ＢＵＫＯ　ＰＡＮＤＡＮ
（椰子の葉）
　
01年：ワールド・アーツ・シネマ
監督：ウロ・Ｑ・デラ・クルース
主演：ピアール・ミラソル
　　 　トントン・グチェレス
　　　 マリカル・デ・メサ
　　　 ルシタ・ソリアノ
　　　 パオロ・リヴェロ
　　　 ニコル・ノーブル（ジネット・ホアキン）
　　 　ジョジョ・ボラド
　　　 ジョセフ・バルタザール
　　　 ローナ・レイエス
　　　 フロイラン・サレス
　ピアール・ミラソルとマリカル・デ・メサというセクシー・スターの共演で、ブコとの題名にある前の言葉は椰子の実だけでなくオッパイも意味するから、つい期待が盛りあがる。
　山の中でルシタ・ソリアノ演じる祖母と暮らす姉妹の物語になり、パンダンという題名のあとの言葉はカゴやマットなどをつくるために使う葉っぱのことだが、それらを高バサミで切り落とすところから、実際にカゴやマットを編むようすなどが描かれ、前半にはかなり興味深い要素がみられる。丸太と枝を組み合わせてある粉引き機をグルグルまわしたり、鶏をさばいたり、ウナギをとったりの光景も登場し、いわゆる自然の中の生活ぶりがうかがえるようだ。
　姉妹が唯一、文明社会と通じているのがラジオで、いつもラジオ・ドラマを聞いては自分を主人公に置きかえる。そのイメージ・シーンが大理石の床にアンティークの家具をそろえるセットで、田舎のフィリピン女性がどういう空間にあこがれを抱くかもわかるような気になってくる。マリカル演じる姉はそこで家政婦からお嬢さまのように扱われる想像をし、ピアール演じる妹は素敵な男性にエスコートを受けるから、二人の性格の違いも暗示される。
　さて、期待のセクシーさはといえば、二人ともブラをつけていないので、シャツの横からハミ乳になりそうな衣装がすごい。乳首のポッチはときどき浮かんでいるし、椰子の水を飲むとき、胸にこぼしたりのカットもあり、まさしくブコだわいと納得。眠りながらピアールがあこがれの男性とセックスの夢をみるシーンでは、横に並んで寝ているマリカルに脚をかけ、スリップの上から乳房にさわるポーズもみせ、けっこうドキドキもの。
　パオロ・リヴェロ演じる二人に恋する山の若者が住み、トントン・グチェレス演じる地主の息子が現われ、やっとドラマが動きだす。トントンはいかにも好青年で、ピアールがすぐに理想の王子さまのようにあこがれる。近くの泉へ一緒に水浴びに行くところで、ピアールがいきなり服を脱いで飛びこむと、水の中でパンティー一枚なのがわかり、目を凝らしまくる。
　トントンがニコル・ノーブル演じるガールフレンドを連れてきて、泉のほとりで愛撫のシーンでは、ニコルの乳首がみえる寸前の露出まであって、鼻息が荒くなる。
　ピアールはニコルにギスギス対応し、心配のマリカルともケンカがちになるのだが、肺病だったとの伏線を張っていた祖母が亡くなり、いったん姉妹は和解。でもついにピアールがトントンとセックスで、冷戦状態に突入する。セックス・シーンは暗くてよくみえないのが残念。マリカルがピアールの体をクンクンかいで、男の匂いだと気がつくしぐさが面白い。
　毅然とマリカルが怒りにやってくると、しょうもないヤツぶりを発揮のトントンは、マリカルにもセックスを迫る。太ももにスーッと手を入れていくポーズがなまめかしい。
　そのあとトントンは殺され、マリカルが逮捕の展開に。映画は血のついた布を洗うカットを挿入など、いかにもマリカルが犯人にように描くも、やっていないことは容易に想像がつく。出所のマリカルが帰ってくるや、ピアールはパオロと結婚で子どもができているのだが、そのあとの回想シーンで真実が明らかになる。
　ピアールの身体からマリカルが血をふいてあげるとき、シャツを脱がせると、ピアールのオッパイが丸だしに。いやあ、これこそブコといえそうな、みごとな形の乳房にうっとり。
　まあ、姉妹愛をうたった内容なのに、殺人という血生臭い要素を持ちこんだのはどうかと思うし、冒頭の椰子の葉を切っていた少女が指から血をだした際の意味深な音楽の使いかたなど陳腐な表現も多く、ウロ・Ｑ・デラ・クルース監督はあまりうまくなくて、タルいテンポの作品だが、ピアールのオッパイですべてを許してもいい、との気持ちがわきあがってくる。
　もっとも二人ともそこそこ美人なものの、どちらかというとマリカルのほうが好みだから、マリカルのオッパイ全開もみたかったなあ、なんて心残りな部分はある。新人のニコルだって、まずまずの容姿だけに、もう少し大胆に脱いでほしかった。
　あとルシタが亡くなるとき、若い頃のジョセフ・バルタザール演じる夫が生きたウナギを飲んで死んだ際のことをイメージするのだが、ローナ・レイエス演じる若いルシタが泉の中で濡れて、乳首をスケスケが嬉しいサーヴィスだった。