ＣＬＡＲＩＺＺＡ
　
　年：カプリコン・ピクチャーズ
監督：チト・Ｂ・タパワン、ルーベン・デ・グスマン
主演：サルジ・エマヌエル
　　　 ルイス・ゴンサレス
　　　 リザ・ロレナ
　　　 リト・ピメンテル
　　　 ヒル・ゲレロ
　　　 ロクサン・レクト
　　　 ルシタ・ソリアノ
　　　 アレックス・ボラド
　おそらく八十年代にはやったセックスを盛りこんだ愛憎劇の一本。
　ルイス・ゴンサレスとリザ・ロレナ演じる中流に属する中年男女が不倫関係にあり、ルシタ・ソリアノ演じるルイスの妻がヒステリックに夫を責めて、リト・ピメンテル演じる息子が母をなぐさめる。サルジ・エマヌエル演じるリザの娘が女学生で、ヒル・ゲレロ演じる同級生に告白をうける。実はリトもサルジに思いをよせ、サルジもリトへ愛を感じているものの、リザの情事の相手がルイスとわかるや不仲に陥る。寂しさをまぎらわせてリトはディスコで知り合ったロクサン・レクト演じる女性のアタックに応え、アレックス・ボラド演じるロクサンにホレる男の恨みをかう。サルジもヒルとつき合うが、どうもなじめない。サルジの非難にリザが別れを決めて、迫るルイスと刃傷沙汰に。ルシタも精神をやんで倒れる。酔ったリトをロクサンが部屋へ連れこみ、リトが寝ぼけている間にアレックスがレイプ。ナイフで逆襲にでたロクサンを刺すや、罪をリトになすりつける。リトの窮地にヒルがとめるのも聞かず、サルジが助けに乗りだす。弁護士を雇ったのがサルジと判明し、リトが感謝で復縁。今度は嫉妬にかられたヒルがサルジを犯しにやってくる。
　一回目にロクサンの家へ侵入したアレックスが、着がえをみたのに襲わない。リザとルイスがピストルでもめてどうなったかをあいまいにすませる。リトがつかまえにきて、アレックスが簡単にやられる。サルジの家へ忍びこんだヒルが、たまたまかかったリトからの電話をきる、といった中途半端な表現が目立ち、チト・Ｂ・タパワンとルーベン・デ・グスマンの演出は凡庸もいいところ。ドラマとしては失格の部類。
　でも目的は女優のセクシーさなので、そんなことは評価の対象外にすぎない。
　脱いでベッドへ向かうリザの脚のアップに始まり、セックスはシルエットで、そのあともボディーにシーツをかけていて、リザは残念ながら露出不足。ディスコで大胆なハイレグ・ビキニのダンサーが三名踊るが、ロクサンのステージはスリット・スカートから脚がのぞくのみ。リトとのセックスは手前のモノなめで肝心の部分を隠し、アレックスにのぞかれる着がえはパンティーがドキドキを呼ぶも、つながりショットがなくバス・タオルを巻いているのが不自然なロクサンも興奮には足りない。レイプのセックスでのスリップに、乳首のポッチが浮かぶか、浮かばないかに視線を奪われるくらい。やはりサルジが素晴らしく、最初に登場の下着はパンティーが貼りつき型じゃなくてイマイチでも、乳首のポッチがスケてるかどうかに目をこらす。競泳ふうの水着で現われると、ボディー・ラインくっきりにカッカ燃えてくる。泳ぐシーンがないのが相当に惜しい。鏡台の前に座る短パン姿は、もっと身体にフィットしたタイプだったら、確実に追いこまれたかもと満足半分。滝のある池でリトに撮影された思い出におけるビキニは、いくかポーズをとって、さすがに刺激的と拍手をおくる。回想にふける際の白い短パンよりも色っぽい。プールで泳いでヒルを水の中へつき落とすシーンでのビキニはさらに大胆になり、紐なしブラとハイレグ紐パンティーが極小サイズなのでよだれがたれる。プール・サイドを歩くときのヒップラインはキュートだが、水からあがるショットを欠くのが減点要素。ハイライトはヒルの強姦を逃げるクライマックスで、ちょうど泡風呂へ入浴の最中に襲われる。またもつながり無茶苦茶に、いつの間にかクッションで全裸のボディーを押さえて寝室にいる。クッションを奪われて階段を駆けあがると夜の屋外を走り、ホントにつながりデタラメなものの、素っ裸だけにうしろ姿でお尻丸だし状態。リトと二人だけで結婚式をあげて初夜にネグリジェを披露はオマケ程度といえる。あとルシタの青いネグリジェにパンティーのラインがスケるのは、熟女の色気。サルジの同級生を演じる三名にも水着くらいはほしかった感じ。
　とにかくサルジのお尻が最高の見せ場をくれた。