ＢＯＳＯ
（のぞき）
　
05年：ディジタルＶＩＶＡ
監督：ジョン・レッド
主演：ジェフリー・キソン
　　　 カチャ・サントス
　　　 アレン・ディソン
　　　 グウェン・ガルシ
　　　 エリア・Ｖ
　　　 ジェイシー・パーカー
　のぞきをテーマにとるエロティック作で、すぐに『ＳＣＯＲＰＩＯ　ＮＩＧＨＴＳ』を連想したが、男女一対一ではなくジェフリー・キゾン演じるアパートの管理人がすべての部屋を天井からのぞいている点がおもむきを異にする。ジョン・レッド監督がほとんどのショットを手持ちカメラで撮って臨場感をだし、確かにちょっと迫力のある映像に満ちている。ストーリーはどうってことなく、カチャ・サントスとアレン・ディゾン演じる夫婦が越してきて、カチャがタイプだったためにジェフリーがときめきを感じる。たまたま天井で眠ってしまったときにいびきの音からアレンが不審を抱き、チェックしようと椅子に乗ったらひっくり返り、頭の打ちどころが悪くて死亡する。ジェフリーの部屋にはしごがあるのをみてカチャがハッと気がつき「夫を殺した」とののしると、ヘクトル・マカソ演じる中国系のオーナーからジェフリーがクビをいいわたされる。いつしかジェフリーはカチャのことが忘れられなくなっていた、というもの。レン・ＡＧ・サントスとランディー・プンサル演じる肥満の夫婦にレンズ・デ・ヴェラ演じる子どもがいて、神をきどったジェフリーがレンズに天井からささやくいたずらもでてくる。エリア・Ｖ演じる住人がジェフリーと肉体関係を持つにもかかわらず、ジェフリーがのぞきにはまり、部屋の案内をうけたカチャが「トイレはどこ」とたずねたら、エリアを振りきって天井へあがるあたりが、人間のねじれた欲望を描く喜劇。ジェーソン・レッド演じる鍛えまくるマッチョと、ジョニー・アルビア演じるセンティメンタルな男性住人はまったく話にからまないものの、グウェン・ガルシ演じるバー勤めのセクシー・ガールにタド演じる恋人がいて、ジェフリーがトライシクル・ドライヴァーのタドをバカにしたためケンカになる。ＪＣ・パーカー演じるヤング・レディーはジュスティン・デ・レオン演じるボーイ・フレンドとセックスにふける一方、ロエンス・サントス演じる中年の太った女とレズをにおわせ、かと思えばロエンスがアレンを挑発する。ＪＣとロエンスがもめてＪＣがジェフリーに抱きつき、ジェフリーがキスしようとしたらＪＣが怒り、エリアがジェフリーにビンタをくらわせてＪＣが笑う。カチャとアレンのもめごとにジェフリーが心配を示し、アレンが五十ペソのチップをくれる。ジェフリーが退去の際に五十ペソ札をみつけ、レンズにあげる。カチャのやさしさを誤解したジェフリーがキスを迫って引っぱたかれる。またランディーがエリアにちょっかいをだす、といったかなりコメディー要素に重きを置いているのは事実で、とくにカチャとジェフリーがお互いの部屋に入り、カチャがジェフリーをのぞく構図になる発覚シーンが絶品。いわゆる軽いタッチの皮肉劇に思える。
　ジョン・レッドはモノクロの８ミリふうの画面を盛りこむほか、ジョエル・トーレとロニー・ラサロ演じる刑事が方言で話すのに字幕をかぶせ、音楽の使いかたにセンスのよさを表わすなど、けっこう才気がうかがえて、下世話な題材のわりにインテリっぽい作品にしあがったといえる。
　さて内容が内容だけに、ヌードがふんだんにでてくるのが嬉しいポイント。ＶＩＶＡホット・ベーブスであるグウェン、エリア、ＪＣにカチャだから、脱ぎっぷりが圧巻なのは予想どおり。グウェンは着がえで黒いブラに赤い紐パンティー、二度目は赤いブラに黒い紐パンティーでブラをはずし、オッパイをアップにみせる。ただし大嫌いなヘソピーが目立つのが相当にマイナス。エリアはジェフリーの部屋で乳首アップのオッパイを披露のあと、ホット・パンツをずらして半ケツで視線を集めながら全裸になり、騎乗位でお尻の突きだしアップのポーズをとる。二度目は座位でエビそりのかっこうのオッパイがアップのうえ、正常位とバックの座位で乳首もアップに迫る。エリアは巨乳だが、ボディー全体のボリューム感がすごく、デブ一歩手前の魅力といえる。ＪＣは冒頭からいきなりパンティー一枚のオッパイ丸だしがパワー全開で、途中に冒頭のくり返しをはさみ、二度目はブラをはずして乳首のドアップに加え、ジュスティンにオッパイをほおずりされる。カチャはなるほどハイライトと評価してよく、トイレで半ケツぎみのパンティー一枚でアレンと抱き合い、立位で乳首のドアップが興奮を呼ぶ。二度目は斜め上から撮ったベッドでオッパイがアップになるショットを含み、三度目はアートふうの荒れた画像なので失望なものの、四度目でまたも惜しみなくオッパイをアップにセックス。ブコ・パイを食わせてもらっているときにジェフリーが抱く幻想でもオッパイをポロリとこぼす。ベージュのピタパンではしごを登る姿も色っぽく、じゃっかん好みをはずれる女優ながら、このヌードの存在感は金メダル・クラス間違いなし。他にロエンスがスリップでバストの谷間を強調したり、レンにあやういアングルがあるのは余計という感じで、アレンとジュスティンのお尻は気持ち悪いも、女性ファンへのサーヴィスだろう。
　あとベンボル・ロコが管理人を演じるアパートにジェフリーが身をよせ、ベンボルがのぞきをしている暗示を与える入居人を演じるニコレ・ムシとジャジエル・リアント演じる女二人がジーンズに包んだお尻を振るのと、ジェフリーがカチャと顔がダブる女を演じるラライネ・エンリケスが歩くのはオマケ。
　とりあえずはカチャやエリアに満足感が広がるようだ。