ＢＯＹ　ＣＨＩＣＯ　ＨＵＬＩＨＩＮ…　ＢＥＮ　ＴＵＭＢＬＩＮＧ
（ボーイ・チコがベン・タンブリンをつかまえる）
　
97年：ＶＩＶＡフィルムズ／ＩＡＭプロダクションズ
監督：ホセ・“カカ”・バラグタス
主演：ジョコ・ディアス
　　　 エース・エスピノサ
　　　 イザベル・グラナダ
　　　 デレク・ディー
　　　 ジョイス・ヒメネス
　　　 エフレン・レイエス
　　　 キエール・レガスピ
　　　 ルエル・ヴェルナル
　　　 グロリア・セヴィーリア
　　　 レナート・デル・プラド
　　 　ロルダン・アキノ
　　　 ロミー・ディアス
　タイトル・バックにＰ．ブルゴス・ストリートのネオンが映しだされ、そういう話かな（どういう話じゃ!?）と思ったのだが、普通のＢ級犯罪アクションだった。
　しばらくは汚職警官のエピソードが中心で、ジョコ・ディアスとデレク・ディー演じる刑事のコンビがシンジケートのボスたちを追いつめるも、ロルダン・アキノ演じる上司が賄賂を受けとっていて逮捕できなかったり、ボーイ・ロケ演じるそのボスをおびきだし、ジョコたちが射殺の話がでてくる。
　同時にイザベル・グラナダ演じる強盗の人質にとられた女性をジョコが強引に救出で、怒るイザベルにほれて口説く過程や、エース・エスピノサが首領を演じるグループがスーパーや銀行を襲う様子が紹介される。
　ロミー・ディアス演じる殺人犯をやっつけるジョコたちが、いかにも荒っぽい捜査を実行のあたりは、決してクリーンじゃないけど、根は正義漢とのキャラクターづけを意図におく部分だろう。
　エースがエフレン・レイエスやレナート・デル・プラド演じる悪徳警官にハメられた回想をはさみ、警察によってワルへと走った人物に設定される。エフレンたちを始末で「民衆の敵Ｎｏ．１」と報道であおられるようになったエースを、ジョコが退治にいたるのがメインのストーリー。早撃ちで数名の警官をエースが一人で射殺など、マンガっぽい描写が多いながら、ラストの対決へともっていくムードのつくりかたがまずまずだった。
　まあお楽しみは、これが本格的なデビューとなるジョイス・ヒメネスのセクシーさにあることは、いうまでもない。のちにブレイクしてからのジョイスを先にみているので、目のあたりなどに整形がわかるし、オッパイだって手術で大きくしたな、と明らかになるものの、さすがにそそるボディー。顔はともかく、バストはこれぐらいのほうがいいんじゃないかな、とも感じる。個人的な好みだが…
　エースにホレられるダンサー役であり、黒いビキニのお尻をフリフリのステージで、まず挑発しまくる。汗で太腿がキラキラ光るのも、妙にそそる。すぐあとにおそらく本物のダンサーたちが現われ、ジョイスよりも露出の多いＴバックを披露するが、いま一つインパクトに弱いのはスター性の違いだろう。ステージ・シーンはさらに二回でてきて、エースの愛人になったのに、ジョイスがまだ店に勤めているのはヘンだし、それゆえにエースを誘いだす道具にも使われてしまう展開に無理を感じるが、半裸の踊りをおがめるのだから文句はない。とくに薄いピンクのビキニではパンティーが食いこんでいて、相当にウハウハ。エースとプールで泳ぐシーンも用意され、青いハイレグ・ビキニでエースから持ちあげられるとき、水面からでた濡れた身体にパンティーがピタッと貼りついているから、ウヒャーッ、ステキー！　ベッドではさすがにまだオッパイ全開とまではいかず、黒いブラをつけているながら、やっぱりこれくらいのバストのほうがキュートだなあ。
　もちろんイザベルにも色っぽい要素が盛りこまれ、ジョコとのシャワーなどオッパイの上で画面が切れているが、さほど大胆じゃないのは予想の範囲内。ただジョコと海岸を歩くシーンでは、打ち寄せる波の中で水着のショットに続くのに、遠景のみで、ほとんど一瞬なのがあまりにも残念。イザベルの水着姿もちゃんと堪能したかったなあ。
　レナートがプールで水着女性五人に囲まれているシーンでは、女たちの水からあがるショットがないから、かえって欲求不満をまねく。
　とにかくアクションは冴えなくても、ジョイスの魅力でそれなりに楽しめる作品だ。

※　のちにエースが演じたベン・タンブリンという人物は実在と知った。フィリピンの犯罪史上に残るギャングだという。