましい。当然ながら二人ともチェリーにほれ、ボートで街までいってチェリーのための服や下着を仕入れると、どっちがわたすかでもめる。ルディーの口説きにチェリーが応じ、ついキスをかわす。フィリップとルディーが対立し始めるが、チェリーをつかまえたレスの一党を共同でやっつける。ロメオから聞いた兄弟の秘密をチェリーが話し、フィリップが飛びだす。パキトのグループとの対決でルディーを狙ったパキトを、駆けつけたフィリップが撃ち殺すクライマックスを迎える。
　パキトが洞窟に隠すダイナマイトをルディーがみつけ、これで敵を撃退の展開はハワード・ホークスの『リオ・ブラボー』を連想だが、あれほどの痛快感にはほど遠い。しょせんは小品なので、ぼちぼちの印象にとどまる。ジュン・ガリアールドの演出に注目点はほとんどうかがえない。レスたちとの銃撃戦を目撃の村民が警察を呼んできて、フィリップとルディーがこれをふりきり、今度は警察が軍隊を連れてきた流れに結末をおかないのは、どことなく中途半端な終わりかたに、現存プリントからラストが欠落なのかもしれない。
　まあ、チェリーが薪で炊飯するなど、辺境の生活に興味がわくうえ、女性一人のために命をかけるバカ男たちの気持ちがよく理解できるのが長所。それには山中貞雄の『河内山宗俊』における原節子や、リチャード・フライッシャーの『ヴァイキング』におけるジャネット・リーのようなヒロインが必要なのはいうまでもないが、個人的にチェリーは彼女たちなど比較にならないほど素敵だと断言できる。レスにシャツのボタンをほどかれ、下着になるかでぞくぞくとそそったあと、ビーチでレスの愛撫をうけてブラの胸元が刺激光線を放ってくる。ショート・パンツに手がかかり、脱がされたらどうしようとドキドキする。ルディーとフィリップが欲情をもよおすとなりの寝室でハミケツぎみにショート・パンツが食いこんだお尻がセクシーを通りこし、もしその場に自分がいたならビンビン確実。レスの手下たちにおいつめられ、マングローブの近くに広がるぬかるみはまってスカートが泥で貼りつくのが興奮を誘う。滝の池でハダカになって水浴びは肝心の部分がみえないながら、レスにボートへら致されたときにルディーとフィリップがボートを転覆させ、岸へあがるチェリーは四つんばいでお尻の突きだしポーズをとる。スカートからはショート・パンツごしのヒップ・ラインが割れかたくっきりで、思わずさわりたくなる。まさにチェリーあっての映画。
　パキトをマッサージする短パンの女性も、ちょっと気になる容貌だった。