ＣＯ−ＥＤ　ＳＣＡＮＤＡＬ
　
06年：ディジタルＶＩＶＡ
監督：ロベルト・ケブラル
主演：ジェニファー・リー
　　　 アヴィ・シワ
　　　 ライアン・アイゲンマン
　ロベルト・ケブラルのディジタル・シネマとなれば小細工バリバリの気どり作を予想するも、ジェニファー・リーとアヴィ・シワの主演だけにセクシーな期待が盛りあがる。
　早送りとスローを繰り返すつなぎの風景ショットが数箇所に挿入され、やはり小細工過多と感じるが、全体になじめば問題ないところ。スキャンダルと呼ばれるハメ撮り本番の流出ヴィデオ・ブームを背景に、スキャンダル・ヴィデオを撮って有名になるのを夢想するライアン・アイゲンマン演じる学生が主人公。ジェニファー演じる恋人と自らのセックスを撮影のみならず、アヴィ演じるジェニファーの相談相手でもある友人とのレズも撮る。これにジェニファーにほれて滞在先の香港まで追いかけ、求愛につきまとうレッド・レカナ演じる男の存在がからむ。ライアンやレッドのことを大学で聞くインタビュー・シーンに続き、隠れスターになるライアンの妄想が入り、メイン・ストーリーへと進む。といっても時間的な順序を踏むわけでなく、前後が錯綜し、非現実がはさまるに加え、マニラと香港の舞台もゴチャゴチャになって、一般的にドラマを語る内容と異なり、イメージの積み重ねを狙うとうかがわせる。一方でジェニファーのスカートの中にカメラを向けたあと、自分のパンツを引っぱってチンポを撮るライアンのバカバカしさがやや低脳なうえ、マーロン・ボニフェ演じる同級生にマル秘ＶＣＤをみつかり、ハメ撮りが発覚の平凡さは知的以前の問題。アヴィがディレクターに会ってセックスや、マネージャーの紹介でクライアントに会ってセックスはありきたりだし、ジェニファーに自殺のイメージをかさねる構成で単純さにあきれる。エイズのシンポジウムでレッドがギターを手に歌うほか、ライアンが精神病院へ強制収容や、アヴィのうける演技の授業など、興味深いにもかかわらず、どこかしっくりなじまない印象も残る。海賊版ＶＣＤ販売の店主がムスリムなのと、スキャンダルＶＣＤを買ってライアンが再生するパソコンがサムソンなのと、ライアンにＴＶのインタビューがきたのをジェニファーがみるモニター画面に日本語で“ビデオ１”と表示されているなんてくだらないことのほうが、ヘヘっと笑えるくらい。ライアンとジェニファーが大学を卒業し、アヴィがボールド映画のスターになり、ライアンの両親がインタビューで「スキャンダルはウチの子じゃない」と話すラストにいたって、なんだいとはき捨てそう。結局、スタイリッシュなだけで、中身の安っぽい典型に思える。外見にばかりこだわった、頭がからっぽな一部の日本の層みたいなもの。録音レヴェルが一定でない個所がある点もマイナスに拍車をかける。
　とりあえずジェニファーの脱ぎっぷりはというと、いきなり冒頭から座位、正常位、女性上位のセックスでオッパイをモロにし、ライアンと二回目のセックスで上向きから正常位のオッパイ、三回目で正常位から上向きのオッパイをみせる。四回目は着たままのバックで、五回目はライアンのほうのお尻が目立つのにゲーッ。アヴィとのレズでは二人ともパンティー一枚の座位でオッパイをくっつけ合い、アヴィがワンワンのポーズをとってジェニファーのオッパイをなめる。車の中の愛撫で肝心のパーツの隠れた構図は残念。アヴィ単体だとディレクターとのセックスと、ライアンとのセックスで着たままだが、クライアントとのセックスで乳首をチラッとのぞかせる。パーティーにおけるブラとローライズのジーンズも色っぽいが、韓国とのハーフでじゃっかん好みをはずれるも、美人のジェニファーに対し、やや容貌が落ちるのは否めない。またジェニファーのセックスがせっかく正常位、座位、女性上位で、とくに下向きオッパイがバッチリなのに、スキャンダル流出の暗示で別の顔をモザイク処理した女性の座位に置きかわり、四つんばいになってのリアルなセックスがジェニファーのままならよかったのにと思わせてイマイチなえるのと、ジェニファーとアヴィのレズ・セックスがやはり別の立位のモザイク女性にダブるシーンに失望感がただよう。せめてヌードくらいは気どらず、普通に撮ってほしいもの。
　不満。
　ほかにジェニファーの友だち仲間をカトリナ・ゴンサレスとシェリーン・サエッドが演じていて、シェリーンがけっこうかわいい。セドリック・ハヴィエール演じる運転手とセックス撮影する娼婦役のマエン・レイエスは露出なしだった。