ＢＩＧ　ＮＩＧＨＴ
　
09年：レオ・フィルムズ・プロダクション
監督：アレハンドロ・“ボン”・ラモス
主演：ジョルダン・ヘレラ
　　　 ジェイシー・パーカー
　　 　マルコ・モラレス
　　 　アルテア・ヴェガ
　　 　ソフィア・リー
　　 　キアン・クルース
　　 　ロレイン・ロペス
　性風俗の内側を描くエロティック作。個人的にこの種の題材が大好きなので、期待が盛りあがる。
　ジプニーのボディーに描かれる絵柄から判断するに、リサール州のどこかが舞台と思われる。ここでパライソ・ニ・アダン（アダムの楽園）というビール・ハウスを経営のビエン（ジョルダン・ヘレラ）が主人公。ホステスたちに厳しいので「悪魔だ」と嫌われ、妻のソニア（ジェイシー・パーカー）も殺意を抱く幻想をみる。妻の種違いの妹であるエレナ（アルテア・ヴェガ）と下半身不随の市長（ドディー・ディソン）の前で本番セックスを演じ、謝礼をもらい、営業のお目こぼしの許可を得ている。エレナが妊娠で、その恋人のマルコ（キアン・クルース）とのつき合いを責める。店はビッグ・ナイトと呼ぶイヴェントを控え、ソニアがお手伝いの中年女性のセニャ（リンダ・ケディット）とマーケットへ買いだしで地元の庶民の生活をうかがわせる。店には母親（ソフィア・ロリエガ）のつきそいでウェラ（ロレイン・ロペス）がダンサーの応募にきて、処女とのふれこみで採用。あとで母も売春婦っぽい暗示がでてくる。面接でビエンが「処女か」と質問や、病院で病気の検査が必要などといっているのが興味深い。またビエンの旧友のアベル（マルコ・モラレス）があらわれ、ホモ風俗のヴェテランのようで、女たちがダンスの練習のとき、ゲイ・バーでのマッチョ・ダンスをチラりと披露がおもしろい。いよいよダンサーのピンキー（ソフィア・リー）とアベルのトロ（本番ライヴ・セックス）をメインにビッグ・ナイトが開幕。入り口の垂れ幕に入場料が２５０ペソと書かれ、なるほどとうなずく。ほとんど学園祭のごとき安手の装飾が場末感を伝える。まずソニアのダンスに、ビエンが自分の妻なのに、客たちへ奥の個室で特別サーヴィスはどうかとすすめる。エレナへと続き、ピンキーの席の客がオナニーに夢中とのコメディー・タッチのうちに、今度はピンキー、ウェラと踊り、ピンキーが腹痛を起こすハプニングでトロの実行が危ぶまれる。ビエナがエレナに相手を命じるとエレナが嫌がり、ウェラが「いくら」と名のりでて２０００ペソでひきうけ、すぐにカネを母親にわたすあたりがフィリピンっぽい。まだ処女と宣伝のウェラが全裸でアベルとセックスに店内の誰もが興奮のとき、警察が踏みこんでくる。
　年老いたオカマのママ（ジグス・レクト）がちょっぴり哀愁をプラスの店では住みこみのダンサーやホステスたちが下着でゴロ寝し、オカマのマネージャーのビューティー（エドリアン・バルデヴィエソ）とオカマの美容師（メロン・アントニオ）のホモのアナル・セックスをソニアが目撃など、妙にリアルさに満ちる。途中でピンキーがインターネットでライヴ・チャットや、そのようすをのぞいた高校生を誘ってバンカー・ボートで沖へでての売春のサブ要素をくわえる。ただし自分でも地元の安いバーの裏側に寝泊りの経験を何ヶ所かで何回かもつが、そのときの印象に比べて愛憎模様が強烈なのは、ドラマティックにみせようとのフィクションのせいだろう。
　ビエンの性格づけが単細胞な点がマイナスで、ピストルをふりまわすあたりでオイオイと評価がさがり、結局は殺人に発展のラストに落胆。もっと終わりかたを考えてほしいなあ、が正直な印象になる。
　期待もほどほこってとこか。
　もっともセクシー女優の共演に歓喜が起きる。一番のスターはジェイシー・パーカーだが、肩に刺青があるし、ヘソピーをつけてるしで、欧米ふうの容貌を含め、さほど好みのタイプをはずれるも、３種類ほどのシャツやワンピースなどの普段着でバストの谷間を強調し、巨乳の存在感が視線を奪う。セニャと教会へでかけたら玄関が閉まっていたり、買いだしの際のお尻にくいこみ、太腿にピタッとはりつく薄手の生地のジーンズからうかがうプロポーションが太めくっきりに、いつのまに肥満といいたくなるが、ビッグ・ナイトでのダンスはミニスカにブラで、そのブラをはずしても手で乳房を隠すうしろ姿までながら、ビエンの暴力的なセックスで一糸まとわぬ全裸をみせる。騎乗位でオッパイがプラプラと揺れ、さすがのド迫力。やや荒川静香似のアテナ・ヴェガは容貌がイマイチでも、美乳が魅力といえる。市長の前でビエンに脱がされ、素っ裸の上向きオッパイのボディーがゾクゾクとそそる。しゃがんだ全裸の水浴びはわびしさが演技のうまさだし、ベイ・サイドのベンチに座るときに、横のマルコのジーンズが半ケツで、なんでアテナのほうじゃないのと思わせたが、マルコとセックスで素っ裸にオッパイを堂々の全開。ビッグ・ナイトのダンスで豹柄ワンピースの上部をまくり、オッパイを手で隠すうしろ姿のみが惜しいかな。ソフィア・リーは容貌がタイプなうえ、露出も大胆さがみごと。乳首のボッチが浮きでたバストに切れこみの深いシャツをきて、チャットで「胸がみたいでしょ」で乳首をポロンとだす。窓ごしにのぞく高校生に気がつくや、彼らにも乳首を一瞬にモロ。船上売春になって、ほかのふたりがオナニーにふける中、ひとりを相手に真っ裸に脱がせ、自分も全裸でオッパイを存分におがませる。ビッグ・ナイトの出番の準備でビキニの衣装のパンティーがＴバッグなのに下半身がムズムズと刺激をうけ、いざステージではビールを胸にかけると股間へつたっていく。ブラが濡れて乳首がスケるし、パンティーには紐製のパレオを巻いていたが、ちゃんとはずしたと思いきや、すぐにブラもとってのトップレス。乳首を惜しげもなく公開にくわえ、なんとパンティーをぬきとるではないか。まさかの全裸を全面にうつさないのは、かえってヘビの生殺し状態になる。ロレイン・ロペスはまずまずの容貌だし、面接で乳首がスケぎみのシャツから素っ裸に脱ぎ、陰毛のあたりに手をおいたオッパイを丸だしの全身がおいしそう。ビッグ・ナイトの準備で光沢ビキニが好きな衣装だけに妄想がもたげ、ちゃんとそれに応えるごとく踊り、トロに変わって光沢ブラをはずし、かわいい乳首のオッパイを丸みえにアベルを招くと、お尻の割れ目が半分でた光沢パンティーの紐をほどかれ、アベルもパンツをおろして全裸でセックスをはじめる。ビエンがクビと切るオルガなど、ジェイミー・カサス、メアリー・ジェーン・トルノ、ウィンチェリエ・アマショ、ジョアン・アキノ、カルラ・ヴィリエガス、ジェーン・アリンゴが演じるホステスたちは、さして容貌のさえないのが現実的かな。
　男のヌードは正直、気持ち悪いも、ジョルダン・ヘレラやキアン・クルースが水浴びやセックスで真っ裸なうえ、マルコ・モラレスが度をこえる。水浴びでチンポがのぞくし、うつ伏せに寝てウェラがシーツをかける全裸で、お尻にアヌスが露出寸前。トロのセックスもチンポがギリギリにでそうになる。船でピンキーがお相手の学生は全裸でチンポの先っぽの亀頭がうつる。
　まあ、アレハンドロ・“ボン”・ラモスには手持ちカメラで臨場感をもたせるのはよいも、ソフィア・リーにステージの素っ裸のショットがほしかたなあといいたいところ。
　ソフィアとロレインにキスを…。