ＢＩＴＡＹ！　ＬＥＴＨＡＬ　ＩＮＪＥＣＴＩＯＮ
（死刑執行！　命を奪う注射）
　
99年：ＮＧＰフィルムズ／リッチ・ランド・プロダクションズ
監督：ジョージ・Ｄ・パスクアル
主演：サブリナ・Ｍ
　　 　アマリア・ジョーンズ
　　　 フアン・ロドリゴ
　　　 ダニエル・フェルナンド
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 フェルナンド・モンテネグロ
　題名から医者ものかと予想したのだが、エンド・タイトルには『ＨＡＴＯＬ−ＢＩＴＡＹ…　ＲＡＰＩＳＴ−ＫＩＬＬＥＲ』（死刑判決…　強姦殺人犯）とあって、相変わらずフィリピン映画の表記はいい加減だ。まあ、法廷ものというわけでもなく、残忍なレイプ事件を捜査の話。かといって途中で犯人をあっさりバラし、ミステリーものにもなっていない。しいていえば…　エロものでしょう。
　女学生のオッパイ丸みえの死体がみつかり、フェルナンド・モンテネグロ演じる刑事などが調べ始める。第二の犠牲者も、オッパイを全開に刺殺されている。
　サブリナ・Ｍとアマリア・ジョーンズが演じる女学生の住む寄宿舎から被害がでるので、二人の周辺を洗うわけである。
　今さらサブリナとアマリアが学生というのは無理を感じるも、サブリナは病気で入院中の父の治療費のため、ファン・ロドリゴが社長を演じる会社でアルバイトを始める。アマリアは幼い弟妹をかかえ、生活費の必要からバーのダンサーになっている、との設定。ダニエル・フェルナンド演じるカレッジの教授が、授業中にアマリアのスカートからのぞく太腿に興奮をおぼえ、なにやら怪しい雰囲気。でも映画はエリック・ロドリゲス、エルウィン・モンテス、ジョエル・オルテガ演じる三人組が犯人だとあっさり教え、エリックがフアンの息子で、ダニエルの名づけ子との人間関係を示す。エリックには母親殺害事件を目撃のトラウマが挿入されるも、すごくワザとらしいなあ、なんて印象。
　結局、アマリアを犯すのに彼女だけ殺さないのはヘンだし、サブリナを誘拐で金銭目的に転じる。実に適当なストーリーだ、としか思えない。ダニエルにふざけた演技をつけるあたり、血も涙もない人物というふうにみせる意図だろうが、かえって逆効果。ジョージ・Ｄ・パスクアル監督の大凡作といわざるをえない。
　またエロ表現の部分でも、サブリナに関してはアレッ？　との内容。監禁先で縛られてダニエルにオッパイをもてあそばれるも、服の上からのみ。フアンと恋に落ちるのだが、二人のセックス・シーンでは、肝心の部分が隠れたまま。寄宿舎でさえ白いスリップくらいしか見せ場がなく、いつもの大胆なサブリナはどこへ行ったの、とハテナのもやもや状態を誘発。
　でも、さすがにアマリアがやってくれる。バーで証言を聞かれるときの赤いピタパンや、フアンのバースデー・パーティーへサブリナと一緒に出席の際のヘソだしピタパンなどで発達したプロポーションをうかがわせ、フェルナンドと恋仲になったあとのデート・シーンがすごい。ホテルの部屋で立って抱き合いながら、フェルナンドがアマリアのミニスカをまくりあげるや、なんとアマリアはパンティーをはいてなくてお尻丸だし。しかもそのお尻の両方のお肉を、フェルナンドがムギュッとつかんで愛撫する。すぐにアマリアのステージ・ダンスのシーンへとつながり、ビキニのアマリアの豊満なバストが圧倒的なうえ、パンティーが細い紐一本のＴバック。おまけに下からのアングルで撮るショットがあり、あまりに紐がキュッと食いこんでいて、こりゃ踊りの動きによってアヌスがハミでたり、ひょっとしてオマンコがのぞくんじゃないかとハラハラさせる。もう、我慢しきれたら男じゃない、というくらいの挑発。
　愛撫シーンから含めてステージまでの約四分間が、この映画のほぼすべて、と評しても過言ではない。
　アマリアのエロスのみが見せ場の作品と呼べそうだ。
　ほかにもＭＡＬＡＹＡＮというお店のＧ．Ｒ．Ｏ．だろうダンサーたちが下着でボディーをクネクネするショットの挿入も、なかなかのサーヴィス。
　余談ながら、アマリアの顧客にタカヤシという日本人が登場し、どこからどうみてもフィリピン人であり、妙な日本語を話すのが相変わらずで、苦笑をまねいた。