ＢＲＯ　　ＫＡＨＩＴ　ＳＡＡＮ　ＥＮＫＵＷＥＮＴＲＯ
（仲間　たとえどこで出会ったとしても）
　
01(02)年：Ｍ．Ｍ．Ｇ．エンターテインメント・グループ
監督：ローランド・レデスマ
主演：エディー・ガルシア
　　　 ロナルド・ガン・レデスマ
　　　 ダンテ・リヴェロ
　　　 エディー・グチェレス
　　　 アルマ・コンセプション
　　　 エフレン・レイエス
　　　 ジェス・ラピッド
　　　 キング・グチェレス
　　　 ジーン・サブリッツ
　　　 ヴァル・イグレシアス
　　　 ヤム・レデスマ
　　　 レーイ・ロルダン
　　　 エヴァーリー・ロクシン
　　　 エルヴィン・マテオ
　　　 ラレイン・バレート
　　 　ボブ・ソレル
　　 　ロミー・ディアス
　ローランド・レデスマの監督作となると条件反射のように駄作との思いがもたげるも、アルマ・コンセプションが出演しているから、ついみてしまう。今回は意外にもとは失礼ながら、しょうもないレヴェルなのは相変わらずとして、一応は退屈しない内容に仕上がっている。
　エディー・ガルシアとロナルド・ガン・レデスマが主演。
　まずデルフィン・ミハレス・ジュニア中尉（ロナルド）の率いる部隊が、リーダーをザンドロ・ザモラが演じるゲリラを粉砕するシーンがあり、デルフィン・ミハレス・シニア（エディー）の所属する部隊が、シニアの活躍でレナート・デル・プラドなどが演じる悪党の一味を退治のシーンが続く。ミハレス親子は息子のほうが上の階級なので、父親が上官として敬意を払うも、息子のほうが家族では父を尊敬しているとのねじれ構図で、これを作戦の実行において対立が生じるとか、作劇の中にまったく活用せず、だからこそ薄っぺらい印象を与える。
　実業家のシモン・“パトロン”・オヴァルテ（エディー・グチェレス）に国会議員のロバート・エスタニエル（ダンテ・リヴェロ）が二億ペソ以上の賄賂を要求で悪の存在を提示し、パトロンの仲間っぽいバドン（エフレン・レイエス・ジュニア）が船の荷からシャブをだしていて、バドンにも部下らしきマルティン（レヴィー・イグナシオ）がいる。パトロンのライヴァルであるサンデル（ボブ・ソレル）が殺され、アルタヴェス将軍（エルニー・サラテ）がミハレス親子にパトロン討伐を命じる。それでロルダン軍曹（レーイ・ロルダン）などとともにジェス・ラピッドやキング・グチェレスが演じるパトロンの部下のあじとを襲い、パトロンの関係下で暗躍のコンラッド・ポーなどが演じるならずものともやり合う。シニアがバドンに近づいて友情をかわし、自動車泥棒の撃退を装ってジュニアがパトロンの娘のカルメラ（アルマ・コンセプション）にとり入り、運転手兼ボディー・ガードに雇われる。パトロンとバドンの話をパトロンの秘書のロレイン（ラレイン・バレート）が立ち聞きで怪しさをにおわせ、会議でロレインが密告者として毒殺される。ミハレス親子はシニアの妻で、ジュニアの母のラウラ（シーン・サブリッツ）とジュニアの妹のカミール（ヤム・レデスマ）と暮らし、ジュニアに婚約者のフランシェル（エヴァーリー・ロクシン）がいるが、危険な任務についたので巻き添えをくわないようにジュニアがフランシェルと別れたあと、カルメラと愛をかわす。パトロンとロバートの会話から自分がパトロンの実子でないと知ったカルメラがショックをうけ、仇のロバートを殺しにいく。さらにサンチャゴ教授（クリス・ダルス）が発明した新型の燃料をもとにパトロンがアラブと闇のビジネスをたくらみ、サンチャゴを暗殺した犯人にカルメラが撃たれる。マルティンがミハレス親子に情報を提供で潜入だったとバラし、パトロンの手下がミハレス親子の軍を急襲してくる。山賊のボガート（ロミー・ディアス）とパトロンが手を組むと、ついにミハレス親子の部隊と全面対決になる。
　カルメラがジュニアとフランシェルの仲に気がつきながら、三角関係に発展ふうでいて、最後まで悪のまま亡くなるのは意外な進めかたに思える。でも出生の秘密を知るきっかけが、携帯電話でロバートと話し中のパトロンが通話を切らずにソファーにおいたというのは、あまりにもアイディアがせこい。ミハレスの家庭が狙われないのも、どんなものか。バドンが死にぎわにシニアと友情を確かめ合うあたり、二人の決闘になるなどの状況設定がほしかったと感じる。生きていたロバートから病院でミハレス親子とマルティンたちが勲章をうけ、ロルダンなどの犠牲になった兵士に敬礼を捧げるとき、感傷的にグッと迫る雰囲気がないのは、まさにローランドの演出力不足。ジェット・スキーとジープの水陸銃撃戦追跡もさほど迫力がなく、アクション的には失格といえる。
　カルメラがジュニアに提示する月給が三万なのが興味をそそり、サンチャゴ教授が実験に使うエンジンが古いディーゼルなのは笑ってしまう。
　とくに不満な点はアルマ・コンセプションのセクシーさ不足につきる。ジュニアと抱き合うとき、ジュニアのシャツを脱がせているのに、自分は着たままでブラさえみせず、そりゃないでしょ。ただし銃をかまえるポーズはカッコいいし、白パンに浮かぶプロポーションがみごと。ジーン・サブリッツは熟女の色気を抑えているので、ただのおばさんっぽく、ヤム・レデスマは相変わらずのブス。ラレイン・バレートは魅力に乏しいタイプで、新しい秘書役の女優は、ごく普通のお姉ちゃん。エヴァーリー・ロクシンの美人ぶりがアルマを上まわるのが嬉しい収穫になる。いったんジュニアと別れのあと、センティメンタルなムードが盛りあがり、ここで回想がはさまって、ビーチで遊んだ思い出などで水着を披露が常とう手段なのに、それがなくて残念。でもエヴァーリーはムズムズとそそるフェロモンを放ち、キュートな顔をみているだけで勃起を誘う。