ＢＩＬＩＢ　ＡＫＯ　ＳＡ’ＹＯ
（私はあなたを信じてる）
　
99年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エディー・ロドリゲス
主演：ロビン・パディーリア
　　　 ジョイス・ヒメネス
　　　 エース・エスピノサ
　　　 エディー・グチェレス
　　　 デニス・パディーリア
　　　 ルストム・パディーリア
　あまりにも型通りのアクション映画。冒頭から金塊輸送車が襲われるハデな銃撃戦が展開し、見せ場をつくる。ロビン・パディーリア扮する主人公が輸送車を守り抜いたものの、このあと失業の事実がわかる。
　ディスコ・パブ（外観は“エドサ・エンターテインメント・コンプレックス”を撮影）に次の仕事をみつけたロビンは、そこのステージで踊るジョイス・ヒメネス扮するダンサーに一目でひかれる。このジョイスをめぐって、以下のドラマが展開になる。同じようにジョイスに魅了された士官とその部下がロビンと対立し、しかも彼らは以前の金塊強盗に関係が明るみにでて…
　前半はカレッジの学生ながらも、多数の小さな弟妹のためにダンサーとなって働くジョイスの家庭が紹介され、幼い子どもたちとロビンたちのやりとりがコメディー・タッチで描かれる。でも頭から綿をかぶったり、滑って転んだ程度のユーモア・センスで、それほど笑えないのだが…
　ダンサーのアルヴァイトを学校に知られ、ジョイスが放校になるあたりから、またアクションが始動する。敵の襲撃をかわしながらのロビンとジョイスたちの逃走劇のあと、ジョイスの弟妹に魔の手がのびてくるといったストーリー展開自体は、ほとんど新種のアイディアを欠くもの。アクションの内容もとくに目を見張るシーンが登場しない。
　まあ、こんなものでしょ、という感じか。
　坊主頭のロビンは腕っ節が強いものの、シャイで女性にぎごちない典型的なアクション・ヒーローを演じている。宙に浮いたピストルをキャッチで撃ったり、スコープ付きのライフルでターゲットを確実にしとめたり。ジャングルで死闘シーンがあれば、クンフー対決まで、実に盛りだくさんに活躍する。でも彼からはあまり男のセックス・アピールのみたいなものが感じられないのだが、そのあたりフィリピン人の意見はどうなのだろうか。
　やはり何といっても映画を支えるのはジョイスの魅力だが、最初に登場のディスコ・パブでのストリップ・ダンス・シーンではワンピースの下着になったところで終わり、いささか肩透かし。ロビンとのベッド・シーンでもずっとバスタオルを身体に巻いていて、かなり不満が残る。山道で音楽に合わせて踊るシーンで、突然スコールが降ってきてシャツがボディーに貼りつき、ノーブラの乳首をスケてポッチリと浮きあがらせ、やっと面目躍如を示す。
　それにしてもジョイスのかわいさは、男たちが命を賭けて争うのももっともだ、とうなずけるレヴェルだ。