ＤＡＬＡＧＩＴＡ
　
　年：ＡＣＤフィルムズ
監督：ジェリー・Ｏ・ティラソナ、セザール・アキノ
主演：カロリン・クエンカ
　　　 オデット・カーン
　　　 ジョイ・スミラン
　　　 チェリー・マドリガル
　　　 ジーノ・アントニオ
　　　 マーク・ヨセフ
　　　 エフレン・ラピッド
　　　 フィリップ・ガンボア
　カロリン・クエンカという女優に対してなんの知識を持たないも、一応、主演作がつくられたことがわかる。またジョイ・シムランとチェリー・マドリガルの共演だけに、セクシーな期待がかかる。
　オデット・カーン演じる女地主がカロリン演じる娘、ジョイ演じる姪と暮らし、屋敷内にアパートをつくっている。マーク・ヨセフ演じる店子のひとりが太った中年のオデットにパンツ一丁で迫り、最初は悪党呼ばわりされたが、胸に手をつっこみ、チンポをさわらせて誘惑に成功。それ以来、カネをたかるようになる。マークはチェリー・マドリガル演じる女性の住人とも肉体関係を結ぶ。アパートにジーノ・アントニオ演じる新顔が入居し、いい男なので女たちが色目をつかうも、ジーノが無視。領地ではフィリップ・ガンボア演じるリーダーを目ざす男がボーイ・ラナイ演じる小作にアメリカ合衆国の民主主義をうさんくさく話すと、ナティー・サンチャゴ演じるサリサリ・ストアーを営むおばさんがあきれる。エフレン・ラピッド演じるナティーの息子がジョイと恋仲で、こっそり逢い引きをかさねる。二人のセックスをのぞきみたカロリンが刺激をうけ、ジーノにアタック。フィリップが小作たちを煽動でエフレンなどが争議を起こそうと考えるも、オデットの迫力に押されて撤収。ダニー・リエル演じる謎の男と会ってから、ピストルに弾をこめ、ジーノがあやしくなる。マークがさらに別の住人ともセックスをチェリーが怒ってケンカに発展し、その様子をオデットがみて手切れを決める。酔ったマークがカロリンを襲い、ジーノが助けた夜、マークがジーノによって撃たれる。カロリンがジーノの部屋へ忍んできて処女をささげた翌朝、「帰ってくる」との置き手紙を残してジーノがいなくなる。外で群集が騒ぐので、なにごとかとカロリンがわけ入ってみれば、ジーノの死体が転がっている。誰にもいえず、こっそりとカロリンが涙を流す。
　ようはちょっとホロ苦い初体験劇をなし、申し訳程度に労働闘争を盛りこみ、殺人までカラめるあたりがフィリピンっぽい。そのせいでかえって低レヴェルな印象を与えるのがジェリー・Ｏ・ティラソナとセザール・アキノの計算違いであり、エルウィン・Ｔ・ラナドの脚本のせいでもあるだろう。ジーノの目的をミステリーに生かすなど、もっと工夫がほしかったところ。マークみたいなダメ男の存在は、なるほどなんて感じだが…　チェリーがカロリンに田舎の貧乏暮らしを教えるシーンの中で、女たちが川で洗濯の光景はいつもながらに興味を引く。
　女優陣のセクシーさでは、最初にジョイがイモのごとき顔だちで驚くも、すぐにジーンズに変わって洗練される。エフレンといちゃつくとき、下着までの露出に不満を残す。二回目、三回目も短パンを脱がずじまい。チェリーはマークとのセックスでシーツをボディーに巻いたままなうえ、ＢＧＭが『愛と青春の旅立ち』なのでシラける。マークと他の女のセックスに抗議の際、レオタードのようなピタピタのパンツに下半身のラインをうかがわせるのが視線を奪うものの、こちらも興奮に足らない。ケンカ相手の女がチェリーにバス・タオルをとられてパンティー一枚でトップレスを披露は、オッパイ丸みえでも容貌イマイチでなえる。オデットがスリップの肩ひもを落とすのは余計。それで肝心のカロリンはどうかだが、プール・サイドに座って脚をつけているポーズで水着じゃないし、着がえで下着になる部分をカットといったもったいぶりに不安がよぎるうち、ジョイとエフレンの接吻をみてほてった身体をさますシャワーがやってくれる。服の上から浴び始め、パンティー一枚、素っ裸と肌をさらしていく。オッパイもお尻もモロで、ムズムズとそそりまくる。ジーノとのセックスで『虹の彼方に』をＢＧＭに花のつぼみや、咲いたショットの挿入によって喪失を暗示の表現はヌードのごまかしが気に入らないながら、とにかくシャワーがいける。
　クエンカの全裸に魅せられて、他の出演作を調べたくなる。