ＢＵＨＡＹ　ＭＯ’Ｙ　ＢＵＨＡＹ　ＫＯ　ＲＩＮ
（キミの命はまたボクの命）
　
97年：ネオ・フィルムズ
監督：ペペ・マルコス
主演：ラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニア
　　　 マイキー・コファンコ
　　　 アルベルト・マルティネス
　　　 ディンディ・ガリアールド
　　　 ダニエル・フェルナンド
　　　 ディック・イズラエル
　　　 キング・グチェレス
　　　 ハイメ・ファブレガス
　　　 レス・コルテス
　ペペ・マルコスとラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニアのコンビによるアクション作で、マイキー・コファンコの共演。
　レス・コルテスなどが演じる犯人をボン演じる刑事が追跡し、交通整理中のマイキー演じる警官が協力。ロルダン・アキノ演じる父、ロルリ・ヴィリアヌエヴァ演じる母も警官のマイキーは、危険な撃ち合いに加わったのを両親に批判される。エルニー・サラテ演じる教父の大佐に交通整理ではなく、もっと重要犯罪担当への配置がえを頼む。ダニエル・フェルナンド演じる相棒とともにボンはエルニー・フォルテ演じるタレこみ屋から情報をえてレスをつかまえ、ディンキー・ドゥー・ジュニア演じる掃除係を使ったコメディーもどきの拷問芝居でレスを吐かせる。ハイメ・ファブレガス演じる上司に新しい仲間の紹介をうけると、これがマイキー。アルベルト・マルティネス演じるボスの本拠をつかみ、マイキーも含めて急襲をかけてアルベルトを逮捕も、ダニエルが撃たれて亡くなる。とっさに麻薬をトイレに流したため、ディック・イズラエル演じる弁護士の力をえてアルベルトが裁判で無罪に。アルベルトの一味によってディンディ・ガリアールド演じる恋人を殺され、ボンが酔っぱらって荒れる。マイキーの説得で立ち直ると、アルベルト一味がバタンガスにいるとわかり、夫婦にバケて潜入捜査に向かう。
　引ったくり犯をつかまえたことでチア・プシット演じる地元のおばさんと親しくなると、家に泊めてもらい、レナート・デル・プラド演じるチアの夫に頼んでセメント工場の仕事をもらう。ここがウラで麻薬の温床になっているのだが、あっさりボンの正体がバレるあたり、三枚目に徹しきれないフィリピンっぽさがにじみでる。キング・グチェレス演じるアルベルトの手下が人のよいレナートとチアを殺すのは、キングの冷酷さを表わすよりも、だったらボンとマイキーが巻きこんだような印象をつくって不愉快。銃撃戦が始まり、ディックが狂ったごとく乱射で、弁護士のはずなのにとあきれが起きる。キングに異常者はまかせればいいわけなのに、知的ワルと暴力的ワルの描き分けができない構成は、もはやどうしようもない。
　単純な展開もあって、ペペにしてはウルトラ凡作。後半のつまらなさが致命的。
　ボンとアルベルトのクライマックスにおける対決など、盛りあがらないにもほどがある。
　まあマイキーを意識の作品なのか、冒頭でヘルメットをかぶっているのをみてボンが男と間違い、ボーイッシュさで魅せたあと、マリテス・サムソン演じるダニエルの妻を葬式で勇気づけ、しっかりキャラをうかがわせる。コインの知恵くらべでボンをねじふせ、妊娠のふりをごまかして引ったくり犯を追うところと、ジープで迫るディックたちからの逃走とで馬に乗る。とくに後者では柵を跳び越し、実際にプロ級の乗馬テクニックをもつマイキーの特技を際立たせたと思われる。
　白バイ警官の制服でヒップラインが気になるものの、ジーンズはイマイチなタイプだし、色っぽさだとマイキーよりもディンディがまさる。ビキニでプールに現われ、ボンと水中キスをかわす。二人が浮きあがらないので心配になったマイキーが飛びこむとき、シャツにジーンズのままで、セクシーなディンディにばかり目がいくのは当然といえる。
　あとレスがセックスする相手の女性はジャッキー・ディアスのようだが、クレジットに表記がなくて不明。