ＣＡＲＴＡ　ＡＬＡＳ…　ＨＵＷＡＧ　ＫＡ　ＮＡＮＧ　ＨＵＭＩＲＩＴ
（トランプのエース　引いたらもうダメ）
　
01年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ホセ・Ｎ・カレオン
主演：エース・ヴェルヘル
　　　 アントイネット・タウス
　　　 ピエル・モレナ
　　　 ウォーウィー・デ・グスマン
　　　 ジーン・サブリッツ
　　　 エフレン・レイエス
　　　 ディック・イズラエル
　　　 ボブ・ソレル
　ひねったおもしろさを狙うながら、ひねり足らないアクション映画。
　エース・ヴェルヘルが主人公の刑事を演じ、人質救出が冒頭。アントイネット・タウスとウォーウィー・デ・グスマン演じるコソ泥がエースの車から財布を盗み、ディック・イズラエル演じるトニ（アントイネット）の教父がエースの知人で、エースに返す設定へ続く。
　エフレン・レイエス演じる悪徳弁護士の取り引き現場をエースが捜査し、カネの入ったアタッシュ・ケースをディックが持ち逃げ。エフレンにディックが始末され、カネのありかをエースが知っていると考えたエフレンの一味が襲ってくる内容。ディック殺害現場を目撃のトニが、ピエル・モレナ演じる入院中の姉を殺すとの脅迫を受けて裁判で偽証。エフレンが無罪になる。エースがトニとピエルを守り、トニはエースにあこがれを抱くも、エースとピエルにロマンスが生まれ、わざとひねくれた態度をとる、などのドラマを含む。エフレンがマル・ガルチトレナ演じる市長とグルで、エースに圧力をかけるながら、ジーン・サブリッツ演じる上司とエースがレヴィー・イグナシオ演じるエフレンの片腕に裏切り疑惑を仕向けるといった罠を張ってエフレンを追いつめ、ありがちな単細胞的無謀ドンパチで解決しないあたりが高得点。ホセ・Ｎ・カレオンの語り口を買う。
　でも途中で車が爆発横転し、運転のエースが逆に相手をやっつける見せ場で、タフなエースはともかく、助手席にいたピエルまで傷をおってないのはどんなものか。エースとトニがディックの部屋からカネを発見するのがあまりに簡単すぎることもあり、イマイチの印象をぬぐえない。
　ホント、ひねり不足というより、ひねる必要のない部分で手抜き、みたいな感じか。
　また、もっとも不満な点は、せっかくピエルが出演にもかかわらず、セクシーさを奪ったこと。ボーイ・ロケ演じるエフレンの子分が、トニにピエル殺しを暗示のとき、胸にボインのジェスチャーだから、きっとあとでオッパイをあらわにむかれるぞと期待したのに、なんでないわけー。ボブ・ソレル演じるエフレンの父の家に隠れ、エフレンとピエルがキスで結ばれるのをトニがみるシチュエーションでは、大きめのホット・パンツどまり。マジでピエルという、脱がないとまったく存在価値のない女優を起用の意味を問いたい。
　てなわけで、ピエルの使いかたのマズさにより、完全失望に変わった次第。
　ああ、ヒデー！
　なお、ジーンの警察士官ぶりは、実にカッコよく制服が決まっている。久しぶりにキリッとりりしき中年女性の魅力に視線が引きつけられる。ジーン、好きだなあ。