ＢＩＧＬＡＮＧ　ＬＩＫＯ
（予期せぬ曲がり角）
　
02年：スターライト・フィルムズ
監督：ホヴェン・Ｍ・タン
主演：ハリーナ・ペレス
　　　 ジェラルド・マドリッド
　　　 ハロルド・ピネダ
　　　 バルバラ・ミラノ
　　　 ステラ・Ｌ
　　　 ニーナ・ロペス
　　　 リチャード・クアン
　　　 シモン・イバラ
　　　 アニータ・リンダ
　『ＥＳＫＡＮＤＡＬＯＳＡ』に続くホヴェン・Ｍ・タン監督とバルバラ・ミラノが組んだ作品。バルバラ・ファンとしては、またも誘惑的な露出を期待するが…　いきなり海岸でバルバラ扮する女性が、ジェラルド・マドリッド演じる恋人と全裸で抱き合う。オッパイは横からだけでややみづらいものの、あのキュートなお尻が立ったポーズで、座ったポーズでバッチリになり、まだタイトル前なのにイカしてくれる。
　嬉しい出だしじゃないか。
　物語はマニラへでて、必ず帰ると約束したバルバラが行方不明で消えたため、ジェラルドが探しにやってくる。そこで繰り広げられる群像劇。
　バルバラはちょこっとしか登場しなくなってしまい、すごく不満だが、ハリーナ・ペレス、ステラ・Ｌ、新人のニーナ・ロペスといったセクシー・スターが顔をそろえ、まだまだ期待できる。
　ジェラルドはマニラでタクシー運転手を始めて捜索を開始。たまたま客として乗った女性がハリーナの役で、ジェラルドに思いを寄せながらも、友人となっていろいろ手伝ってくれる。ハリーナの近くにはステラ・Ｌ演じるニュース・キャスターがいて、これが実に怪しい雰囲気。シモン・イバラ演じる警官になにやら依頼している。一方、ジェラルドはハロルド・ピネダ演じる従兄弟の部屋に住むのだが、ハロルドは男のストリップ・ダンサー。マダム・アウリン演じるおばさんを顧客にもつ。ハロルドの部屋のあるスラムでジェラルドはニーナ・ロペス演じる女性と最初に知り合い、親交を深めるも、実はハロルドの妻という設定。顧客がいるから家を追いだされたわけながら、本当はまだお互いを愛している。ハロルドは店が警察の手入れを受けたときにホモだったシモンにつかまり、レイプされる。
　映画は線路にトロッコを走らせる鉄道沿いのスラムの生活ぶりをよく描きだし、鉄塔のみえる風景や、太い用水パイプの上でのデートなど、風俗的なおもしろさをだすのが興味深い点。アニータ・リンダ演じる少女をつかまえては売春させ、ついには年がいもなく自分を商品にする老女など、下層の現実を垣間みさせようともしている。ただステラがシモンを雇ってバルバラを殺させ、それをハリーナがみていた。シモンはハロルドを殺し、ステラはシモンを殺す。ハリーナも別の男に窒息死させられるといったドラマの進めかたは、あまり感心できない。人間関係が妙につながっているため、大都会でバルバラを発見できるかとジェラルドが笑われたわりには、せまい社会じゃないかとの印象を与える結果におちいっている。ステラに悪を押しつけてしまったので、都会のひずみが起こす怖さといった狙いも空回り。ニーナを連れてジェラルドが帰郷のラストまで、ついには運命的な悲劇を表現できなかったといえよう。
　残念ながら、つまらない作品だ。
　ただし、目的のセクシー・シーンは適度に盛りこまれる。ジェラルドの回想の中でバルバラのトップレスが挿入され、うっとりするようなオッパイにチュッチュ。ジェラルドとラヴ・ホテルへ入ったとき、ハリーナが黒いブラになり、オッと鼻息が荒くなる。ジェラルドが余計な想像をもたげ、セックスするハリーナのオッパイがアップで迫ってくるし、シャワーでの全裸がキュート。それほどタイプじゃないハリーナだが、さすがにビンビン。ニーナはジェラルドと部屋で話す際の、紐なしの黒いブラがそそる。ハロルドとの仲が戻ってセックスの展開になって、白いブラをとられ、横チチが興奮を誘う。まままあの容姿だし、さすがにオッパイは、うーん、吸いつきたい。美人のステラにヌードがないのは意外ながら、リチャード・クアン演じるニュース番組のプロデューサーが出世すると知って誘惑にのり、社内でイチャついている現場を発見されて失脚のシーンで、お尻に貼りついた黒いパンティーがアップでおいしそう。
　女優陣のアクセントが退屈さを救ったようだ。
　なお映画館の前のショットでアラ・ミナの『ＳＡＧＡＤ　ＳＡ　ＩＮＩＴ』の看板が大きくでてくるのは、アラ・ファンとして嬉しいところ。よくみれば『ＥＳＫＡＮＤＡＬＯＳＡ』のポスターも貼ってあり、さり気ない楽屋落ちにニコニコする。