ＢＲＡＴ　ＰＡＣＫ　（ＭＧＡ　ＰＡＭＢＡＹＡＤ　ＡＴＲＡＳＯ）
（ガキども　返していない借金を将来支払うために貯めるおおよその総額）
　
94年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：デオ・Ｊ・ファハルド・ジュニア
主演：ルストム・パディーリア
　　　 ガーリー・エストラダ
　　 　ジョコ・ディアス
　　 　マイケル・リヴェロ
　 　　ジョマル・クルース
　　 　エース・エスピノサ
　　 　アンジャネット・アバヤリ
　　　 ダンテ・リヴェロ
　　 　マーク・ヒル
　　 　ビン・ロイサガ
　　　 ダニエル・フェルナンド
　　 　ダン・フェルナンデス
　　 　ジョン・ヘルナンデス
　困ったアクション映画だ。
　校則の厳しい寄宿舎の男子校が舞台で、前半は学生たちの生活ぶりがチンタラ描かれる。ルストム・パディーリア演じる高名な判事の息子は、絶えず父と比較されるので、それがコンプレックスになっている。ガーリー・エストラダ演じる同級生は将軍の息子で、やはり父に反発中。ジョコ・ディアス演じる新聞記者の息子も家庭がイマイチ。彼らはケンカしたり、隠れてセクシー・ガールを呼んで誕生パーティーを開いたり、ダンテ・リヴェロ演じる校長にしぼられたり、といった具合。
　後半はテロリストが学校を占領し、彼らが人質にとられる。でも仮病を装うなどのアイディアでうまくあざむき、協力し合ってこれをせん滅。自らのプライドを獲得とともに、友情が芽ばえるわけである。
　なにが困ったといって、テロリストとの撃ち合いがイヤになるくらい長い。ただ殴り合ったり、追いかけ合ったり、ドンドンパチパチの繰り返しで、複数が同時進行にもかかからず、舞台が多角的に広がることなくダンゴのようにかたまって移動するため、えー加減にせー、と声がでそうになる。マーク・ヒル、ダニエル・フェルナンド、ダン・フェルナンデス、キング・グチェレスなどが演じる犯人の描きかたも一本調子で、よくもまあ、これだけアイディアに乏しく、ダラダラと続けたものよ、とデオ・Ｊ・ファハルド・ジュニア監督のテクニックのヘタさとセンスの悪さにあきれるのみ。
　個人的な楽しみを奪われて困ったのは、女優陣の扱いのまずさ。ガーリーの恋人役としてアンジャネット・アバヤリが出演なのに、ほとんどみどころなし。懇親会の最中に抜けだし、屋外でラヴ・シーンが用意されるが、ノー・スリーヴのシャツになるどまり。
　ＡＪのセクシーさを期待でみた映画なのに…
　ルストムと恋仲に落ちる格闘技の女性教師で、実はテロリストの仲間だったものの、説得力なく寝返るという中途半端にしか描けていない人物をビン・ロイサガが演じて、ジーンズで登場シーンで、下半身が発達しているなあとの印象。黒いタイツ姿で授業のとき、ルストム相手に寝技となってヒップラインが浮かんだりするが、ホント太め。滝にうたれてのラヴ・シーンもタイツをはいたままで、もっとピタッと身体に貼りつけばセクシーだったかもしれない。
　そういえばＡＪも、事件が解決でガーリーのところへ駆けつけるときのジーンズからうかがうに、けっこうお尻が大きなあと思わせる。太腿が魅力的なＡＪだが、露出していないとこんな感じか。
　ジョコの父の秘書を演じたマリセル・モラレスはブスっぽいけれど、意味深な設定だったわりには、まったく内容にからんでこない。
　ガーリーの妹役のマリー・グレース・ヒポリトはかわいいのに、単にいるだけ状態で、残念ながら活躍の場を与えられないまま。
　いやはや、困った映画だ。
　あくびがでるばかり。
　寝よ。
　なお、ルストムの母親役でダリア・ラミレスが出演し、学生たちの中にはジェー・マナロの顔がみえる。