ＢＬＡＣＫ　ＭＡＭＡ　ＷＨＩＴＥ　ＭＡＭＡ

　
73年：フォー・アソシエーティッド
監督：エディー・ロメロ
主演：パム・グリアー
　　 　マーガレット・マーコヴ
　　 　シド・ヘイグ
　　 　リン・ボーデン
　　　 サルディー・ショルナック
　　　 ローリー・バートン
　フィリピン・ロケによるアメリカ映画で、合作といえる。エディー・ロメロがジョン・アシュリーと共同で制作を兼ね、商業目的でエディーがアメリカ合衆国で乱作したＢ級ものの一本になる。
　サルディー・ショルナック、エディー・ガルシア、ディンド・フェルナンド（ドンド・フェルナンコと表記される）、ヴィク・ディアス、ズバス・ヘレロ（リカルド・ヘレロと表記される）、ブルーノ・プンサラン（ブルーノ・プンサラーと表記される）、ジェス・ラモス、ボンバー・モラン（クレジットなし）など、フィリピンの個性派の配役に引かれるが、とくにアローナ・アレグレとロティス・キー（ロティス・Ｍ・キーと表記される）のフィリピン女優の出演に魅力を感じる。しかも両名にヌード・シーンがあり、ロティス・キーは全裸を披露と聞けば絶対に見逃せない。
　ジョナサン・デミーがジョセフ・ヴィオラと考案のストーリーをもとに、Ｈ・Ｒ・クリスチャンの脚本は、スタンリー・クレーマーの『手錠のまま脱獄』の女性版。むろん人種差別といった社会的なテーマを根底にしく『手錠のまま脱獄』と異なり、単純に黒人の女囚と白人の女囚が手錠でつながれて逃げる視覚的な効果を意図におく。
　白人の女囚のカレン（マーガレット・マーコヴ）は革命ゲリラに属し、だから架空の途上国に設定かと思うが、ならラテン系の女優のほうがよかったのに、は個人的な好みの問題。黒人の女囚のリー（パム・グリアー）は犯罪組織のカネを隠匿し、ボスのヴィク（ヴィク・ディアス）が部下のロッコ（ディンド・フェルナンド）に取り返しを命じる。刑務所内にレズが存在は定番の設定で、意外にも看守がさほどサディスティックでなく、レズの女看のデンスモア（リン・ボーデン）が女囚たちのシャワーを覗いてオナニーを看守長のローガン（ローリー・バートン）が皮肉る。リーがデンスモアの愛慾の要求を拒んで暴行をうけるとローガンが止め、デンスモアとローガンがレズっぽく、カレンがデンスモアの愛慾を承諾で作業を抜けるのにリーが食堂でからみ、ふたりが大ゲンカで独房に閉じこめられる。問題児のふたりを別の刑務所へ輸送の途中、カレンの恋人らしきエルネスト（サルディー・ショルナック）がリーダーのゲリラが襲い、銃撃戦中にあっさりデンスモアがリーとカレンに絞殺のうえ、ローガンがゲリラの銃弾で亡くなる。それでも警察の部隊が駆けつけてカレンがエルネストと合流できず、リーとカレンが手錠のまま逃走のシチュエーションができる。
　お互いを嫌うリーとカレンに友情が芽生えていくパターンの展開において、警察のクルース大尉（エディー・ガルシア）とロッコが別々にふたりを追う。さらにクルースが雇ったならずものグループのボスのルーベン（シド・ヘイグ）も追う。尼僧に変装のリーとカレンがトラック運転手（ブルーノ・プンサラン）からダンプを奪ったり、バスの中で口論や暴力が宗教ベースのおかしさ。
　フィリピン・ロケはルーベン一味の乗るジプニーや、ルーベンとクルースが会うビリヤードとボーリング場で飲むビールがサン・ミゲルなどでわかる。　　
　結局はゲリラとルーベンたちの対決を経て、港でゲリラとヴィクのシンジケートの小規模な戦闘のアクションへいたる過程で全編にお色気要素を盛りこもうとの構成がポイントで、パム・グリアーとマーガレット・マーコヴの主役のほか、白人のウェンディー・グリーンや端役の白人とフィリピン人の女囚役がシャワーで全裸や寝室と作業時にパンチラを見せる。パムとマーガレットは独房でトップレスのうえ、手錠のまま格闘でもパンチラに、黒人のパムが黒いパンティー、白人のマーガレットが白いパンティーに苦笑いが起きる。手錠を切ろうと寄った山小屋で鍛冶屋のルイス（ズバス・ヘレロ）にマーガレットが犯されそうになるシーンは、レイプの表現がいい加減。ルーベンの一味の追っ手による捜索犬をまくため、マーガレットがパンティーを脱いで別の犬にかぶせると、あとはノー・パンのはずが、パムはパンティーをバッチリなのに、マーガレットはたくみにオマンコが隠れる。リーの仲間らしき女性（アローナ・アレグレ）をヴィクが電流で拷問の部屋には、ヴィクを愛撫の女性が二名、トップレス状態だし、ヴィクの屋敷のプールにもトップレスの女性が三名いて、ひとりはヴィクの胸をなめる。ルーベンが訪ねるなじみの男の家で娘といちゃつく三人プレーでは、娘役のふたりがトップレスでたわむれ、パンティーからお尻がはみだす。
　もっとも最高の見せ場はロティス・キーとアローナ・アレグレのヌードにつきて、ロティスは刑務所のシャワーで素っ裸。形のよいオッパイとかわいい乳首がそそるし、お尻がキュート。とにかく一番の美人だけに興奮の頂点を招く。キス、キス、キス、キス。アローナはロティスより容貌が落ちるものの、拷問で乳房に電流を流すシールを貼られ、乳首があらわ。
　また、裏でカネを狙う有力者のガリンド（アルフォンソ・カルヴァハル）をクルースがハメるとき、ルーベンの知り合いの娼婦のルペを使うが、ルペ役のカルピ・アストゥリアスがシャツのボタンをはずして胸元をはだける。
　いずれにしてもロティス・キーの全裸によだれがたれる。