85年：アテナ・プロダクション
監督：メル・チョングロ
主演：マーク・ヒル
イルマ・アレグレ
リズ・アリンドガン
セルダ・ソレル
ベッキー・ミサ
タニ・シンコ
娼館を舞台にとる愛憎劇で、いささか単純ながら、とりあえずはみせる。
血だらけの男が救出されるシーンのあと、娼婦たちをみて少年どもがオナニーにふけるところから始まる。ブランコに乗る少女や、墓に花をそなえるイサベル（イルマ・アレグレ）の姿を挿入で、これは伏線。
娼婦たちはシタ（リズ・アリンドガン）、ロシー（セルダ・ソレル）、アメリア（ベッキー・ミサ）が共同で暮らし、娼館の用心棒のジュリウス（タニ・シンコ）が傷ついた友人のアル（マーク・ヒル）を連れてくる。このアルが冒頭の血だらけの男。
シタとアルはセックスし、ロシーとアメリアもシタと一緒にアルを風呂に入れて、気のある感じを示す。ロシーが妊娠したというと、つき合っていたジュリウスが責め、しだいにロシーが精神に異常をきたす。シタにはまだ若いテディー（アリエル・モテル）がつきまとう。バーのウェイトレスだったイサベルが娼館へきて、シタたちと一緒に住むことになる。イサベルには過去の斬殺の記憶が焼きついている。もう一人の用心棒のセザール（ロベルト・タラビス）がイサベルのもとへ押し入り、無理やり迫る。すぐにイサベルとシタが、アルをめぐってもめ始める。との展開で、いったん離れていたアメリアが娘のジュリー（リオ・リム）を連れ帰り、サスペンスが生まれる。ロリコンなのか、幼いのに背伸びで色気を放つジュリーをアルが狙い、その様子からイサベルが妹のベリンダの斬殺犯が誰かを悟る。いったんナイフでアルを刺しにいくも果たせず、いよいよアルがジュリーを襲ったとき…
でアルを殺したのは誰かが焦点ではなく、男女間のよじれた心理にドラマの中心をおく。
ラクエル・ヴィリアヴィセンショの脚本がストレートな内容に愛欲の怖さを秘めながら、メル・チョングロの演出が女たちの対立を前面に押しだす。男の身勝手さにふれつつも、チンポが勃起すれば理性を失うバカさ加減を実感にまでいたらず、いささか表面的に終わったようだ。でもイサベルの脳裏にフラッシュ・バックの殺人事件の再現など、映像表現の定石を踏んでいる点を評価したい。
女たちの中で一番の美人はイルマ・アレグレになり、二十一歳との設定。水浴びのあとにボディーへバスタオルを巻いていたり、セザールの強要でシャツとパンティーにむかれ、ナイフでシャツを切られるも、乳首を隠していたり、アルと台所で愛撫のときにスリップのままだったり、スケたスリップを着て紐パンティーがみえているも、ブラの部分までシースルーっぽいのに乳首がうかがえなかったり、二度目の水浴びでバスタイルを巻き、前かがみの姿勢でバストの谷間をのぞかせても、最後まで乳首の露出なし。もっともそそったのはリズ・アリンドガンで、セルダ・ソレルとベッキー・メサと下着で登場のあと、ジーンズの短パンが視線を引きつけ、ピストルをもつテディーとのベッドはタバコで性格の悪さをにじませるのみや、冷めたピストン運動で暴行をうける際のスリップ、アルとのセックスを暗示のみにすませてのガウン、アルを入浴させるセルダとベッキーの三人でのキャミと短パン、イサベルを部屋へ案内するときの短パンはイマイチでも、ランニングの短パンではお尻のくいこみがおいしそうなうえ、イサベルとアルがイチャつく台所へくる状況でのランニングの短パンはほとんど半分近くのハミケツ。さらにはイサベルと口論の室内においてもランジェリーがお尻にくいこみ、割れかたくっきりのハミケツに興奮を招く。セルダ・ソレルはジュリウスに脱がされるが、オッパイがみえず、ベッキー・ミサ（またはベッキー・メサ）は二十九歳との設定でおばさんぽい。
ほかにイサベラの記憶の中にでてくるベリンダ役のアヤ・フェルナンドはタブロイド紙の記事に載る写真で全裸の死体になり、乳首や陰毛が写る寸前。パンツ一丁のジュリウスがホテルで会う娼婦役の女優（エヴァ・ラモス？）は白いブラと黒いパンティーで、お尻のラインがまずまず。イサベラが勤めていたバーのダンサー二人はスカートのかっこうがセクシーじゃなく、娼館のダンサー三人は黒いパンティーにガウンのような切れたシャツをはおっている。ディスコでアルとジュリウスがナンパする二人（マルー・ディアス、マイラ・モレナ？）はキュートの範ちゅうをはずれる。娼婦たちのママ役でデクスター・ドリア、アメリアとジュリーのお手伝い役でルーシー・キントが出演。
なんといってもときめいたのはリオ・リムになり、ロリコン趣味がなくとも、まさかこんな幼い子が脱ぐのかとの期待が盛りあがると、裸を想像だけで下半身がドキドキとうずく。実際はアルにシャツを破られるのみだが、ついつい熱く燃える。
なおシタが“東京 香港”と書かれたＴシャツを着ているのが、妙におかしかった。
