ＢＵＫＡＳ　ＭＡＹ　ＬＩＧＡＹＡ
（明日、幸せがある）
　
00年：エル・ニーニョ・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：アリオーナ・アモール
　　　 アレン・ディソン
　　　 アキ・サバルテ
　　　 パメラ・オルティス
　　　 マイク・ロドリゲス
　　　 クリストファー・ガルシア
　　　 ココイ・アルメンドラス
　青春映画、それも女性のセックスが関係してくるものとなれば、性へのめざめに悩み、処女喪失の過程をドラマティックに描く内容と相場が決まっている感がある。でもこの映画に関するかぎり、もっと興味の焦点は現実的な生活レヴェルに置かれる。ようは豊かになれるかどうかのほうを、性と葛藤する思春期の心理よりも優先。フィリピンという国をうかがううえで興味深い点になる。
　かといって映画自体はセクシー・スターの一人、アリオーナ・アモールの魅力を全開にしようと狙った、まったくの見世物的作品に違いない。社会背景的な要素はさておき、深みのある人間描写のドラマを期待してはいけない。
　とにかくアリオーナのセックス・アピールに酔えばいいわけだし、他には何もないといえる。
　まずはルソン島中部西海岸沿いにあるオーロラ州の海が映しだされ、地引き網漁の光景などがみえる。海岸を海女の格好をしたアリオーナが､濡れて乳頭をはっきりとスケさせながら歩いてくる。クリストファー・ガルシア演じる友人が彼女と出会って冷静に会話をかわすながら、よく勃起しないものだと思う。
　アリオーナは学校で教育を受けたいからとマリルー・ヴェル演じる母とマニラへでるや、スラム街へ住むことに。川のヘドロをパワー・ショベルですくっていたり、路地で闘鶏の光景がよく環境を描きだしている。
　部屋で眠っているアリオーナのスカートを扇風機の風がまくりあげ、いきなりドキッとさせられる。アリオーナは立ちあがって服を脱ぐとパンティー一枚になり、身体にバス・タオルを巻くや、母の経営する小さな食堂の奥にあるバス・ルームへ水浴びに行く。パンティーのヒップラインに思わずオオーッと声をあげそうになるが、水浴びルームに入れば、バス・タオルをとってパンティーもスルスルッと脱ぐと、手をのばしてさわりたくなるようなお尻をあらわにする。これはもう鼻血もの。ちょっとシェイプ・アップしたほうがいいんじゃないかと思わせる部分もあるながら、幼顔と反比例の堂々のボディーに悩殺状態。
　それにしてもアリオーナは美人というよりもかわいく、グッと抱きしめたい誘惑にかられる魅力を持っている。
　アレン・ディソン演じる近所の若者がアリオーナに好意を寄せるも、彼は酔っ払ったときにパメラ・オルティス演じる女性と一夜をともにしてしまう。セックス中にパメラとアリオーナの顔がダブルり、二人は明らかに容貌の差があるし、アリオーナのカットのときに乳首までみえていて、パメラのカットではみえない描写も影響し、アレンが失敗と後悔の心理に共感。ただしパメラが黒いランジェリーをお尻に食いこませながら寝ている姿は色っぽい。
　いろいろあってアリオーナは故郷へ帰ってくると、ここの学校へ転校が後半。ライカ・トレンティノ、ロザンナ・マグダレナ、マイキー・ソリアノ、アナ・マリー・マセダ、マルガリータ・ローセス演じる仲よしグループで川へ泳ぎに行くシーンでは、全員がビキニを脱ぎ捨てると全裸になり、たっぷり目の保養をくれる。とくにあお向けに泳ぐアリオーナの陰毛がはっきりみえるカットでは、ガチンとハンマーで殴られたような衝撃を受ける。
　マイク・ロドリゲス演じる金持ちの同級生がアリオーナをみそめ、どうみても不細工な男で、おそらく金銭的なバック・ボーンがなければモテないだろうと思わせる。アリオーナの家族も彼を無条件で歓迎だから、カネに弱いフィリピン人がそのままに現われているようで興味深い。マイクとのセックス・シーンでは、アリオーナの吸いつきたくなるような乳房が、これでもかというド迫力を持って上向きでしばらく揺れつづけ、条件反射でみているこちらまで口から舌をペロッとだしてしまいそう。
　アキ・サバルテ演じるマイクのガールフレンドが、マイクを寝とったアリオーナに復讐を計画し、協力者の男を誘いこむ。その男とのセックス・シーンでは、アリオーナよりもやや小さめのキュートな乳房がバッチリおがめ、そこそこアキがかわいいこともあって、キスを送りたくなる。欲をいえばもっと全身までたっぷりみせてくれよと叫びたいが…
　アリオーナのことを思っていたクリストファーを酔っ払わせ、アキは誘拐で拉致のアリオーナをレイプさせる。クリストファーはパンツまで脱いで全裸になってからアリオーナを襲うので、かなり迫力がある。衣服がビリビリッと引き裂かれ、オッパイを揺らし、お尻を露出のまま逃げるアリオーナが圧巻。
　偶然にも警官に職をえてこの地へ赴任のアレンに救出されるとき、強姦のあとにそのまま全裸で眠っていたはずなのに、クリストファーもアリオーナもパンツとパンティーをはいているのがヘン。
　結局マイクはアメリカへ行くことになり、アリオーナはあっさりと棄てられる破局へ。彼の金銭的な面に目を奪われ、甘い言葉を愛と思いこんだ報いだろう。でもアレンと結ばれ、しっかりハッピー・エンド。二人の結婚式で終わるのかと思えば、ちゃんと初夜のシーンが用意され、ダメ押しのようにアリオーナがオッパイを披露が嬉しい。
　それにしても、これほど全編にアリオーナが誘惑をくれまくりとは、セザール・ＳＢ・アベーリア監督のサーヴィス精神に感謝感激。