ＤＡＭＡ　ＤＥ　ＮＯＣＨＥ
（夜の侍女）
　
98年：ネオ・フィルムズ／ティクバラン・プロダクション
監督：ロール・レイエス
主演：イネス・ヴェネラション
　　　 ジャクリン・ホセ
　　　 マーク・ヒル
　　　 アニータ・リンダ
　　　 ジュネル・ヘルナンド
　　　 リチャード・メルク
　ロール・レイエス監督、ペケ・ガリアーガ製作によるトラウマにもとづいた人妻の異常性愛を描くソフト・ポルノとの解釈でよいのではないか。
　ということは、ちゃんとドラマのあるポルノとして、かなり評価できるように感じる。
　主役の人妻をイネス・ヴェネラションが演じ、南洋風の目が挑発的な容貌に、いつもながらドキドキ。めぐまれた家庭環境、マーク・ヒル演じるやさしい夫など、何不自由のない生活環境ながら、どこか満たされない思いの残る日々を送る。シェリリン・レイエス、メル・キムラ、ミシェル・ルーフォ、マリコル・フォルトゥン（美人）演じる中流階級の奥さまがたのくだらないおつき合いにうんざりの影響もあって、ついアブナイ刺激を求めるわけで、どことなく『昼顔』を連想させる設定。でも女性の二面性を描こうの意図ではなく、幼少時の記憶に原因を探るから、さほど意外性を秘める物語ではない。
　いわゆるリチャード・メルク演じる義父にレイプをうけ、処女を奪われた少女だったとの枠内におさまる。
　ただジャクリン・ホセ演じる母親から教会の孤児院にあずけられ、アニータ・リンダ演じる尼僧に育てられたが、高齢でボケはじめたその尼僧との交流など、精神的な充足感を求める心理を描く点がなかなかよろしい。夜な夜な見知らぬ男に抱かれた事実を夫に告白し、母の住む田舎へと帰って、親子の愛情を取り戻す終わりかたにも素直に納得が起きる。年老いたメイク・アップに変わったジャクリンがさすがに演技的なうまさをみせ、イネスに水浴びをさせる描写など、母と娘という、ホントごく普通の関係を持てなかった二人の過去を修復するかのごときふれ合いがちょっとした感動を誘う。
　イネスから衝撃の告白を受けたマークが、イネスに手をあげるといった、暴力を振るわないあたりも共感。「なぜだ」と自らにも責任を求めて泣くマークのつらさと、そのうえで示す思いやりから、人を愛するとはどういうことか、といった問いかけが感じられるよう。
　ポルノでここまで人間の本質に迫れば、間違いなくトップ・クラス。
　もちろんイネスのヌードは、いつも以上の過激さが嬉しい。最初にピルを飲んでマークとセックスのシーンで、白いビキニ下着からナイス・ボディーをうかがわせ、オッパイをチラッと披露。モーリン・マウリショ演じるメイドが庭でセックスを目撃のシーンになり、ボーイ・サルヴァドル演じる相手の男に全裸で迫られ、気持ち悪いと風呂に入って身体をゴシゴシのショットで、真上からのカメラがバス・タブにつかるイネスの全身をとらえ、オッパイのアップでウハウハをくれる。しかも水に陰毛のあたりが浮かぶから、キャーッ素敵。
　モーリンが脱いでいるのに、オッパイがみえないのはちょっと残念。
　ボディコン衣装に厚化粧という娼婦のかっこうで夜の公園をうろつく展開になって、いよいよ核心の部分へと入る。労働者の男に誘われて建設現場でセックスで、ブラをパラリとはずすとオッパイの誘惑でビンビンを呼んだあと、パンティーを脱いだお尻が画面の八割ほどを占めるアップで迫りり、股の奥から陰毛がちらつき、オマンコのみえる寸前。
　オイオイ、スゴすぎるゾ。
　ほかの労働者たちがながめる中、騎乗位で腰をふる全裸がみごと。
　自宅のベッドで寝転びながらマークの電話を受けるシーンにつながり、ここも全裸で、なんとくねったボディー・ラインなことか。
　そのあと溶接工を相手や、次々と労働者たちをイカせるセックスを繰り返すようすと、マークに抱かれる光景などがカット・バックで描かれ、乳首のアップまでミセミセのオッパイや、女性上位での完璧に近いお尻のカーヴなどをおがませ、もはや性の女神。
　とくに圧倒ものは、複数の労働者たちからついに輪姦のシーンで、無理やり挿入に男どもがアーンとイク部分はマンガっぽくてお笑いだが、ハダカのまま逃げようとするもつかまり、一度に何名もから身体をもてあそばれ、一人が機械油を手につけるとイネスのお尻に塗り、グイッとアヌスにチンポを挿入。痛がるイネスの表情がリアルなうえ、このとき別の男にフェラチオを強要されながらも、オッパイは左右にいるまた別の労働者からもまれっぱなしで、わざとらしい演技の本番ヴィデオなど比較にならないほどの迫力。シモン・イバラ演じるレイプに加わっていない労働者に助けだされるや、全裸で立ち去るイネスのお尻の、アヌスのまわりあたりに油のあとがついているナマっぽさが、予想をはるかに超えた興奮を誘い、思わずけいれんを起こしそう。
　あとにもマークとのセックスで騎乗位のときに下からみた角度のオッパイや、実は嫌なヤツだったシモンとのセックスで仰向けに寝ても形の崩れないオッパイのアップがあり、こんなにもセクシー・アタックの連打攻撃で心臓が麻痺を起こすよ、とまで追いこんでくれるだけでなく、しっかりとどめが用意される。ジュネル・ヘルナンド演じるイネスにずっとあこがれの目を向けていたホームレスの少年の童貞を奪ってあげるシーンで、パンティーを脱ぐときに再び画面の八割を占めるほどのお尻のドアップが登場。画面に対して突きだすように前へかがみ、今にもアヌスがのぞきそう。
　ああ、イネスの全身をなめたいよう。
　マジでソフト・ポルノの頂点と呼びたい。
　余談だが、ララ・ファブレガスが花嫁を演じる冒頭の結婚式のシーンで、レチョン・バカ、つまり牛の一頭丸焼きを食べるようすがでてきて、友人がこのレチョン・バカのビジネスを開いているだけに興味深くなる。一度、牛の買いつけに同行の際、屠殺から調理までを見学したし、よく注文主のパーティーについて行き、中流以上のフィリピン人とふれ合う機会をもらっている。
　もしマニラを訪れたとき、パーティーでレチョン・バカをやってみたいと思う人がいたら、まけるように紹介しますから、よろしく。