ＤＡＭＰＩ
（軽く触れる）
　
10年：（レオ・フィルム）
監督：ニコ・ハシント
主演：カルロス・モラレス
　　　 カービー・デ・ヘスス
　　 　ジェイシー・パーカー
　　　 ザラ・ロペス
　　　 シモン・イバラ
　　　 アレック・ロマノ
　　　 クリステル・フルガー
　　　 カール・バラメダ
　　　 マテット・デ・レオン
　六十分のディジタル作で、まさに駄作の見本か。
　ウソの奇跡を仕組んでカネをとる詐欺師のロバート（カルロス・モラレス）と、そのホモの恋人である盲目をよそおう若者（カービー・デ・ヘスス）が山の中の田舎町へやってくる。そこには母が亡くなった少年のテリオ（アレック・ロマノ）が暴力的な父（シモン・イバラ）と暮らす。テリオの父は女好きでバーのホステスのベレン（ザラ・ロペス）にホレるも、飲み代のツケなど、金ケツで相手にされない。テリオは同性愛の盛りあがりを抑えきれずに育つ。また聖母マリア（マテット・デ・レオン）の幻覚をしばしば目撃し、近所に住む少女のリナ（クリステル・フルガー）がウワサを広めまくる。ロバートの恋人とテリオが知りあってウマがあい、ロバートがテリオのマリア像の話をうまく利用しようとたくらみ、恋人の目が治った奇跡をしくむ。ご利益にあずかろうと集まった民衆から寄付をまきあげ、ベレンをたきつけて、共犯に巻きこんだテリオの父を毒殺させる。でも良心の呵責が起きた恋人が逃げたため、今度はテリオをパートナーに引きいれる。
　宗教ネタと同性愛ネタをまぜた内容は脚本のクレジットがないため、誰の構成か不明ながら、おそらく監督のニコ・ハシントとスタッフの合作だろう。ちなみに制作プロダクションのクレジットもないが、協力にレオ・フィルムの名が読める。
　とにかくマリア像が血の涙を流すなどの宗教性はフィリピン映画の定番の題材とはいえ、バカバカしさの範ちゅうなうえに、同性愛の描写は気持ち悪さのみが残る。テリオがのぞく近所の若者の水浴びや、ハゲの中年男にカネでしゃぶらせる若者の白昼の青姦でチンポが丸みえだし、お尻のリアルな愛撫にゲーッ。ロバートのブリーフ一枚とか、セピアの映像によるホモの恋人の回想にも嫌悪感をおぼえる。
　本来はジェイシー・パーカーとザラ・ロペスの出演にヌードを期待が目的だったが、ジェイシーはテリオの夢にでる母親役で、セクシーさのかけらすらなく、一応はザラがテリオの父と愛撫、ロバートと愛撫で乳首をアップで露出も、ニコ・ハシントの演出がスケベな視点に遠くて興奮度をさげる。
　いやはやロミー・ヴィトゥグの撮影でとらえた山岳風景が興味を呼ぶ程度。
　まあ、ロバートがリナを殺害のシーンは、グロテスクな残酷さを含まないぶんだけ、かえって非人間性が伝わる迫力を生んだかな。